ほととぎす
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『ほととぎす』は6月の季語だそうですね。
私は、官邸でお父さんと話をした後、今後の打ち合わせをする為SPルームに立ち寄った。
『こんにちは…あれ?誰もいない…』
でも、少し待てば桂木さんが来るはず。
私は、それまで大学の講義の復習をしようと、ノートを広げた。
しばらくして…廊下から、賑やかな声が聞こえてきた。
海司「おう、来てたのか。」
そら「悠紀ちゃん、いらっしゃ~い!」
瑞貴「こんにちは、悠紀さん。班長と打ち合わせ?」
『はい。』
SPルームに入って来たのは、そらさん、瑞貴さん、海司だった。
海司「班長ならもうすぐ来ると思うけどな。…で、それは大学のノートか?」
『うん。ほととぎす とか、この時期の俳句の季語をテーマに…』
そら「はいは~い!オレ知ってる。
“鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす”
とかいうヤツだよね?」
家康の“鳴くまで待とう”
信長の“殺してしまえ”
秀吉の“鳴かせてみよう”…
それぞれの人柄に当てはめた、アレだ。
『うん、まぁ…(ちょっと講義のテーマとは違う気もするけど…)』
瑞貴「僕なら、
“鳴かぬなら ワケを教えて? ほととぎす”
かな。」
そら「わっ、それガチじゃん!…海司だったら、
“鳴かぬなら… いいから鳴けって! ほととぎす”
って感じ?」
海司「なんすか、それ…オレが力ずくで鳴かせるみたいじゃないっすか!」
『あはは!でも海司らしいよ?』
海司「勘弁してくれよ…んじゃ、そらさんは…
“鳴かぬなら メス連れて来よう ほととぎす”
ってところっすか?」
それって、ほととぎすの合コン?
そら「う…否定はできないかも…」
『じゃあ、昴さんは?』
海司「うーん…
“鳴かぬなら… 俺に任せろ ほととぎす”
…で どうだ?」
そら「何それ?すごい自信だけど、つまり どうしたいのか、わかんないよ?」
『ふふっ、確かにそうだけど、昴さんなら そう言ってなんとかしてくれそうな気もしますね。』
海司「だろ?」
?「何や、えらい盛り上がっとるなぁ!…ちゅうことは、桂木くんは おらんのか。」
その時、入って来たのは…
そら「ピ…桃田部長!」
瑞貴「桃田部長は、鳴かぬなら…?」
桃田部長「はぁ?鳴かぬなら?…そらぁ、
“鳴かぬなら 笑かしたろか ほととぎす”
やろ?…うん、我ながら ウマい事言うたな。ワハハハ!」
「「「「…………………………」」」」
それだけ言うと、桃田部長は出ていってしまった。
『桃田部長、さすが関西人ですね…』
そら「さっ、気を取り直して…次は誰のほととぎすかな~?」
??「やはり今日も、緊張感のカケラも無いな。」
今度入って来たのは、石神さんだ。
そら「げっ、スパイだ…」
『石神さん!どうしたんですか?』
石神「桂木さんに渡す書類を持ってきたのですが。」
瑞貴「もう一人の合コン好き ほととぎすさんは いませんね?」
石神「何の話だ?」
そら「サイボーグほととぎすには関係ないって!」
石神「フン。…では悠紀さん、後ほど連絡します。」
『はい!』
石神さんは、私だけに微笑んだ。
その後、ようやく戻ってきた桂木さんとの打ち合わせを終えた私は、官邸の廊下を歩いていた。
『黒澤さんは、
“鳴かぬなら 調べときます ほととぎす”
か……公安だもんね。』
そんな事を考えながら歩いて、官邸を出る。
玄関では、いつものように真壁さんが声をかけてくれた。
『真壁さんは…
“鳴かぬなら… お願いしますっ! ほととぎす”
…なんてね。ふふっ!』
真壁さんに必死で頼み込まれたら、ほととぎすも鳴いてくれるかも。
こんなふうに、この時の私は、身近な人の“ほととぎす”を考えてみるのが すっかりマイブームになっていた。
と、その時。
♪~♪~♪~
『石神さんからメールだ!』
〔今日は もう上がれる事になりました。これから一緒に食事でもいかがですか?〕
『やったぁ~!…あ、でも 講義のノートのまとめ、結局できなかったんだよね。』
…なので。
今晩は、外食ではなく石神さんのマンションで食べて、食後に勉強をみてもらうことになった。
『石神さん、ありがとうございました。おかげで、あっという間に まとまっちゃいましたね。…すごいです!』
石神「こういうものは、集中すれば すぐにできるものです。あの お祭りチームと一緒にいては無理でしょうが。」
『あはは…でも、今日は“鳴かぬなら………ほととぎす”を皆さんに当てはめて考えていたら、面白かったですよ?』
石神「あぁ…あの時は、そういう話でしたか。」
私たちは、今日のSPルームでの遣り取りを思い出した。
けれど。
『そういえば、石神さんの“ほととぎす”は まだ出てないですね……』
石神「言うまでもないと思いますが?」
『???』
どういうこと?
