鬼は そこ
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2月3日は節分。
石神さんと私は山野さんに頼まれて、施設を訪れた。
石神「祐介、来てやったぞ。」
山野「やぁ、悠紀さんに秀樹。助かるよ。」
『今日は子供たちの豆まきのお手伝いをすればいいんですよね?』
山野「えぇ、オレは子供たちに号令をかけるんで、二人には鬼の役をやってもらいます。はい、これ。」
石神「……?」
山野さんが、鬼役の私たちにくれたのは、鬼のお面…ではない。
なぜか、鬼のツノが付いたカチューシャ。
『どうしてお面じゃないんですか?』
山野「秀樹は もともと怖いから、お面なんか無くてもツノだけで充分です。」
『じゃあ、私も?』
山野「いえいえ、悠紀さんはツノを付けると某アニメキャラみたいで可愛いからです。あ、よかったらトラ柄のビキニも……」
石神「…………おい。」
(あれ?誰か、こんなこと言いそうな気が……)
山野「さぁ みんな、豆を撒いて鬼を追い払うぞ。それー!」
子供たち「鬼は~そと!福は~うち!」
山野さんの号令と共に、子供たちから豆が飛んでくる。
『あいたたたた~!』
石神「逃げるぞ!」
子供の力とはいえ、思いっきりぶつけられる豆は結構痛い。
石神さんと私は、オーバーアクションで痛がる仕草をしながら、施設の門の外へ走り出た。
「やった~、鬼をやっつけたよー!」
「エイ エイ オー!!」
門の脇の塀にもたれて。
『子供たち、楽しそうでしたね。』
石神「あぁ。来年は祐介に鬼をやらせよう。」
私が隣の石神さんを見上げると、鬼のツノ付きカチューシャをつけたまま、ニヤリと笑った。
(ふふっ、カチューシャ、結構似合ってる……)
『静かですね?』
石神「子供たちは部屋に戻ったんだろう。もうすぐ おやつの時間だからな。俺たちも中に入るか。」
『はい!』
??「ねぇ、お兄ちゃんたちは本物の鬼じゃないんでしょ?」
『えっ?』
ふと気がつくと、門柱の陰から男の子がこちらを見ていた。
一人で部屋を抜け出したようだ。
男の子「本物の鬼はどこから来るの?」
『それは…うーん…』
石神「鬼は、どこにでもいる。鬼というのは、初めからいるのではなくて、人が鬼になるんだ。」
男の子「じゃあ、ぼくも鬼になっちゃうの?」
石神「いや、人を思いやる気持ちがあれば大丈夫だ。」
男の子「ふ~ん……」
(私は、誰よりも思いやりがある、優しい“鬼”を知ってるけどね。)
山野「おーい、おやつの時間だぞ~!」
エプロンをしたままの山野さんが呼んでいる。
石神「そろそろ部屋に戻ろう。…みんなが待ってるからな。」
『ね、行こう。』
男の子「………うん。」
今日のおやつは、なんと山野さん手作りのプリンだった。
山野「この前、悠紀さんに作り方を教えてもらったから挑戦してみたんだけど、どうかな?」
『すごく おいしいです!』
石神「祐介にしては上等だな。」
山野「!…まさか、秀樹に褒められるとは!…うっ…う………」
石神「嘘泣きは止めろ」
『あはは……』
私たちが帰る時、山野さんは門まで見送りに出てくれた。
山野「さっきは ツヨシを連れて来てくれて、ありがとう。あいつ、よく一人で抜け出そうとするんだ。」
石神「他の子供たちと気が合わないのか?」
山野「いや……ただ、あいつは両親を鬼に食べられたって教えられているから、鬼退治に行こうとしてるらしい。」
『そんな……』
石神「………………」
(あの子…ツヨシ君の両親も石神さんの両親と同じように………?)
山野「ここの子供たちは、みんな複雑な事情を抱えてる。ツヨシだけ特別扱いはしないよ。……あ、そうだ。これ、今日のお土産。」
山野さんは、紙袋を石神さんに手渡した。
『ありがとうございます。お土産だなんて…気を使わせてしまって すみません。』
石神「珍しい事をされると気味が悪いが……もらっておく。」
『じゃあ、また………』
夕方。
私たちは、石神さんのマンションに帰って来た。
『夕食まで まだ時間があるし、とりあえず山野さんからもらったお土産を頂きましょうか。』
山野さんからもらったお土産は箱入りで、きれいなラッピングがされていた。
私は、てっきりお菓子だと思っていたのだけれど……
『えぇ?!』
石神「!!」
中味は、ツノ付きカチューシャと………
トラ柄のビキニ?!
今日の山野さんの、“某アニメキャラの……”のくだりは冗談じゃなかったの?
石神「処分すればいい。」
『でも、頂いた物をそのまま捨てたら申し訳ない気も…』
石神「…なら、着てみるか?」
(ううっ…石神さん、他人事だと思って絶対面白がってる……)
『じゃあ、ちょっとだけ着てみて、後は演劇部に寄付します!』
石神さんの意地悪オーラで引き下がれなくなった私は、箱を抱え、寝室へ着替えに行った。
さすがに ちょっと躊躇うけれど。
私はビキニの水着を着た事があるし、コレもそうだと思えば。
……ただ、トラ柄なだけ。
……舞台衣装だと思えば。
えいっ!
