『はじめの一歩』/ fkr
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つーいた、と彼がシートベルトを外した場所はやっぱり海辺近くの駐車場。
そしてやっぱりなんでここに来たかは教えて貰えないまま。
車をおりるかも分からずぼーっと拳くんの顔を見ていたら「早く!降りるよ!」なんてまた急かされて薄いコートだけでは少し寒い車の外に出た。
「麗結ちゃん、先にあそこ行ってて」
マフラーだけを巻いた拳くんが指さしたのは海が見渡せる展望台みたいなところ。
よくカップルがイチャイチャしながら海見てるところだ、私にはあんまり縁のないところ。
もう聞いても教えてくれないだろうから、分かったとだけ返事をして潮風に吹かれながら1人でその階段を登った。
階段を上りきると室内だから暖かくて天国だ。
今日もちらほら人がいて、空いているベンチに腰掛けて拳くんが来るのを待つ。
なんでこんなところに?
拳くん外で遊ぶのは苦手だからドライブも嫌いって言ってたのに。
暗くなりかけている外と、キラキラと光る海が綺麗で見とれていたらとんとんと肩を叩かれる。
「ん...?えっ?!」
「麗結ちゃん、成人おめでとう」
振り返るとそこに居たのは拳くん。
後ろ手に隠していたのは朝貰った花束よりもちょっと大きい花束。
すっと私の前に差し出されるととってもいい匂い。
「えっ...ありがとう」
「うん、まさかドレスに着替えちゃってるとは思わなかったなぁ。着物の色に合わせてもらっちゃったよ」
わざわざ着物を見て買いに行ってくれたのかな、とまた勘違いをしていると拳くんが隣に座って話を続ける。
「ここ綺麗でしょ?俺好きなんだよね」
「拳くんドライブ嫌いでしょ」
「嫌いだけどここは好きなの」
「私もここ好きだよ、展望台には入ったこと無かったけど」
「この時間のここって人もあんまりいないし特別感あるでしょ?」
って、こんな特別感なくても麗結ちゃんは今日特別だねなんて照れ笑い。
私にこの景色を見せたくて連れてきてくれたんだ。
それにこんな大きな花束。
さすがはお兄ちゃん、私が生まれた時から可愛がってくれているだけある。
「でね、俺今日麗結ちゃんに言いたいことがあって付き合ってもらってるんだけど」
「うん...」
「なんだと思う?」
「えっ...私に聞くの?!笑」
「予想は大事だよ?麗結ちゃんもどうやってリアクションするか予習できるでしょ?」
なんか最もらしいことを言われてる。
こんな素敵な花束すらも予想できなかったんだから予想なんてできるわけないのに。
「わかんないよ...」
「じゃあ答え?」
「答え...」
ほんとはね、本当は。
まさか告白されちゃう?とか浮かれたことが一瞬頭をよぎったの。
でも違う、期待したらいけないって6つも年が離れてる私のことなんて拳くんが好きになるわけないって...
「俺、麗結ちゃんが好きです」
なるわけないって...わけ....
「え?」
「あーあ、言っちゃった」
「....何を?」
「ちょっと!ちゃんと聞いてた?!ひどいなぁもう」
今聞こえたの、聞き間違いじゃないよね?!って勢いよく拳くんの顔を見ると少し照れくさそうに目を伏せた。
そしてやっぱりなんでここに来たかは教えて貰えないまま。
車をおりるかも分からずぼーっと拳くんの顔を見ていたら「早く!降りるよ!」なんてまた急かされて薄いコートだけでは少し寒い車の外に出た。
「麗結ちゃん、先にあそこ行ってて」
マフラーだけを巻いた拳くんが指さしたのは海が見渡せる展望台みたいなところ。
よくカップルがイチャイチャしながら海見てるところだ、私にはあんまり縁のないところ。
もう聞いても教えてくれないだろうから、分かったとだけ返事をして潮風に吹かれながら1人でその階段を登った。
階段を上りきると室内だから暖かくて天国だ。
今日もちらほら人がいて、空いているベンチに腰掛けて拳くんが来るのを待つ。
なんでこんなところに?
拳くん外で遊ぶのは苦手だからドライブも嫌いって言ってたのに。
暗くなりかけている外と、キラキラと光る海が綺麗で見とれていたらとんとんと肩を叩かれる。
「ん...?えっ?!」
「麗結ちゃん、成人おめでとう」
振り返るとそこに居たのは拳くん。
後ろ手に隠していたのは朝貰った花束よりもちょっと大きい花束。
すっと私の前に差し出されるととってもいい匂い。
「えっ...ありがとう」
「うん、まさかドレスに着替えちゃってるとは思わなかったなぁ。着物の色に合わせてもらっちゃったよ」
わざわざ着物を見て買いに行ってくれたのかな、とまた勘違いをしていると拳くんが隣に座って話を続ける。
「ここ綺麗でしょ?俺好きなんだよね」
「拳くんドライブ嫌いでしょ」
「嫌いだけどここは好きなの」
「私もここ好きだよ、展望台には入ったこと無かったけど」
「この時間のここって人もあんまりいないし特別感あるでしょ?」
って、こんな特別感なくても麗結ちゃんは今日特別だねなんて照れ笑い。
私にこの景色を見せたくて連れてきてくれたんだ。
それにこんな大きな花束。
さすがはお兄ちゃん、私が生まれた時から可愛がってくれているだけある。
「でね、俺今日麗結ちゃんに言いたいことがあって付き合ってもらってるんだけど」
「うん...」
「なんだと思う?」
「えっ...私に聞くの?!笑」
「予想は大事だよ?麗結ちゃんもどうやってリアクションするか予習できるでしょ?」
なんか最もらしいことを言われてる。
こんな素敵な花束すらも予想できなかったんだから予想なんてできるわけないのに。
「わかんないよ...」
「じゃあ答え?」
「答え...」
ほんとはね、本当は。
まさか告白されちゃう?とか浮かれたことが一瞬頭をよぎったの。
でも違う、期待したらいけないって6つも年が離れてる私のことなんて拳くんが好きになるわけないって...
「俺、麗結ちゃんが好きです」
なるわけないって...わけ....
「え?」
「あーあ、言っちゃった」
「....何を?」
「ちょっと!ちゃんと聞いてた?!ひどいなぁもう」
今聞こえたの、聞き間違いじゃないよね?!って勢いよく拳くんの顔を見ると少し照れくさそうに目を伏せた。