小さな攻防
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悠紀がシャワーを浴びに行った後、手持ち無沙汰になった石神はテレビをつけた。
(もう何度か一人でシャワーを済ませている。多分、大丈夫だろう。)
そう自分に言い聞かせる。
本当は、また悠紀に拒否されるのが寂しくて声をかけなかったのだが。
テレビの画面を見ていても上の空で。
そのうちに、特に興味がある訳でもない番組が終わっていた。
もう悠紀が出て来てもいい頃だが………その様子が無い。
(シャワーだけにしては遅すぎないか?…まさか何かあったのか?)
石神は、浴室に向かった。
そっと洗面所に入り、様子を窺う。
シャワーの音がしているが、その水音に違和感がある。
(流す音じゃない。浴槽に溜めているのか?)
そういえば、悠紀は病院で抜糸が済んだと言って大喜びしていた。
それと同時に、入浴の許可が出たのかもしれない。
しかし、どうやって入るつもりなのか。
(無茶だ…)
石神は、らしくも無く、やや乱暴に衣服を脱ぎ捨てていた。
カタン……
『あっ……石神さん!?……////』
浴室に、悠紀の声が響く。
悠紀は 石神に背を向け、浴槽に凭れながら片腕で胸元を隠した。
「悠紀…無理は いけませんね。」
石神は、悠紀の冷えた身体を抱き上げると、浴槽に一緒に入った。
自然に、石神が悠紀を背後から抱えて浸かる形になる。
『あの……////』
ぬるめの湯の中で触れ合う素肌。
身を固くした悠紀の顔は、早くも茹だったように赤く染まった。
「なぜ、黙ってこんな事をしたんです?危ないでしょう。…それとも、そんなに私と風呂に入るのが嫌ですか?」
『いえ、そうじゃなくて…あの…恥ずかしかったから…』
「恥ずかしい?」
石神は、悠紀の耳元に唇を寄せて囁く。
「貴女は私に、誰も知らない姿を見せて…誰も知らない声を、聞かせておいて?」
チャプッ
石神の手が水中から伸びて、悠紀の顔を振り向かせた。
「悠紀…さぁ、力を抜いて。」
『あ……んっ』
「フッ………」
二人の唇が、吐息を交えて何度も重なる。
かすかな吐息さえも、浴室では響いた。
『もう、のぼせそうです…』
「上がるか。」
悠紀は、石神に抱き上げられて浴室を出た。
「悠紀、少しの間片足で立てるか?」
『はい、洗面台にもたれれば大丈夫です。』
すると、石神は、悠紀の髪をドライヤーで乾かし始めた。
『石神さんに こんな事までさせてしまって、すみません…』
「フッ、悠紀は遠慮しすぎる。……少し しつけが必要だな。」
『し、しつけって……えっ?』
石神は、悠紀を「お姫様抱っこ」して、寝室に運ぶ。
『あのっ、まだパジャマ着てないし!
石神さんの髪、乾かしてないし!』
抵抗もむなしく、悠紀はベッドに下ろされ、石神に組み敷かれた。
『あっ、松葉杖が洗面所に……』
「言うことを聞けば、後で持ってくる。」
『そんな…はぁっ………////』
石神の手に、唇に翻弄されて思わず声が漏れる。
「足は…痛むか?」
『んっ…大丈夫……です』
「悠紀…これからは もっと俺に頼れ。もっと…俺に…甘えてくれ…」
そう言いながら 石神は、身も心も深く悠紀に埋没させていく。
『あっ…石神さんっ……』
悠紀は、石神の背に腕をまわし、懸命に彼を受け入れた。
そして、その時以来……
「もう これからは、一緒に入れるだろう?」
『えっ?ま、まだ恥ずかしいです!』
「まだ しつけが足りないか?…では。」
『あっ、それ困ります!』
石神は、ニヤリと笑って松葉杖を取り上げる。
結局 このやりとりは、悠紀の怪我が回復し、松葉杖が不要になるまで続いたのだった……
-----End-----
(もう何度か一人でシャワーを済ませている。多分、大丈夫だろう。)
そう自分に言い聞かせる。
本当は、また悠紀に拒否されるのが寂しくて声をかけなかったのだが。
テレビの画面を見ていても上の空で。
そのうちに、特に興味がある訳でもない番組が終わっていた。
もう悠紀が出て来てもいい頃だが………その様子が無い。
(シャワーだけにしては遅すぎないか?…まさか何かあったのか?)
