部屋とYシャツとネクタイとメガネと横分けと…私。
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今日は俺の部屋で、悠紀が待っている。
出来る限り早く、仕事を終えて帰りたいところだが。
まったく、俺をこんな気持ちにさせる悠紀は、人生で初めての、特別な存在だ。
ほんの短い時間だが、空き時間ができた。
何時に終わるかわからないし、一度悠紀の顔を見に帰るか。
すでに近くまで来ていた俺は、特に電話することも無く、自分で鍵を開けて入った。
悠紀は?
奥から声が聞こえた気がする。洗面所か?
ドアを開けると…。
「ただいま。…………何 してるんだ!?」
『わっ!?』
俺の目の前にいる悠紀の姿は……
眼鏡にYシャツにネクタイ。ご丁寧に、前髪は横分けにしている。
間違いなく、俺のマネだ。
『あ、あの、これはですね~……/////』
その時、慌てた悠紀の眼鏡が、
カクッと斜めにズレた。
不覚にも、俺の腹筋は、激しく痙攣を始めた。
「……プッ、ククククッ!!」
『……そんなに…可笑しいですか?』
笑いが止まらない俺を、キョトンとした顔で見る悠紀。
「ククッ、…俺は…ジャージを穿いて…仕事はしないぞ?」
『あっ、ごめんなさいっ!』
……そこは謝るところじゃない。
そう言ってやりたいが、窒息しそうだ。
「…………はぁ…」
どうにか笑いを収めることができた俺は、悠紀の眼鏡をそっと外して置き、自分のも外してスーツの胸ポケットにしまった。
「悠紀………まったく………」
その先は敢えて言わず、俺は悠紀の唇を奪った。
悠紀の口内を貪り、彼女の身体が脱力したところで唇を離し、囁きかける。
「ネクタイも、取るか。」
『……………/////』
勿論、昨日の現場の、埃っぽい匂いを吸い込んだYシャツも。
ピリリリリリリ………
…黒澤だ。
もう時間か。仕方が無い。
「悪いが、仕事に戻る。待っててくれ」
『はい』
「行ってきます。」
『行ってらっしゃい。』
俺は、後ろ髪を引かれる思いで 車に乗った。
そういえば あの眼鏡は、悠紀と付き合う前……俺が悠紀を守った時に壊れたモノだ。
悠紀は、知らなかった様だな。
……大体、俺が感傷的に、そんな物を大事に取っておくなど…。
ん?ちょっと待て。
そういえば、俺はさっき 悠紀に、
「待っててくれ」とは言ったが…
まさか、あの格好で待ってるんじゃないだろうな………?
いかん。
万が一にでも、部下の前で思い出し笑いをするワケには。
まぁ、仕事が終わってからのお楽しみ、と いったところか。
ククッ………
――END――
これを書く為に、作者が秀樹コスプレを
した とか しなかった とか。(笑)
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