『コーンスープ』/ ko-chan
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今日も今日とてちゃんと寒い。
いつも以上に今日は頑張ったからご褒美に例のアレを買って帰ろうと足を踏み入れた学生館。
自販機の前には人がちらほら。
その中に1人。
見た事のある背中。
じーっと自販機を見上げてる。
「渡辺先輩...?」
「あ!麗結ちゃん!」
くるんと体をこちらに向けて「やっぱり来たね!」って指をパチンと鳴らす...真似をした。
真似をしただけ。
音は鳴ってない。
「あれっ...?」
「...?」
「鳴らなかった」
「あ、そっちか」
「この前ココア飲んじゃったからお礼しようかなって思ってさ。待っててたんだよ」
この前ってあの日ばったり会って駅まで歩いた日のこと?
先輩本当に覚えててくれたんだ。
「でも俺が奢るから俺が好きなのね」
「渡辺先輩ココア好きじゃないんですか?」
「ココアも好きだけど、こっちの方が好きなんだよね」
先輩が押したのはいつも私が押しているココアが並んでいる1段上。
やっぱり同じ種類が3つある。
先輩が押したのは私とおんなじ一番左のボタン。
こんなの絶対偶然なのに運命?!とか思っちゃう。
「ほら。これあげる。温かいよ」
「ありがとうございます...あ、コーンスープだ」
「うん。甘いと飽きちゃうじゃん?だから俺はこっち」
もう一本、一番左のボタンを押して同じものを買って出口から缶を取ろうとした時「あ、やらかした」と顔を上げた先輩。
「俺自転車なのに自分の分も買っちゃった!」
「あ!まあでもお家近いならダッシュで帰れば!」
「えぇ、やだよ。麗結ちゃんはあつあつの美味しいコーンスープ飲んで、買った本人である俺はちょっとぬるいやつなんて」
「それは先輩が買っちゃったから...」
「麗結ちゃんちょっと時間ある?」
「ありますけど...」
「よし!飲んでこ!下の公園で!」
「行こ!」って先をスタスタと歩いていく先輩の背中を置いていかれないように小走りでついていく。
先輩とふたりきりのお誘いだ。
でもなんで公園?!外?!
寒すぎるじゃん、それならここでいいじゃん!
「先輩?!」
「ん?どうしたの?」
「なんで外なんですか...寒いし...」
「温かいもの持ってるんだからちょっとくらい寒い方が身に染みるって!」
学校下にある本当に小さな公園というか広場にあるベンチ腰掛けた先輩を見て、少し距離を空けて隣に座った。
「久々だなー缶のコーンスープ!」
「絶対下にコーンが溜まるんですよね」
「そうそうそうそう!最初めっちゃ全力で振ってんのに裏切られた気分になんだよ!」
って言いながら本当にシャカシャカ缶を振ってる。
「こうやって上と下をひっくり返さないと溜まったままなんじゃないですか?」
上下をひっくり返し続けること3回。
私が缶を空けると先輩が「それか!」って私の真似をして缶を開けた。
いつも以上に今日は頑張ったからご褒美に例のアレを買って帰ろうと足を踏み入れた学生館。
自販機の前には人がちらほら。
その中に1人。
見た事のある背中。
じーっと自販機を見上げてる。
「渡辺先輩...?」
「あ!麗結ちゃん!」
くるんと体をこちらに向けて「やっぱり来たね!」って指をパチンと鳴らす...真似をした。
真似をしただけ。
音は鳴ってない。
「あれっ...?」
「...?」
「鳴らなかった」
「あ、そっちか」
「この前ココア飲んじゃったからお礼しようかなって思ってさ。待っててたんだよ」
この前ってあの日ばったり会って駅まで歩いた日のこと?
先輩本当に覚えててくれたんだ。
「でも俺が奢るから俺が好きなのね」
「渡辺先輩ココア好きじゃないんですか?」
「ココアも好きだけど、こっちの方が好きなんだよね」
先輩が押したのはいつも私が押しているココアが並んでいる1段上。
やっぱり同じ種類が3つある。
先輩が押したのは私とおんなじ一番左のボタン。
こんなの絶対偶然なのに運命?!とか思っちゃう。
「ほら。これあげる。温かいよ」
「ありがとうございます...あ、コーンスープだ」
「うん。甘いと飽きちゃうじゃん?だから俺はこっち」
もう一本、一番左のボタンを押して同じものを買って出口から缶を取ろうとした時「あ、やらかした」と顔を上げた先輩。
「俺自転車なのに自分の分も買っちゃった!」
「あ!まあでもお家近いならダッシュで帰れば!」
「えぇ、やだよ。麗結ちゃんはあつあつの美味しいコーンスープ飲んで、買った本人である俺はちょっとぬるいやつなんて」
「それは先輩が買っちゃったから...」
「麗結ちゃんちょっと時間ある?」
「ありますけど...」
「よし!飲んでこ!下の公園で!」
「行こ!」って先をスタスタと歩いていく先輩の背中を置いていかれないように小走りでついていく。
先輩とふたりきりのお誘いだ。
でもなんで公園?!外?!
寒すぎるじゃん、それならここでいいじゃん!
「先輩?!」
「ん?どうしたの?」
「なんで外なんですか...寒いし...」
「温かいもの持ってるんだからちょっとくらい寒い方が身に染みるって!」
学校下にある本当に小さな公園というか広場にあるベンチ腰掛けた先輩を見て、少し距離を空けて隣に座った。
「久々だなー缶のコーンスープ!」
「絶対下にコーンが溜まるんですよね」
「そうそうそうそう!最初めっちゃ全力で振ってんのに裏切られた気分になんだよ!」
って言いながら本当にシャカシャカ缶を振ってる。
「こうやって上と下をひっくり返さないと溜まったままなんじゃないですか?」
上下をひっくり返し続けること3回。
私が缶を空けると先輩が「それか!」って私の真似をして缶を開けた。