『いつか、』/ sg
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こんなに寒いのに少し浮かれ気味に歩いてる彼女が本当にいとおしかった。
街中を彩るイルミネーションにいちいち反応して。
この色使いがいいだとか、もっとこうしたら綺麗なのにだとか、すっごいいい顔して俺に報告して。
俺と二人きりだから俺に言うのは当たり前なんだけど、それが嬉しくて。
この時間が永遠に続けばいいのにと思って。
「志賀さん来てくれて嬉しかったなぁ」
「うん、ごめんね。あの日に行くって決めてたんだけど言ってあげられなくて」
「ううん!お店入った時に1番に確認しましたもん」
あ、やっぱりあの笑ってくれてたの俺にだったんだ。
「不安だったけど志賀さんのお隣だったから色んな人とお話出来たし!」
「麗結さんすぐ打ち解けてたじゃん。すごいよ」
「ええ!志賀さんがお話に混ぜてくれたからでしょ?」
背の低い彼女が俺の顔を見上げる。
鼻の頭が真っ赤になってる。
俺の退屈すぎる日常をぶち壊そうとしている彼女が「ありがとう」と呟く。
彼女がいるだけで、こんな平凡な毎日も生きててもいいかもと思えるほどの存在で大切で、だから何も出来なくてもどかしい。
いつか、彼女にとってもそんな存在になりたいと思うのは欲張りだろうか。
「俺、麗結さんがいなかったら今日来てなかったと思うしこちらこそありがとう」
「えへへ、志賀さんってほんとにいい人ですよね」
「いい人...」
「うん!とってもいい人ですよ!」
悪い印象は持たれていないみたいで安心。
この流れで俺も何か彼女に印象を残さないといけないと言うのは分かっている。
でも...どうすればいい...?
もう駅のあかりが見えている。
もう時間が無い。
「手冷たい...」
そう言いながら息をふきかけて小さな手を擦る彼女。
俺にはこんなことしか出来ない。
それでも...
「えっ...」
「あったかいでしょ」
何も言わずにすっと彼女の手を握って今まで手を入れていたロングコートのポケットに入れて手の甲を包み込むように手を重ねる。
このあとどうするかなんて全く考えてなかった。
それでも...もうこの想いを止められそうにない。
「あったかいですね」
嫌がられてない...ってことでいいのだろうか。
「あ、でもこうしたらもっとあったかいかも」
彼女の手がポケットの中でモゾモゾと動いて俺の指と彼女の指が絡まった。
「えっ...」
「酔ってるので許してください」
「酔ってないでしょ」
「バレてたか」
いたずらっ子のように笑うとポケットから手を抜こうとするから反対の手で食い止める。
「離さないで...」
「志賀さん...?」
「あ、俺は酔ってるからね」
彼女の手が離れないように逃がさないように繋いでいる手にぐっと力を込める。
「酔ってるからこんなことしたの?」
「...そんなわけないでしょ」
「ん?何ですか?」
「なんでもないよ」
今はまだ、
酔っ払って
こんな街の賑やかさと雪の力を借りないとこう出来ないから。
そんなの君にふさわしくないから。
「クリスマス予定空いてる?」
でももう少しだけ今日の力を借りておこうかな。
「...授業の後なら空いてますよ」
「一緒にどこか行く?」
君がいないと何も出来ないし
君のことで一喜一憂したり、すっごいダサい男だけど。
いつか、絶対君の隣にふさわしい俺になるから
その時はこの想いを伝えさせてね。
小さく頷いてくれた君の手をさっきよりも強く握りしめた。
街中を彩るイルミネーションにいちいち反応して。
この色使いがいいだとか、もっとこうしたら綺麗なのにだとか、すっごいいい顔して俺に報告して。
俺と二人きりだから俺に言うのは当たり前なんだけど、それが嬉しくて。
この時間が永遠に続けばいいのにと思って。
「志賀さん来てくれて嬉しかったなぁ」
「うん、ごめんね。あの日に行くって決めてたんだけど言ってあげられなくて」
「ううん!お店入った時に1番に確認しましたもん」
あ、やっぱりあの笑ってくれてたの俺にだったんだ。
「不安だったけど志賀さんのお隣だったから色んな人とお話出来たし!」
「麗結さんすぐ打ち解けてたじゃん。すごいよ」
「ええ!志賀さんがお話に混ぜてくれたからでしょ?」
背の低い彼女が俺の顔を見上げる。
鼻の頭が真っ赤になってる。
俺の退屈すぎる日常をぶち壊そうとしている彼女が「ありがとう」と呟く。
彼女がいるだけで、こんな平凡な毎日も生きててもいいかもと思えるほどの存在で大切で、だから何も出来なくてもどかしい。
いつか、彼女にとってもそんな存在になりたいと思うのは欲張りだろうか。
「俺、麗結さんがいなかったら今日来てなかったと思うしこちらこそありがとう」
「えへへ、志賀さんってほんとにいい人ですよね」
「いい人...」
「うん!とってもいい人ですよ!」
悪い印象は持たれていないみたいで安心。
この流れで俺も何か彼女に印象を残さないといけないと言うのは分かっている。
でも...どうすればいい...?
もう駅のあかりが見えている。
もう時間が無い。
「手冷たい...」
そう言いながら息をふきかけて小さな手を擦る彼女。
俺にはこんなことしか出来ない。
それでも...
「えっ...」
「あったかいでしょ」
何も言わずにすっと彼女の手を握って今まで手を入れていたロングコートのポケットに入れて手の甲を包み込むように手を重ねる。
このあとどうするかなんて全く考えてなかった。
それでも...もうこの想いを止められそうにない。
「あったかいですね」
嫌がられてない...ってことでいいのだろうか。
「あ、でもこうしたらもっとあったかいかも」
彼女の手がポケットの中でモゾモゾと動いて俺の指と彼女の指が絡まった。
「えっ...」
「酔ってるので許してください」
「酔ってないでしょ」
「バレてたか」
いたずらっ子のように笑うとポケットから手を抜こうとするから反対の手で食い止める。
「離さないで...」
「志賀さん...?」
「あ、俺は酔ってるからね」
彼女の手が離れないように逃がさないように繋いでいる手にぐっと力を込める。
「酔ってるからこんなことしたの?」
「...そんなわけないでしょ」
「ん?何ですか?」
「なんでもないよ」
今はまだ、
酔っ払って
こんな街の賑やかさと雪の力を借りないとこう出来ないから。
そんなの君にふさわしくないから。
「クリスマス予定空いてる?」
でももう少しだけ今日の力を借りておこうかな。
「...授業の後なら空いてますよ」
「一緒にどこか行く?」
君がいないと何も出来ないし
君のことで一喜一憂したり、すっごいダサい男だけど。
いつか、絶対君の隣にふさわしい俺になるから
その時はこの想いを伝えさせてね。
小さく頷いてくれた君の手をさっきよりも強く握りしめた。