石神は、浴室に向かった。
そっと洗面所に入り、様子を窺う。
シャワーの音がしているが、その水音に違和感がある。
(流す音じゃない。浴槽に溜めているのか?)
そういえば、悠紀は病院で抜糸が済んだと言って大喜びしていた。
それと同時に、入浴の許可が出たのかもしれない。
しかし、どうやって入るつもりなのか。
(無茶だ…)
石神は、らしくも無く、やや乱暴に衣服を脱ぎ捨てていた。
カタン……
『あっ……石神さん!?……////』
浴室に、悠紀の声が響く。
悠紀は 石神に背を向け、浴槽に凭れながら片腕で胸元を隠した。
「悠紀…無理は いけませんね。」
石神は、悠紀の冷えた身体を抱き上げると、浴槽に一緒に入った。
自然に、石神が悠紀を背後から抱えて浸かる形になる。
『あの……////』
ぬるめの湯の中で触れ合う素肌。
身を固くした悠紀の顔は、早くも茹だったように赤く染まった。
「なぜ、黙ってこんな事をしたんです?危ないでしょう。…それとも、そんなに私と風呂に入るのが嫌ですか?」
『いえ、そうじゃなくて…あの…恥ずかしかったから…』
「恥ずかしい?」
石神は、悠紀の耳元に唇を寄せて囁く。
「貴女は私に、誰も知らない姿を見せて…誰も知らない声を、聞かせておいて?」
チャプッ
石神の手が水中から伸びて、悠紀の顔を振り向かせた。
「悠紀…さぁ、力を抜いて。」
『あ……んっ』
「フッ………」
二人の唇が、吐息を交えて何度も重なる。
かすかな吐息さえも、浴室では響いた。
『もう、のぼせそうです…』
「上がるか。」
悠紀は、石神に抱き上げられて浴室を出た。
「悠紀、少しの間片足で立てるか?」
『はい、洗面台にもたれれば大丈夫です。』
すると、石神は、悠紀の髪をドライヤーで乾かし始めた。
『石神さんに こんな事までさせてしまって、すみません…』
「フッ、悠紀は遠慮しすぎる。……少し しつけが必要だな。」
『し、しつけって……えっ?』
石神は、悠紀を「お姫様抱っこ」して、寝室に運ぶ。
『あのっ、まだパジャマ着てないし!
石神さんの髪、乾かしてないし!』
抵抗もむなしく、悠紀はベッドに下ろされ、石神に組み敷かれた。
『あっ、松葉杖が洗面所に……』
「言うことを聞けば、後で持ってくる。」
『そんな…はぁっ………////』
石神の手に、唇に翻弄されて思わず声が漏れる。
「足は…痛むか?」
『んっ…大丈夫……です』
「悠紀…これからは もっと俺に頼れ。もっと…俺に…甘えてくれ…」
そう言いながら 石神は、身も心も深く悠紀に埋没させていく。
『あっ…石神さんっ……』
悠紀は、石神の背に腕をまわし、懸命に彼を受け入れた。
そして、その時以来……
「もう これからは、一緒に入れるだろう?」
『えっ?ま、まだ恥ずかしいです!』
「まだ しつけが足りないか?…では。」
『あっ、それ困ります!』
石神は、ニヤリと笑って松葉杖を取り上げる。
結局 このやりとりは、悠紀の怪我が回復し、松葉杖が不要になるまで続いたのだった……
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