【1つ目】章駄文
「……迷ってしまいましたね……」
別に方向音痴ではないのですが……
此処はどこでしょうか……
「あら、貴方も迷子?」
「!」
振り返れば私と似た顔立ちの女性……?が居た。
「えぇ、そうですね。貴女は……女性の割には結構背が高いですね。声も私と似た低い声ですし……」
「……アタシのこと、女性だと思ってるの?アタシは男性よ、こんな見た目でも」
「えぇっ!?そ、それは……す、すみませんでした……」
「ん"ん"っ……これは私の語りかけ方が悪かったかもしれませんな」
「!?」
「そんな驚かれても困りますよ。そういえば、貴方。名前は何と言うのです?」
ガク「私ですか?私はガクと申します」
神威樂「そうですか、私は神威樂と申します。私はとある研究員です。」
ガク「あぁ……私は
神威樂「おや、凄い役職のお方でしたか。これは失敬」
ガク「まあ……そういえば、神威さんって迷子なのでしょうか?」
神威樂「えぇ、私も少し道に迷いまして……一緒に帰り道を探しませんかな?」
ガク「分かりました」
ザッザッ
神威樂「……最初に会ったときと同じ口調にしても?」
ガク「楽な口調で大丈夫ですよ」
神威樂「ま、別にこの口調が楽……ていう訳じゃないのよねぇ」
ガク「?それなら何故……」
神威樂「どんな状況でも演技を続けていたいのよ」
ガク「ふむ……」
「……」
ガク「おや……あちらに人影が……?」
神威樂「……ひと?嫌、人じゃないわよ……羽が生えてるわ」
ガク「一度話しかけませんか?少しでも帰路に着けるかもしれませんから」
神威樂「物は試し……よねぇ……」
ザッザッ
ガク「少しよろしいでしょうか?」
「…?!」
ガク「おわっ!?」
神威樂「わっ、ちょっと……大丈夫?」
ガク「す、すみません……大丈夫ですよ」
「あぁ……此処を通るつもりだったのだな。すまない、通行止めにしてしまったかもしれぬ」
ガク「あ、あぁ……いえ、少し聞きたいことがあるのですが、時間などはよろしいですか?」
「ふむ……うむ。大丈夫でござろう」
ガク「そうですか、あの……私達迷子になってしまいまして……帰り道はどこかないでしょうか?」
「……すまない、拙者じゃ役にたてなさそうでござる」
ガク「そ、そうですか……困りましたね……」
神威樂「……貴方って天使さんなの?」
「……」
神威樂「沈黙は肯定と見なすわよ?」
天使「まあ、事実ではあるのでござる」
神威樂「あら、そう。……少し頼もうって思ったのだけれどこんなデカイ天使さんが空浮いてたら怖いわね……」
天使「拙者達、天使は通常の人には見えないのでござる」
ガク「……私達がまるで通常の人ではないかのような言い方ですね」
天使「天使が見える人間は通常の人ではなかろう?」
ガク「まあそれもそうですね……」
神威樂「……天使さんってプライド高いと思うのだけれど実際の所どうなの?高いならあんまり頼み事したくないのだけれど」
天使「少しくらいなら拙者、手伝おう。何をして欲しいのでござるか?」
神威樂「一旦空飛んで帰り道とかないか探して貰って良いかしら?後、何か村とかあればそっちも教えて欲しいわ」
天使「うむ。承知した。少し待ってておいて欲しいのでござる」
ガク「分かりました」
天使「ただいまでござる」
神威樂「ござる天使さんが帰ってきたわよ」
ガク「あぁ、お帰りなさい、天使さん」
天使「……名前提示したら天使さん呼び止めてくれないでござろうか……?」
ガク「……どうしてです?」
天使「違和感があって仕方ないのでござる」
神威樂「じゃあ名前を教えてちょうだい」
天使「……ガクと言う」
神威樂「名前被ってるじゃない貴方と」
宰相「そうですね……」
天使「それなら天使……というよりか上級天使と呼んでくれないか?」
宰相「上級天使さん……と呼べばよろしいでしょうか?」
天使「堅苦しいのでござる……」
研究員「……ねえ宰相って話聞いてるの?」
宰相「聞いてますが……どうしたのですか?宰相呼びして……」
研究員「役職呼びしようと思って。だからアタシのことは研究員って呼んでちょうだい」
宰相「え?わ、分かりました……」
研究員「それで、上級天使に質問だけれど何か見つかったかしら?」
上級天使「うむ。何やら拙者達と髪色が似ている者達が集まっている所を見つけたでござる」
研究員「どこか分かるかしら?」
上級天使「うむ!こっちでござる!」
帽子屋「それで、可哀想なことに此処を見つけてしまった……と」
オークショニア「困ったねぇ~どう話をつけようか……」
僧侶「その割には楽しんでませんか?」
オークショニア「彼の性格が移ったんだろうねぇ」
宰相「危険……なんですか?此処……」
