『Muffler』/ kwkm
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「うん。普通のもうまい」って私の肉まんをもぐもぐしてる川上くんと川上くんの豚まんを持ったまま何も出来ない私。
「食わんの?」
「食べるよ?!食べる!」
「なんでそんな必死なん?笑」
パクッとひとくち。
特製ってだけあって具がしっかりしてる気がする。
なんて頭の中では別のことを考えて誤魔化しているけど川上くんと交換し合って肉まん食べてるなんて...
「ありがとう」
「そんなちょっとで味分かったん?笑」
大きな口を開けないように気をつけすぎたせいで一口が本当に一口だったけどもうなんでもいいや。
「ちゃんと分かったよ!」って平然を装って彼をみあげる。
確実にかっこよくなってる。
髪色のせいなのか、ピアスのせいなのか、それともシティボーイになった自信のせいなのか。
それとも...
「彼女できたの?」
彼女の存在なのか。
「なんでそんなこと聞くん?」
「なんか川上くんの趣味じゃなさそうなマフラーだし彼女からもらったんかなって」
「あー...で、青木さんは出来たん?」
「あ、誤魔化した」
「俺だけ言うのは不公平じゃん」
足を止めて川上くんが私を見る。
何度も一緒に歩いた道だ。
川上くんももうすぐ私の家に着いてしまうことを覚えていてくれたんだ。
「私は...いないけどさぁ」
「そっか」
「ねぇ!早いしそれだけ?」
「いや、まぁ、いいんじゃない?」
そしてまたスタスタと私を置いて歩き出す。
歩き方は変わってない。
「ねぇ!私だけ言うのは不公平じゃない?!」
小走りで彼に追いついて、彼の前で両手を広げて通せんぼをする。
困ったような顔をしながら「いつでも元気なのほんと変わらんね」って口を隠していたマフラーをぐっと下げた。
「このマフラーは父さんの貰い物で彼女から貰った訳やない」
そのまま「確かに俺の趣味じゃないな」って言いながらするすると首からマフラーを外す。
「彼女はおらんよ。好きな人はおる」
「...そうなんだ」
「その人がさいきなり目の前に現れたんだよ。びっくりしないわけがない」
1本前に出て私に近づくとさっきまで自分がつけていたそれを私の肩にかけて、ふんわりと1周巻いてくれた。
「青木さんの方が似合う」
「は...?どういう意味?」
「そのままの意味だけど」
「ええええ?!」
「うるさっ。元気すぎ」
頭にぽんっと乗せられた大きな手が頭を撫でてくれてる...と期待したのに髪をぐしゃぐしゃにしてる。
それでもこんなことしてもらえるなんて...
絶対、私今ニヤニヤしてる。
なんでマスク取っちゃったのよ。
「貸したげる」
「もう家着くんだけど」
「明日また返しに来て」
「明日もバイトなの?」
「ずっとバイト」
「明日は肉まん食べないんだけど」
「俺に会いに来てって言ってんの」
「言わせんで」って小さい声。
恥ずかしそうに口元に手をやって視線をそらした。
嬉しくて嬉しくて口元が緩んでるだろうから、川上くんが巻いてくれたマフラーで同じように隠してみる。
「あったかい?」
「うん、めっちゃあったかい」
「かわええ」
腰を抱き寄せられ、彼にぴたっとくっいたらもっともっと温かかった。
「食わんの?」
「食べるよ?!食べる!」
「なんでそんな必死なん?笑」
パクッとひとくち。
特製ってだけあって具がしっかりしてる気がする。
なんて頭の中では別のことを考えて誤魔化しているけど川上くんと交換し合って肉まん食べてるなんて...
「ありがとう」
「そんなちょっとで味分かったん?笑」
大きな口を開けないように気をつけすぎたせいで一口が本当に一口だったけどもうなんでもいいや。
「ちゃんと分かったよ!」って平然を装って彼をみあげる。
確実にかっこよくなってる。
髪色のせいなのか、ピアスのせいなのか、それともシティボーイになった自信のせいなのか。
それとも...
「彼女できたの?」
彼女の存在なのか。
「なんでそんなこと聞くん?」
「なんか川上くんの趣味じゃなさそうなマフラーだし彼女からもらったんかなって」
「あー...で、青木さんは出来たん?」
「あ、誤魔化した」
「俺だけ言うのは不公平じゃん」
足を止めて川上くんが私を見る。
何度も一緒に歩いた道だ。
川上くんももうすぐ私の家に着いてしまうことを覚えていてくれたんだ。
「私は...いないけどさぁ」
「そっか」
「ねぇ!早いしそれだけ?」
「いや、まぁ、いいんじゃない?」
そしてまたスタスタと私を置いて歩き出す。
歩き方は変わってない。
「ねぇ!私だけ言うのは不公平じゃない?!」
小走りで彼に追いついて、彼の前で両手を広げて通せんぼをする。
困ったような顔をしながら「いつでも元気なのほんと変わらんね」って口を隠していたマフラーをぐっと下げた。
「このマフラーは父さんの貰い物で彼女から貰った訳やない」
そのまま「確かに俺の趣味じゃないな」って言いながらするすると首からマフラーを外す。
「彼女はおらんよ。好きな人はおる」
「...そうなんだ」
「その人がさいきなり目の前に現れたんだよ。びっくりしないわけがない」
1本前に出て私に近づくとさっきまで自分がつけていたそれを私の肩にかけて、ふんわりと1周巻いてくれた。
「青木さんの方が似合う」
「は...?どういう意味?」
「そのままの意味だけど」
「ええええ?!」
「うるさっ。元気すぎ」
頭にぽんっと乗せられた大きな手が頭を撫でてくれてる...と期待したのに髪をぐしゃぐしゃにしてる。
それでもこんなことしてもらえるなんて...
絶対、私今ニヤニヤしてる。
なんでマスク取っちゃったのよ。
「貸したげる」
「もう家着くんだけど」
「明日また返しに来て」
「明日もバイトなの?」
「ずっとバイト」
「明日は肉まん食べないんだけど」
「俺に会いに来てって言ってんの」
「言わせんで」って小さい声。
恥ずかしそうに口元に手をやって視線をそらした。
嬉しくて嬉しくて口元が緩んでるだろうから、川上くんが巻いてくれたマフラーで同じように隠してみる。
「あったかい?」
「うん、めっちゃあったかい」
「かわええ」
腰を抱き寄せられ、彼にぴたっとくっいたらもっともっと温かかった。