『浮かれたクリスマス』/ izw
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「ここ麗結さんと来たいなぁって思って」
キラキラと光るのは到底数えられそうもない電飾たち。
こんな日なのにやけに人通りが少ないところを進んでいくなぁと不安だったんだけどこんな場所があったなんて知らなかった。
「ま、クリスマスだから人ちょっと多いけど穴場でしょ」
「すごい...よく見つけたね」
「まあ色々調べたからね」
そんな大きな会場ではないけれど、私たちが楽しむにはちょうどいい広さの公園は優しくクリスマスを彩っていた。
毎日忙しそうにしていたのに本当に努力して今日のこと考えてくれてたんだ。
私なんて昨日プレゼントを買いに行ったのに、なんて絶対言えない。
「ここがお気に入りでね」
「わぁ...すごい...」
「池にイルミネーションが鏡みたいに全部映ってんの。凄いよね」
うんうんって伊沢くんが設計したみたいに自慢げ。
すぐ近くにベンチがあって隣合って座る。
目の前に綺麗に広がるイルミネーション。
隣には大好きな人。
「ごめんね。なんか色々急で」
「ん?」
「クリスマス誘うのっていつなんだろうって最後まで考えてたら24日の夜になってたわ」
ははって笑ってるけど全然笑い事じゃない。
私が予定入れてたらどうするつもりだったの!そんなこと絶対ないけど。
「すっごい忙しそうだったけど...今日は大丈夫なの?」
「ああ、今日のために金稼ぎたくて。バイトめっちゃ入れたわ」
「今日のため...?」
「まさか自分がこんなに浮かれたクリスマス過ごす立場になるとは思いもしなかったよ」
「あ、浮かれてるの?」
「すっごい浮かれてる、自分でもびっくり」
「私も。伊沢くんにお誘いしてもらえるなんて思ってなかったし。こんなに素敵な場所までね」
「素敵なプレゼントもちゃんとあるよ」
肩にかけていたカバンからガサガサと袋が擦れる音がする。
出てきたのはこの季節にぴったりな落ち着いた色の手ぶくろ。
「あ」
「ん?」
「手ぶくろ!」
「麗結さんに。マフラーは持ってるけど手ぶくろはしてないじゃんだから」
「ふふ、同じだ」
まさか...こんなことあるんだ。
私も紙袋からラッピングされたプレゼントを取り出して伊沢くんの膝に乗っけると「俺に?」と嬉しそうに袋を手に取る。
中を開けると「まじか」と今日1番ってくらい笑ってて「俺ら仲良しですね」って早速手につけてくれてる。
真似っ子して私も手に着けてみる。
「やっぱちょっと寂しいので片手だけにしてもらってもいい?」
伊沢くんの手を見ると私側の左手だけ外れてて、冷たそうな手で私の右手をつんつんと叩く。
かっこいいのに可愛いなんてずるい、と思いながら手ぶくろを外すと手の甲に冷たいものがポタリと落ちてきてジュワっと溶けた。
「雪...?」
「あ、ほんとだ」
「ホワイトクリスマスだ...」
「麗結さん、俺ずっと言いたいことがあって」
伊沢くんの手が優しく私の手に重なる。
隣の彼を見るとまっすぐ前を見ていた。
「なに?」
「こんな俺と付き合ってくれてありがとう」
「...こちらそこ...」
沈黙の私たちを包み込むようにしんしんと雪は降り続ける。
そろそろ寒くなってきた。
こんな所でぼーっとしてても伊沢くんが風邪ひいちゃうな。
「寒いね」
「うん。風邪ひいちゃうから...っ...」
「もうちょっと...」
彼の腕が背中に回ったと思ったら、ぎゅっと抱き寄せられる。
こんなに近くに彼を感じたことはあの告白の日以なかった。
今日だけでこんなに距離が縮まるなんて思ってなくて、心臓がドクドクとうるさい。
「好きな人抱きしめなさいって雪は降るらしいよ」
「それって...」
「昨日今日ってめっちゃ流れてた歌ね」
「だと思った」
さっきまで冷たくて寒くて凍えてたのに、くっついただけでこんなに暖かいんだ。
「雪に感謝しないと。俺やりたいこと全部できた」
「ハグまでやりたいことリストに入ってたの?」
「うん。プレゼント交換してハグってノートに書いた」
「完璧じゃん」
なんでもいいの。
嬉しくて幸せで、伊沢くんが彼氏でよかったって心から思ってるんだから。
「やっぱ嘘」
顔上げてとかすれ気味な声が聞こえて顔を上げると少し冷たい唇が優しくきっと冷たい私の唇に触れた。
「夏までは冬延長して繋ぐか」
「だから延長しなくていいんだって...」
「そう言ってないと麗結さんすぐどっか行っちゃいそうなので」
「ねぇ。私もずっと言いたかったこと言ってもいい?」
「...はい」
「拓司くん、これからもずっとそばにいてね」
