『まいった』/ izw
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「まぁ。その後なんもせずに終電前に帰ったんすけどね」
「別にそのお持ち帰りを聞いたわけじゃないけどさ。連絡先くらい聞いたでしょ?」
「いや、文字通りなんもせずにです」
「それ相手の子怒らなかった?」
「あー...怒ってたかも。なんかめっちゃベタベタ触られました」
「めちゃくちゃその気じゃん。あと何よ、その嫌そうな顔」
「なーんとも思わなかったんすよ。顔可愛かったのに」
ずーっと麗結のことばかり思い出してさ。
麗結以外の女性のことをなんとも思わないんだ。
もう男としての本能も失ってるのかもしれない。
「まだ引きずってるんでしょ。もう1年」
「まだ1年っすよ!最近思い出してなかったんすけど...」
「もう1年」
目の前の福良さんはポテトを口にポイッと入れて須貝さんが頼んだ生のグラスを手に取った。
「そんなに引きずるなら別れなきゃよかったのに」
「別れなきゃよかったって振られたって言ってるじゃないすか」
「それは伊沢が悪かったからじゃないの?」
「んな事今更言われても...」
麗結に別れを切り出されたのは、あの幸せなデートの日から1週間ほどしてから。
それはあまりにもあっさりとした「お友達に戻ろう」という言葉だった。
俺は付き合った時から変わらず、いや、それ以上に好きだったのにな。
目の前が真っ白になったあの時は引き止めることも理由を聞くことも出来ず「そっか」とだけ答えた。
「でもさ、友達に戻ろって言われたってことはまた会えんじゃね?俺なら会いにいくけど」
「まぁ...連絡先は消しましたけど...」
「じゃあ会えないじゃん!」
「いやTwitterで名前検索したら多分出てくるんで...」
すぐにでも彼女を忘れようと繋がっていたものは全て消したし、そうすることで記憶から消えてくれると思っていた。
でもそれが逆効果だったのか、消したことの悲しさと後悔がずっと頭の中に残った。
SNSの恩恵はすげぇ。
気持ち悪いなぁと思いながらも、何度も君の名前を検索しようとした。
きっと検索すればもう会えない君の日常を覗くことができるんだから。
さすがになんか違うからやらないけど。
「こっわ。それで会いに行くのはなしでしょ」
「いやでももうそれしか繋がる方法ないんだよ?福良さんもやるっしょ?」
「俺は別の子探すかな。面倒だもん」
「福良さんはそういうタイプか」
本当にまいった。
こうして友人と飲んでいる時でさえ、この季節のせいなのか君のことばかり考えてしまう。
あの時どうすればよかったのかを考えてしまう。
俺はどうしたらいいんだ。
「別にそのお持ち帰りを聞いたわけじゃないけどさ。連絡先くらい聞いたでしょ?」
「いや、文字通りなんもせずにです」
「それ相手の子怒らなかった?」
「あー...怒ってたかも。なんかめっちゃベタベタ触られました」
「めちゃくちゃその気じゃん。あと何よ、その嫌そうな顔」
「なーんとも思わなかったんすよ。顔可愛かったのに」
ずーっと麗結のことばかり思い出してさ。
麗結以外の女性のことをなんとも思わないんだ。
もう男としての本能も失ってるのかもしれない。
「まだ引きずってるんでしょ。もう1年」
「まだ1年っすよ!最近思い出してなかったんすけど...」
「もう1年」
目の前の福良さんはポテトを口にポイッと入れて須貝さんが頼んだ生のグラスを手に取った。
「そんなに引きずるなら別れなきゃよかったのに」
「別れなきゃよかったって振られたって言ってるじゃないすか」
「それは伊沢が悪かったからじゃないの?」
「んな事今更言われても...」
麗結に別れを切り出されたのは、あの幸せなデートの日から1週間ほどしてから。
それはあまりにもあっさりとした「お友達に戻ろう」という言葉だった。
俺は付き合った時から変わらず、いや、それ以上に好きだったのにな。
目の前が真っ白になったあの時は引き止めることも理由を聞くことも出来ず「そっか」とだけ答えた。
「でもさ、友達に戻ろって言われたってことはまた会えんじゃね?俺なら会いにいくけど」
「まぁ...連絡先は消しましたけど...」
「じゃあ会えないじゃん!」
「いやTwitterで名前検索したら多分出てくるんで...」
すぐにでも彼女を忘れようと繋がっていたものは全て消したし、そうすることで記憶から消えてくれると思っていた。
でもそれが逆効果だったのか、消したことの悲しさと後悔がずっと頭の中に残った。
SNSの恩恵はすげぇ。
気持ち悪いなぁと思いながらも、何度も君の名前を検索しようとした。
きっと検索すればもう会えない君の日常を覗くことができるんだから。
さすがになんか違うからやらないけど。
「こっわ。それで会いに行くのはなしでしょ」
「いやでももうそれしか繋がる方法ないんだよ?福良さんもやるっしょ?」
「俺は別の子探すかな。面倒だもん」
「福良さんはそういうタイプか」
本当にまいった。
こうして友人と飲んでいる時でさえ、この季節のせいなのか君のことばかり考えてしまう。
あの時どうすればよかったのかを考えてしまう。
俺はどうしたらいいんだ。