私は、思い切って一気に着替えた。
ところが。
(……あれ?)
箱の中に もう一枚、トラ柄の小さな物体が入っている。
それを出してみると……
『ブリーフ?!』
石神「着替えたか?……なかなか似合っているな。」
ちょうどそこへ、石神さんが 、なかなか出て来ない私の様子を見に来た。
『あの……これ……』
石神「なっ……………!」
さすがの石神さんも、かなり引いている。
でも!
『石神さんも穿いてみて下さい!』
さっきの石神さんの意地悪オーラの仕返しのつもりだった。
石神さんは少しの間、考えている様子だったけれど。
石神「自発的に穿くつもりはないが…」
そう言いながら、服を脱いでいく。
『え?それは どういう……』
石神「悠紀が強制的に穿かせるのなら、仕方がない…と いうことだ。」
ボクサーパンツだけになった石神さんは、その場で仁王立ちになった。
これはつまり…後は私がボクサーパンツを脱がせて、トラ柄ブリーフを穿かせろ、と?
私の、この手で石神さんを全裸に?
(恥ずかし過ぎる……!)
石神「さぁ、穿かせたいんだろう?」
『う~………////』
結局追い詰められたのは私の側で。
私は、目の遣り場に困りながら、石神さんにトラ柄ブリーフを穿かせたのだった。
(せっかくだから、ブリーフの鬼コスプレは よく見ておこうかな……)
そう思いながら、石神さんの前で身を起こした、その時。
『あっ…………!』
覆い被さってきた石神さんに押され、私は背後のベッドに倒れ込んだ。
私の視界は、石神さんの端正な顔でいっぱいになる。
『あの…これじゃあ石神さんの鬼コスプレが見えないです。』
石神「俺は元から“鬼”だ。改めて見る必要は無い。」
『えぇ?ズルいです!』
石神「悠紀も、もう気が済んだだろう?」
そう言って、石神さんは私のビキニに手をかける。
『あ……………////』
脱ぎ捨てられたトラ柄たちは、ベッドの下に、スルリと落ちた……
・
・
・
黒澤「穿こう、穿こう、鬼のパンツ~♪」
雑貨店で偶然出会い、山野に鬼コスプレを勧めた黒澤。
それが石神にバレバレなこと
結果 この後黒澤に悲劇が起こることを、
………彼は まだ知らない。
-----End-----
石神さんと私は山野さんに頼まれて、施設を訪れた。
石神「祐介、来てやったぞ。」
山野「やぁ、悠紀さんに秀樹。助かるよ。」
『今日は子供たちの豆まきのお手伝いをすればいいんですよね?』
山野「えぇ、オレは子供たちに号令をかけるんで、二人には鬼の役をやってもらいます。はい、これ。」
石神「……?」
山野さんが、鬼役の私たちにくれたのは、鬼のお面…ではない。
なぜか、鬼のツノが付いたカチューシャ。
『どうしてお面じゃないんですか?』
山野「秀樹は もともと怖いから、お面なんか無くてもツノだけで充分です。」
『じゃあ、私も?』
山野「いえいえ、悠紀さんはツノを付けると某アニメキャラみたいで可愛いからです。あ、よかったらトラ柄のビキニも……」
石神「…………おい。」
(あれ?誰か、こんなこと言いそうな気が……)
山野「さぁ みんな、豆を撒いて鬼を追い払うぞ。それー!」
子供たち「鬼は~そと!福は~うち!」
山野さんの号令と共に、子供たちから豆が飛んでくる。
『あいたたたた~!』
石神「逃げるぞ!」
子供の力とはいえ、思いっきりぶつけられる豆は結構痛い。
石神さんと私は、オーバーアクションで痛がる仕草をしながら、施設の門の外へ走り出た。
「やった~、鬼をやっつけたよー!」
「エイ エイ オー!!」
門の脇の塀にもたれて。
『子供たち、楽しそうでしたね。』
石神「あぁ。来年は祐介に鬼をやらせよう。」
私が隣の石神さんを見上げると、鬼のツノ付きカチューシャをつけたまま、ニヤリと笑った。
(ふふっ、カチューシャ、結構似合ってる……)
『静かですね?』
石神「子供たちは部屋に戻ったんだろう。もうすぐ おやつの時間だからな。俺たちも中に入るか。」
『はい!』
??「ねぇ、お兄ちゃんたちは本物の鬼じゃないんでしょ?」
『えっ?』
ふと気がつくと、門柱の陰から男の子がこちらを見ていた。
一人で部屋を抜け出したようだ。
男の子「本物の鬼はどこから来るの?」
『それは…うーん…』
石神「鬼は、どこにでもいる。鬼というのは、初めからいるのではなくて、人が鬼になるんだ。」
男の子「じゃあ、ぼくも鬼になっちゃうの?」
石神「いや、人を思いやる気持ちがあれば大丈夫だ。」
男の子「ふ~ん……」
(私は、誰よりも思いやりがある、優しい“鬼”を知ってるけどね。)
山野「おーい、おやつの時間だぞ~!」
エプロンをしたままの山野さんが呼んでいる。
石神「そろそろ部屋に戻ろう。…みんなが待ってるからな。」
『ね、行こう。』
男の子「………うん。」
今日のおやつは、なんと山野さん手作りのプリンだった。
山野「この前、悠紀さんに作り方を教えてもらったから挑戦してみたんだけど、どうかな?」
『すごく おいしいです!』
石神「祐介にしては上等だな。」
山野「!…まさか、秀樹に褒められるとは!…うっ…う………」
石神「嘘泣きは止めろ」
『あはは……』
私たちが帰る時、山野さんは門まで見送りに出てくれた。
山野「さっきは ツヨシを連れて来てくれて、ありがとう。あいつ、よく一人で抜け出そうとするんだ。」
石神「他の子供たちと気が合わないのか?」
山野「いや……ただ、あいつは両親を鬼に食べられたって教えられているから、鬼退治に行こうとしてるらしい。」
『そんな……』
石神「………………」
(あの子…ツヨシ君の両親も石神さんの両親と同じように………?)