「もちろんです」と私を抱きしめる力がぐっと強くなる。
もうちょっとだけこうしていてもいいかな。
キラキラと光るのは到底数えられそうもない電飾たち。
こんな日なのにやけに人通りが少ないところを進んでいくなぁと不安だったんだけどこんな場所があったなんて知らなかった。
「ま、クリスマスだから人ちょっと多いけど穴場でしょ」
「すごい...よく見つけたね」
「まあ色々調べたからね」
そんな大きな会場ではないけれど、私たちが楽しむにはちょうどいい広さの公園は優しくクリスマスを彩っていた。
毎日忙しそうにしていたのに本当に努力して今日のこと考えてくれてたんだ。
私なんて昨日プレゼントを買いに行ったのに、なんて絶対言えない。
「ここがお気に入りでね」
「わぁ...すごい...」
「池にイルミネーションが鏡みたいに全部映ってんの。凄いよね」
うんうんって伊沢くんが設計したみたいに自慢げ。
すぐ近くにベンチがあって隣合って座る。
目の前に綺麗に広がるイルミネーション。
隣には大好きな人。
「ごめんね。なんか色々急で」
「ん?」
「クリスマス誘うのっていつなんだろうって最後まで考えてたら24日の夜になってたわ」
ははって笑ってるけど全然笑い事じゃない。
私が予定入れてたらどうするつもりだったの!そんなこと絶対ないけど。
「すっごい忙しそうだったけど...今日は大丈夫なの?」
「ああ、今日のために金稼ぎたくて。バイトめっちゃ入れたわ」
「今日のため...?」
「まさか自分がこんなに浮かれたクリスマス過ごす立場になるとは思いもしなかったよ」
「あ、浮かれてるの?」
「すっごい浮かれてる、自分でもびっくり」
「私も。伊沢くんにお誘いしてもらえるなんて思ってなかったし。こんなに素敵な場所までね」
「素敵なプレゼントもちゃんとあるよ」
肩にかけていたカバンからガサガサと袋が擦れる音がする。
出てきたのはこの季節にぴったりな落ち着いた色の手ぶくろ。
「あ」
「ん?」
「手ぶくろ!」
「麗結さんに。マフラーは持ってるけど手ぶくろはしてないじゃんだから」
「ふふ、同じだ」
まさか...こんなことあるんだ。
私も紙袋からラッピングされたプレゼントを取り出して伊沢くんの膝に乗っけると「俺に?」と嬉しそうに袋を手に取る。
中を開けると「まじか」と今日1番ってくらい笑ってて「俺ら仲良しですね」って早速手につけてくれてる。
真似っ子して私も手に着けてみる。
「やっぱちょっと寂しいので片手だけにしてもらってもいい?」
伊沢くんの手を見ると私側の左手だけ外れてて、冷たそうな手で私の右手をつんつんと叩く。
かっこいいのに可愛いなんてずるい、と思いながら手ぶくろを外すと手の甲に冷たいものがポタリと落ちてきてジュワっと溶けた。
「雪...?」
「あ、ほんとだ」
「ホワイトクリスマスだ...」
「麗結さん、俺ずっと言いたいことがあって」
伊沢くんの手が優しく私の手に重なる。
隣の彼を見るとまっすぐ前を見ていた。
「なに?」
「こんな俺と付き合ってくれてありがとう」
「...こちらそこ...」
沈黙の私たちを包み込むようにしんしんと雪は降り続ける。
そろそろ寒くなってきた。
こんな所でぼーっとしてても伊沢くんが風邪ひいちゃうな。
「寒いね」
「うん。風邪ひいちゃうから...っ...」
「もうちょっと...」
彼の腕が背中に回ったと思ったら、ぎゅっと抱き寄せられる。
こんなに近くに彼を感じたことはあの告白の日以なかった。
今日だけでこんなに距離が縮まるなんて思ってなくて、心臓がドクドクとうるさい。
「好きな人抱きしめなさいって雪は降るらしいよ」
「それって...」
「昨日今日ってめっちゃ流れてた歌ね」
「だと思った」
さっきまで冷たくて寒くて凍えてたのに、くっついただけでこんなに暖かいんだ。
「雪に感謝しないと。俺やりたいこと全部できた」
「ハグまでやりたいことリストに入ってたの?」
「うん。プレゼント交換してハグってノートに書いた」
「完璧じゃん」
なんでもいいの。
嬉しくて幸せで、伊沢くんが彼氏でよかったって心から思ってるんだから。
「やっぱ嘘」
顔上げてとかすれ気味な声が聞こえて顔を上げると少し冷たい唇が優しくきっと冷たい私の唇に触れた。
「夏までは冬延長して繋ぐか」
「だから延長しなくていいんだって...」
「そう言ってないと麗結さんすぐどっか行っちゃいそうなので」
「ねぇ。私もずっと言いたかったこと言ってもいい?」
「...はい」
「拓司くん、これからもずっとそばにいてね」
「もちろんです」と私を抱きしめる力がぐっと強くなる。
もうちょっとだけこうしていてもいいかな。