帽子屋「……うん。ある意味ね」
上級天使「む……?あの人達は誰でござろうか?」
ザッザッ
役者・葬儀屋「「……」」
僧侶「あー……」
オークショニア「最恐がやって来ちゃったねぇ……」
帽子屋「無闇に怒るような人達じゃないでしょうから、話し合いの余地はあると思いますので、少々お待ちください」
宰相・研究員・上級天使「「「はい」」」
葬儀屋「仲良しだな……」
オークショニア「会ったばかりらしいけどね」
役者「最初の頃の私達みたいですね」
葬儀屋「勝手に懐かしむな」
役者「フフッ……」
帽子屋「話し合いしようと思ってますか?」
役者「何の話し合いをするつもりなのです?」
帽子屋「……貴方節ですか……そうするのであれば話し合いなんか要りませんね」
研究員「え……」
葬儀屋「此処にやって来てしまったお前らが悪い……ということで、これから時間があるときは此処に集まれだと」
宰相「ん~……まあ、分かりはしましたが……帰り道教えていただけませんか?迷子になってしまいまして」
研究員「何で分かってるのよ……」
役者「えぇ、私が教えてさしあげますよ。ところでお名前は……」
葬儀屋「黙れ。デジャブを感じるぞ」
役者「おやおや……」
上級天使「名前を名乗らないのは流石に無礼でござる。拙者の名前はガクと言う」
宰相「私もガクと申します」
研究員「アタシは神威樂て言うわ」
帽子屋「なぜおネエ口調なのです?」
研究員「こちらの方がよろしいですかな?」
オークショニア「……見た目と口調が似合わないね」
僧侶「そんなストレートに言いますか!?」
研究員「言われない方が心配よ」
僧侶「……まあ、貴方が大丈夫ならば良いのですが……」
研究員「だってそっちの方は男装姿でしか似合わないんだもの。貴方たちみたいなスラッとしたイケメンでしか」
オークショニア「つまり、イケメンも可愛いも持ち合わせてるんだね」
研究員「……あの方は?」
役者「あぁ、帽子屋も見た目は可愛いですよ。性格は可愛い……よりか頼りがいがあるのでイケメンですね」
帽子屋「わー役者さんに褒められましたー」
葬儀屋「喜んでるか?本当に」
帽子屋「嬉しいと恥ずかしいが半々です」
研究員「アタシは可愛い性格だと思うのだけれど……」
僧侶「褒められただけですからね。頼るとまた違った……わぁ!?」
オークショニア「じゃあ今日どうやら徹夜しちゃってるみたいだから、帽子屋に頼ろうかな。よろしくね、帽子屋」
帽子屋「……私を何だと思ってますか?」
オークショニア「母性本能が強い可愛い物が好きな男性」
葬儀屋「事実だろうな」
僧侶「眠らせないといけないのは葬儀屋でしょう!?」
葬儀屋「朝寝る。夜起きて仕事行く」
上級天使「夜勤的でござろうか?」
葬儀屋「あぁ、そうだな」
役者「貴方は夜勤専門ですもんね」
葬儀屋「朝が嫌いすぎる」
宰相「んー…?少なくとも今は昼ですが……?大丈夫なのですか?」
葬儀屋「朝十時から活動できるから変なところはない」
宰相「おや、そうなのですね」
葬儀屋「そして今日は休み」
研究員「今日は自由なのね」
オークショニア「まあ彼は仕事でも昼らへんには来ますけどね」
上級天使「尚更寝させないといけなくないでござろうか?次の日此処に集まらずに寝るのであればまだしも……」
オークショニア「もしかしたら僧侶の言ってることが大正解だったかもね」
上級天使「集まっていたでござったか……」
葬儀屋「『ござったか』になった」
帽子屋「何言ってるのですか……」
僧侶「すぅ、すぅ……」
役者「あぁ、帽子屋。葬儀屋も寝かせて貰えませんか?」
帽子屋「……先に葬儀屋が逃げそうですけれどね」
葬儀屋「アイツらからだったら逃げる。帽子屋達ならば逃げない」
研究員「……それは喜んでいるの?彼達は」
葬儀屋「『アイツら』が可哀想だと言ってるぞ」
研究員「へぇ……」
上級天使「む……時間になってしまった。今日は拙者は帰るとしよう」
オークショニア「時間過ぎてないかい?」
上級天使「十分過ぎてる」
宰相「もう此処に来た時点で過ぎてたのですね……」
上級天使「罰が悪ければまた叱られてしまうな」
研究員「早く帰りなさい……って、何か来たわよ」
上級天使「おぉ凄い。勢揃いと言っていい程」
下級天使(リン)「十分ガクが遅刻してるって聞いたからいーっぱい捜したんだよ?」
上級天使(ガク)「お陰さまでカイト殿とルカ殿が怖い顔をしているのであるな」
上級天使(メイコ)「十分遅刻はまあまあよ?」
上級天使(ガク)「下級らへんに下がるのであろうか?」
上級天使(ルカ)「書類面倒にさせても下級に下がることはないと思われますよ。良かったですね。早く帰りますよー??」
ガシッ