すると、ソファーで隣に座っていた石神さんは、腕を背中に廻し私を抱き寄せた。
至近距離で見つめ合う。
石神さんは 見つめ合ったまま、片手で眼鏡を外した。
このパターンは……
でも、石神さんの深い瞳に囚われて動けない。
鼓動ばかりがスピードを上げていく。
石神「わからないか?」
『あ、あの…わかりませ……んっ////』
やっとの思いで絞り出した言葉は、石神さんの唇に遮られてしまった。
やがて口づけは首筋へ降りていき、石神さんの長い指が身体を這う。
『は………』
思わず声を出しかけ、慌てて手を口に当ててこらえる。
すると石神さんは、その手を掴み耳元で囁いた。
石神「やはり…啼かぬなら……」
『……えっ?』
この状況で、さっきの話?
…て いうか、今の “なかぬなら”に違和感を感じたのは気のせい?
石神「しつけてやろう ほととぎす、だな。」
『あっ……////』
石神さんは、私をお姫様抱っこして寝室へ向かう。
石神「さぁ…ここなら、心置きなく啼けるだろう?」
『はぁ………』
その低い囁き声だけでも、私をとろけさせるには充分だったのに…
さらに石神さんにベッドの上で愛され続け…やがて私の意識は遠のいていった。
石神「悠紀……俺は、これから もっと貴女をしつけるつもりだ。覚悟するんだな。」
『ん…………』
━━ 俺の前で “泣かぬなら…”
貴女が俺の為に無理をしないように
時には貴女が俺に我が儘を言えるように
“しつけてやろう ほととぎす”
愛しい、俺の…ほととぎす ━━
-----End-----
私は、官邸でお父さんと話をした後、今後の打ち合わせをする為SPルームに立ち寄った。
『こんにちは…あれ?誰もいない…』
でも、少し待てば桂木さんが来るはず。
私は、それまで大学の講義の復習をしようと、ノートを広げた。
しばらくして…廊下から、賑やかな声が聞こえてきた。
海司「おう、来てたのか。」
そら「悠紀ちゃん、いらっしゃ~い!」
瑞貴「こんにちは、悠紀さん。班長と打ち合わせ?」
『はい。』
SPルームに入って来たのは、そらさん、瑞貴さん、海司だった。
海司「班長ならもうすぐ来ると思うけどな。…で、それは大学のノートか?」
『うん。ほととぎす とか、この時期の俳句の季語をテーマに…』
そら「はいは~い!オレ知ってる。
“鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす”
とかいうヤツだよね?」
家康の“鳴くまで待とう”
信長の“殺してしまえ”
秀吉の“鳴かせてみよう”…
それぞれの人柄に当てはめた、アレだ。
『うん、まぁ…(ちょっと講義のテーマとは違う気もするけど…)』
瑞貴「僕なら、
“鳴かぬなら ワケを教えて? ほととぎす”
かな。」
そら「わっ、それガチじゃん!…海司だったら、
“鳴かぬなら… いいから鳴けって! ほととぎす”
って感じ?」
海司「なんすか、それ…オレが力ずくで鳴かせるみたいじゃないっすか!」
『あはは!でも海司らしいよ?』
海司「勘弁してくれよ…んじゃ、そらさんは…
“鳴かぬなら メス連れて来よう ほととぎす”
ってところっすか?」
それって、ほととぎすの合コン?
