惚れ薬
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
----------------------------------------
※だいぶ前のGREEのメダルガチャ
『アラビアン・コレクション』で、
「惚れ薬」が当たった時の石神さんの
セリフを拝借しました(^_^;)
----------------------------------------
石神さんのマンションで。
『はぁ…どうしよう?』
彼の帰りを待つ私は、テーブルに置かれた小瓶を前に、溜息をついた。
綺麗な切り子細工が施された黒いガラスの瓶に、金色の栓。
工芸品と言ってもいいほど立派なんだけど…
問題は、その中身。
━━今日、大学で。
小杉「悠紀ちゃん、あなたにコレを あげるわ。」
『何ですか、これは?』
小杉「実はね…これを飲むと、目の前の異性に恋をしてしまう…惚れ薬 なの!でも、効果を まだ誰も見たことが無いのよ。」
『ええっ!…でも、それなら みどりが片思い中の先輩に……』
みどり「飲んだら、すぐ寝ちゃって…」
(それって………)
小杉「だから、悠紀ちゃんお願い!飲んでも大丈夫そうな石神氏に ぜひ!」
みどり「私にも結果教えてね♪」
『えっ?ちょっと!あ、あの~……』
・
・
・
『食前酒とか言って、石神さんだけに飲んでもらう訳にもいかないよね…』
石神「ただいま。」
『!!』
私は、慌てて小瓶をバッグに しまった。
『あっ、お、お帰りなさい。お疲れ様です!』
石神「…………………?」
結局、石神さんに飲ませることは出来ず、そのまま私たちは夕食を済ませた。
けれど…
食後、リビングで寛いでいると。
石神「悠紀…何か 隠し事をしていませんか?」
『えっ?いえ、別に……』
石神「ほら、今日は私の目を見ない。視線も泳いでいる。…大体、私に隠し通せるとでも?」
石神さんが テレビを消し、真剣な表情で私を見つめる。
その視線からは 逃れられないし 、隠し事なんて できっこない。
…私は、観念し、すべてを白状した。
『えっと……あの…実は………』
・
・
・
石神「…惚れ薬、ですか。で、これを私に使おうと?」
石神さんは、テーブルに置かれた小瓶を疑わしげに見る。
グラスに中身を注ぐと、それは 不透明な こげ茶色で、甘い香りを放った。
『はい……でも これは処分して、小杉先輩には適当に言っておこうかと思います。』
石神さんは、少し考えている様子だったけれど。
石神「……貴女が嘘をつくのは いけませんね。……いいでしょう。試してみましょうか。」
『ええっ!まさか石神さん 本当に飲……あ!』
石神さんは、何のためらいも無く、『惚れ薬』を飲んでしまった。
石神「かなり強いですが……これはチョコレート・リキュールですね。」
『あの……大丈夫ですか?』
石神「『惚れ薬』など、非現実的です。それに、大体 精神に作用するような犯罪まがいの薬物を、小杉さんが勧める筈は無いでしょう。」
『そうですよね……じゃあ、私も…』
石神「駄目です。貴女が飲んで どうするんですか。報告するのなら、しっかり見届けて下さい。」
『あ、そうでした……』
美味しそうな甘い香りに、つい……
私は、一応納得しながらも その後しばらく、テレビを見る石神さんの様子をチラチラと伺っていた。
変化無し。
安心したけど、正直 ちょっと拍子抜け…かな?
石神「そろそろ寝ましょうか。明日は少し早起きして、どこかへ出掛けませんか?」
『はい!』
私たちは、交代でお風呂を済ませると、明日に備え、早々にベッドに入った。
石神さんの家の、完全防音寝室。
この部屋の 大きなベッドに二人で寝るのは、いつもドキドキする。
石神「…おやすみなさい。」
『おやすみなさい。』
石神さんが ちょっと 素っ気ないのは、やっぱり疲れてるからかな?
明日は二人で どこに行こう?
行き先を決めないドライブもいいなぁ…
…などと考えているうちに、いつの間にか 私はウトウトしていた。
・
・
・
しばらくして。
違和感を感じた私は、ふと目を覚ました。
まだ深夜。
隣の石神さんが、やたらと寝返りを打っている。
石神「ふぅっ………」
何だか寝苦しそうだ。
『石神さん、どうしたんですか?体調が悪いとか……』
石神「起こしてしまい……すみません。…そっとしておいて…下さい……」
石神さんは 少し荒い息遣いで私に背を向ける。
『でも……!』
心配で 石神さんの顔を覗き込むと、細められた潤んだ瞳が、私を捉えた。
『…………………!!』
石神さんの熱視線に射抜かれた…
と 思った次の瞬間。
私は もう仰向けで、腕をベッドに縫い付けられるようにして組み敷かれていた。
『あっ…………////』
石神「悠紀……今夜は………優しく……できそうに…ないな…」
『いし……はっ…んっ…』
豹変した石神さんに唇を塞がれる。
ほんのりと、チョコの香り。
深く長い口付けの後、石神さんの唇は、いつもより はるかに荒々しく首筋を這い、やがて身体へと降りていく……
私は、自分の声や吐息が壁に吸い込まれるのを感じながら、うっとりと目を閉じた。
翌朝。
私は、カーテンの間から入る光で 目を覚ました。
『眩し過ぎ……ええっ!?』
時計は、もうお昼を示していた。
『い、石神さん、寝過ぎちゃいました!』
石神「ん……今日は、家でのんびりするか?」
私の隣で寝ていた石神さんは、ゆっくりと こちらを向き、穏やかに微笑んだ。
その表情に、昨夜の激しさの名残は微塵も無いけれど……
石神「小杉さんに、報告できそうですか?」
急に、ニヤリと意地悪く笑う。
『ま、まさか……………………////』
石神「では、再調査ですね?」
『もっ、もうっ!』
石神「フフッ……」
石神さんは、今度は楽しそうに笑い、私を抱きしめた。
昨夜のまま、シーツの下は 何も着ていない私たち。
触れ合う肌の感触が心地良い。
この日 私たちは、この上なく 幸せなひとときを過ごしたのだった…
後日。
「……そうか、何も出なかったか。では、この件は内密に。」
スマホをポケットにしまい、俺は 悠紀を待たせている場所へ向かう。
すると、あの時の激しい衝動は?
強いアルコールが そうさせたのか?
それとも、非現実的などと言っておきながら、「惚れ薬」を飲んだという自己暗示に かかったのか?
悠紀『あれは、本当に惚れ薬だったんでしょうか?』
「だとしたら、貴女は また私に使いますか?」
悠紀「それは……」
「別に、構いませんよ。」
悠紀『えっ?』
「これ以上、私に愛される覚悟が あるのなら、いくらでも どうぞ。」
悠紀『………………////』
悠紀は あの夜の事を思い出したのだろう。
瞬く間に頬を真っ赤に染め上げた。
もしも、俺が惚れ薬を手に入れたとしたら、
俺は……
-------End-------
1/1ページ