下級天使(グミ)「わわっ!る、ルカさん流石に手の力強くないですか!?」
上級天使(ルカ)「こののんびり屋さんにはこれくらいが丁度良いのよ、グミ」
上級天使(カイト)「もう片方俺が手を取ろうか?ガク」
上級天使(ガク)「どちらも取られたくないでござる」
上級天使(ルカ)「黙りなさい」
葬儀屋「怖いな」
下級天使(リン)「もしかしてあの人達に視認されてる?」
役者「見えてますし聞こえていますよ」
上級天使(メイコ)「よくのんびりと返せるわね……?」
上級天使(ガク)「どうしてござろうか……?」
宰相「基本的に貴方のせいですね」
僧侶「大きいですもんね」
帽子屋「おや、起きたのですね」
僧侶「おはようございます」
帽子屋「こんにちわですよ」
僧侶「おや、そうですね」
上級天使(カイト)「な!?グミとリンが逃げたぞ!」
グミ・リン「バレた!!」
上級天使(ルカ)「そのまま逃げるつもりなら一緒にご報告しますよ?」
下級天使(リン)「ガクだけ叱られるのって可哀想でしょ?」
下級天使(グミ)「うんうん」
上級天使(ガク)「拙者は一人で叱られても大丈夫でござる」
下級天使(リン)「えー!?でもでも!」
上級天使(メイコ)「仲良しなのは良いとしても叱られるのも一緒ってのは私達が疲れるわ……」
上級天使(ルカ)「その中に混ざる上級天使一名ね」
上級天使(カイト)「今回に関しては混ざるのは下級天使二名だけどな」
上級天使(ルカ)「本当私達お世話係じゃないんですけどね」
上級天使(メイコ)「まあ、堅苦しい上級天使三名だけよりも接しやすい天使も居る方が良いでしょ?」
ルカ・カイト「「……」」
上級天使(メイコ)「ね?お陰さまで色んな天使達から話しかけられるでしょ?それは、この三名が居るからよ」
下級天使(グミ)「メイコさん……!」
上級天使(メイコ)「まあ、あんまり色んな所へ行きすぎないで欲しいていうのは私の本音ね」
リン・グミ・ガク「「「う……」」」
役者「褒め方上手ですね……叱り方も優しめに言って注意だなんて。私も真似したいです」
上級天使(メイコ)「あら?そう?フフッ嬉しいわ!」
葬儀屋「お前は注意さえできないからな」
役者「う……」
帽子屋「何で刺すのですか……」
オークショニア「好きな子ほど虐めたい方なのかな?」
葬儀屋「"好きな子"だと?」
僧侶「存在しない架空の……」
葬儀屋「生きてない人間なら"好きな子"になるかもな」
上級天使(カイト)「何か怖いぞあのエプロンの人間」
上級天使(ガク)「人間は面白いぞカイト殿。こういう死体愛好者?ていう人間が居る」
上級天使(ルカ)「関わったら危険なタイプじゃありません?」
役者「あぁ、それならばもう関わってしまいましたね……関わったら危険なタイプと」
上級天使(ガク)「あの人間はツッコミが秀逸でござる!」
葬儀屋「あのな……ていうか全くこちら側自己紹介していなかったな……」
研究員「今更よ」
宰相「ツッコミ……」
研究員「そんな顔で見ないでちょうだい」
宰相「おや、失礼しました」
下級天使(リン)「ガクに似てる人間の方って特徴ありすぎじゃない?髪型だけで分かっちゃいそう」
役者「髪型だけは言い過ぎでは?せめて顔を見て分かる……というのであればまだしも」
上級天使(ルカ)「どちらかというと分かると思われます」
役者「えぇ……?」
研究員「まあ貴方の場合だともみあげも結んでいるし、葬儀屋?はどちらかと言うと低めに髪を結んでいるから違いはあるわよ」
葬儀屋「あぁ、葬儀屋であってるぞ」
研究員「あら、それなら良かったわ」
下級天使(グミ)「おねぇさん?も居ますね~」
研究員「ただのおネエ口調してる男性よ」
下級天使(グミ)「へ!?全然女性かと……」
研究員「……身長とかで惑わされないのは良いことだけれど」
下級天使(リン)「男性なんだ~可愛いからてっきり私も女性だと思ってた……じゃあそちらの人は?」
帽子屋「私も男性です」
リン・グミ「えぇ!?」
僧侶「というか此方の紫髪は皆男性ですよ」
上級天使(メイコ)「あら、そうなのね。改めて男性だと思って見ると個性豊かね~」
上級天使(ルカ)「何か凄いですね……言葉で言い表せれないというか……?」
上級天使(カイト)「……本当に皆男性か?」
オークショニア「男性です。あ、というか帰らなくていいの?」
上級天使(ガク)「勿論帰るぞ!」
上級天使(メイコ)「そう言えばそうだったわね」
下級天使(リン)「あー!楽しかった!」
下級天使(グミ)「また会いたいですね!」
上級天使(ルカ)「……まあ楽しかったですね」
上級天使(カイト)「人間ってこんなに個性豊かだったんだな」
葬儀屋「一部分だけだぞ、そんな奴ら」
5/5ページ