そら「う…否定はできないかも…」
『じゃあ、昴さんは?』
海司「うーん…
“鳴かぬなら… 俺に任せろ ほととぎす”
…で どうだ?」
そら「何それ?すごい自信だけど、つまり どうしたいのか、わかんないよ?」
『ふふっ、確かにそうだけど、昴さんなら そう言ってなんとかしてくれそうな気もしますね。』
海司「だろ?」
?「何や、えらい盛り上がっとるなぁ!…ちゅうことは、桂木くんは おらんのか。」
その時、入って来たのは…
そら「ピ…桃田部長!」
瑞貴「桃田部長は、鳴かぬなら…?」
桃田部長「はぁ?鳴かぬなら?…そらぁ、
“鳴かぬなら 笑かしたろか ほととぎす”
やろ?…うん、我ながら ウマい事言うたな。ワハハハ!」
「「「「…………………………」」」」
それだけ言うと、桃田部長は出ていってしまった。
『桃田部長、さすが関西人ですね…』
そら「さっ、気を取り直して…次は誰のほととぎすかな~?」
??「やはり今日も、緊張感のカケラも無いな。」
今度入って来たのは、石神さんだ。
そら「げっ、スパイだ…」
『石神さん!どうしたんですか?』
石神「桂木さんに渡す書類を持ってきたのですが。」
瑞貴「もう一人の合コン好き ほととぎすさんは いませんね?」
石神「何の話だ?」
そら「サイボーグほととぎすには関係ないって!」
石神「フン。…では悠紀さん、後ほど連絡します。」
『はい!』
石神さんは、私だけに微笑んだ。
その後、ようやく戻ってきた桂木さんとの打ち合わせを終えた私は、官邸の廊下を歩いていた。
『黒澤さんは、
“鳴かぬなら 調べときます ほととぎす”
か……公安だもんね。』
そんな事を考えながら歩いて、官邸を出る。
玄関では、いつものように真壁さんが声をかけてくれた。
『真壁さんは…
“鳴かぬなら… お願いしますっ! ほととぎす”
…なんてね。ふふっ!』
真壁さんに必死で頼み込まれたら、ほととぎすも鳴いてくれるかも。
こんなふうに、この時の私は、身近な人の“ほととぎす”を考えてみるのが すっかりマイブームになっていた。
と、その時。
♪~♪~♪~
『石神さんからメールだ!』
〔今日は もう上がれる事になりました。これから一緒に食事でもいかがですか?〕
『やったぁ~!…あ、でも 講義のノートのまとめ、結局できなかったんだよね。』
…なので。
今晩は、外食ではなく石神さんのマンションで食べて、食後に勉強をみてもらうことになった。
『石神さん、ありがとうございました。おかげで、あっという間に まとまっちゃいましたね。…すごいです!』
石神「こういうものは、集中すれば すぐにできるものです。あの お祭りチームと一緒にいては無理でしょうが。」
『あはは…でも、今日は“鳴かぬなら………ほととぎす”を皆さんに当てはめて考えていたら、面白かったですよ?』
石神「あぁ…あの時は、そういう話でしたか。」
私たちは、今日のSPルームでの遣り取りを思い出した。
けれど。
『そういえば、石神さんの“ほととぎす”は まだ出てないですね……』
石神「言うまでもないと思いますが?」
『???』
どういうこと?
すると、ソファーで隣に座っていた石神さんは、腕を背中に廻し私を抱き寄せた。
至近距離で見つめ合う。
石神さんは 見つめ合ったまま、片手で眼鏡を外した。
このパターンは……
でも、石神さんの深い瞳に囚われて動けない。
鼓動ばかりがスピードを上げていく。
石神「わからないか?」
『あ、あの…わかりませ……んっ////』
やっとの思いで絞り出した言葉は、石神さんの唇に遮られてしまった。
やがて口づけは首筋へ降りていき、石神さんの長い指が身体を這う。
『は………』
思わず声を出しかけ、慌てて手を口に当ててこらえる。
すると石神さんは、その手を掴み耳元で囁いた。
石神「やはり…啼かぬなら……」
『……えっ?』
この状況で、さっきの話?
…て いうか、今の “なかぬなら”に違和感を感じたのは気のせい?
石神「しつけてやろう ほととぎす、だな。」
『あっ……////』
石神さんは、私をお姫様抱っこして寝室へ向かう。
石神「さぁ…ここなら、心置きなく啼けるだろう?」
『はぁ………』
その低い囁き声だけでも、私をとろけさせるには充分だったのに…
さらに石神さんにベッドの上で愛され続け…やがて私の意識は遠のいていった。
石神「悠紀……俺は、これから もっと貴女をしつけるつもりだ。覚悟するんだな。」
『ん…………』
━━ 俺の前で “泣かぬなら…”
貴女が俺の為に無理をしないように
時には貴女が俺に我が儘を言えるように
“しつけてやろう ほととぎす”
愛しい、俺の…ほととぎす ━━
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