山野「ここの子供たちは、みんな複雑な事情を抱えてる。ツヨシだけ特別扱いはしないよ。……あ、そうだ。これ、今日のお土産。」
山野さんは、紙袋を石神さんに手渡した。
『ありがとうございます。お土産だなんて…気を使わせてしまって すみません。』
石神「珍しい事をされると気味が悪いが……もらっておく。」
『じゃあ、また………』
夕方。
私たちは、石神さんのマンションに帰って来た。
『夕食まで まだ時間があるし、とりあえず山野さんからもらったお土産を頂きましょうか。』
山野さんからもらったお土産は箱入りで、きれいなラッピングがされていた。
私は、てっきりお菓子だと思っていたのだけれど……
『えぇ?!』
石神「!!」
中味は、ツノ付きカチューシャと………
トラ柄のビキニ?!
今日の山野さんの、“某アニメキャラの……”のくだりは冗談じゃなかったの?
石神「処分すればいい。」
『でも、頂いた物をそのまま捨てたら申し訳ない気も…』
石神「…なら、着てみるか?」
(ううっ…石神さん、他人事だと思って絶対面白がってる……)
『じゃあ、ちょっとだけ着てみて、後は演劇部に寄付します!』
石神さんの意地悪オーラで引き下がれなくなった私は、箱を抱え、寝室へ着替えに行った。
さすがに ちょっと躊躇うけれど。
私はビキニの水着を着た事があるし、コレもそうだと思えば。
……ただ、トラ柄なだけ。
……舞台衣装だと思えば。
えいっ!
私は、思い切って一気に着替えた。
ところが。
(……あれ?)
箱の中に もう一枚、トラ柄の小さな物体が入っている。
それを出してみると……
『ブリーフ?!』
石神「着替えたか?……なかなか似合っているな。」
ちょうどそこへ、石神さんが 、なかなか出て来ない私の様子を見に来た。
『あの……これ……』
石神「なっ……………!」
さすがの石神さんも、かなり引いている。
でも!
『石神さんも穿いてみて下さい!』
さっきの石神さんの意地悪オーラの仕返しのつもりだった。
石神さんは少しの間、考えている様子だったけれど。
石神「自発的に穿くつもりはないが…」
そう言いながら、服を脱いでいく。
『え?それは どういう……』
石神「悠紀が強制的に穿かせるのなら、仕方がない…と いうことだ。」
ボクサーパンツだけになった石神さんは、その場で仁王立ちになった。
これはつまり…後は私がボクサーパンツを脱がせて、トラ柄ブリーフを穿かせろ、と?
私の、この手で石神さんを全裸に?
(恥ずかし過ぎる……!)
石神「さぁ、穿かせたいんだろう?」
『う~………////』
結局追い詰められたのは私の側で。
私は、目の遣り場に困りながら、石神さんにトラ柄ブリーフを穿かせたのだった。
(せっかくだから、ブリーフの鬼コスプレは よく見ておこうかな……)
そう思いながら、石神さんの前で身を起こした、その時。
『あっ…………!』
覆い被さってきた石神さんに押され、私は背後のベッドに倒れ込んだ。
私の視界は、石神さんの端正な顔でいっぱいになる。
『あの…これじゃあ石神さんの鬼コスプレが見えないです。』
石神「俺は元から“鬼”だ。改めて見る必要は無い。」
『えぇ?ズルいです!』
石神「悠紀も、もう気が済んだだろう?」
そう言って、石神さんは私のビキニに手をかける。
『あ……………////』
脱ぎ捨てられたトラ柄たちは、ベッドの下に、スルリと落ちた……
・
・
・
黒澤「穿こう、穿こう、鬼のパンツ~♪」
雑貨店で偶然出会い、山野に鬼コスプレを勧めた黒澤。
それが石神にバレバレなこと
結果 この後黒澤に悲劇が起こることを、
………彼は まだ知らない。
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