二人静
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翌朝。
悠紀「喉が渇いたな…」
目を覚ました私は、石神さんを起こさないように、そっとベッドを出た。
体に けだるさを感じつつ、キッチンへ向かう。
途中、リビングを通ると、和菓子屋の紙袋が目についた。
何気なく中を覗くと、そこには長方形の外箱があり、その中に丸い小箱が2つ入っている。
悠紀「あっ、二人静って2つ入りだったんだ……」
1つは昨夜開けた、男君と赤い衣の女君が寄り添う絵の箱。
そして もう1つは、白い衣姿の男女が抱き合っている絵だった。
悠紀「……………////」
昨夜の自分たちのことを思い出して、ついドキドキしてしまう。
(中身は…………?)
蓋を開けようとした、その時。
「俺たちと同じだな。」
(…………………!)
背後から声がして、石神さんに抱きすくめられてしまった。
悠紀「同じ?……あっ」
そういえば、私たちは最近買った、ペアの白いパジャマを着ている。
私は、自分の顔が熱くなるのを感じながら、2つ目の小箱の蓋を開けた。
悠紀「あれ?」
中身は、1つ目と同じだった。
石神さんは そこからひと粒取り、半分を私の口に入れ、残り半分を自分の口に入れた。
これも、ふわりと甘い。
石神「二人静の花を知っているか?」
悠紀「どんな花でしょうか?」
石神「二人静は、白い花を咲かせた穂が枝先に二本並ぶ」
悠紀「あっ、だから このお菓子は紅白一対でひと粒。小箱2つで ひと組……」
石神「二人静の花言葉は、“いつまでも一緒に”」
悠紀「私たちも、いつまでも……」
石神さんは突然、私の体をくるりと自分の方に向け、抱き締めた。
私も、思わず石神さんの背中に腕をまわす。
すると、あっという間に私は抱き上げられ、寝室に運ばれてしまった。
“ポスッ”
ベッドの上に降ろされ…
悠紀「え、あの、あさ……んっ」
朝から、こんなこと………という ささやかな抵抗の言葉は、口づけで封じ込められてしまった。
そして、この日の私たちは…
シーツの包み紙にくるまれた、甘い…甘い二人静になったのだった…
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