『コーンスープ』/ ko-chan
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部活終わり19時。
この時間を回ると外はすっかり真っ暗で空気は冷たい。
もうすっかり冬だ。
美味しいものもたくさんあるし、1番過ごしやすいから秋が好きなのにあっという間に過ぎていってしまったみたい。
いつものように学生館の中に並んでいる自動販売機の前に立って小銭を入れる。
同じものが出てくるボタンは3つあるけれど、私は必ず一番左を押す。
ガタン、と音を立てて落ちてきたそれはこの季節にぴったりなホットココアの缶。
これを両手で包み込んで駅に向かうのが最近の日課。
学校発のスクールバスに乗って帰る友達を見送って、今日もホットココアの缶で暖をとりながら駅に向かう。
スカート寒すぎ。
そろそろタイツ解禁?とか思うけど今からそんなことしてたら絶対ガチな冬を乗り越えられないから我慢。
今日も疲れた体に温かくてあまーいココアがしみる。
この時間が至福すぎる。
「あ、麗結ちゃんだ」
「...渡辺先輩っ?!」
「ん?ごめんごめん。ビックリさせちゃった?結構遅くまでやってたんだねー」
学校からすぐの横断歩道で信号待ちをしていると、後ろから聞き慣れた声。
夏に部活を引退した1つ年上の渡辺先輩だった。
「あ、私はかなちゃん...松本とバス待ってたので」
「かなちゃんで分かるよ笑 俺だってついこの間まで部員だったんだよ?!」
信号が青に変わると歩き出した私の隣で、乗っていた自転車から降りて一緒に歩き出す渡辺先輩。
あれ?なんでこんなことに?
心臓のドキドキが収まらない。
なんでって...
「ねぇ、何持ってるの?それ!」
そんな私のことは露知らず話し続ける先輩の視線の先は私の手の中に包まれている缶。
甘くて美味しいココアが入った缶。
「ココアです。最近寒いのでこうやって持って帰ってて」
「へぇ。いいな」
歩いてるのに先輩の視線はずっと私の手元。
前見ないと危ないけど大丈夫かな。
「...最近寒いですもんね...」
何でずっと見られているのかわからず当たり障りのない返事をすると「1口ちょうだいよ!」なんて思いもしなかった言葉。
「えっ?!」
「ん?ダメ?あ、もしかしてもうないとか?!ほんっとに食い意地も飲み意地もはってるもんなぁ麗結ちゃん」
「なっ...!ありますよ!ほら!!!」
先輩に声掛けられたからほとんど減っていないその缶を手渡すと「ほんとだ結構入ってる」って冷静に感想を言ったあと自然に口元に缶を持っていくとゴクリとひとくち。
「あっま。うっま」
「ちょっと...!」
「ごめん、普通に飲んじゃった!」
本当に素で口をつけたようで、ごめんごめんって本気で連呼してる。
本当に心臓に悪い。
ドキドキがさらに加速した。
だって私がこの部活に入ったのは
部活勧誘で渡辺先輩に一目惚れしたからで。
かっこよくて優しくて面白い先輩に
ずっと恋をしていたからだ。
この時間を回ると外はすっかり真っ暗で空気は冷たい。
もうすっかり冬だ。
美味しいものもたくさんあるし、1番過ごしやすいから秋が好きなのにあっという間に過ぎていってしまったみたい。
いつものように学生館の中に並んでいる自動販売機の前に立って小銭を入れる。
同じものが出てくるボタンは3つあるけれど、私は必ず一番左を押す。
ガタン、と音を立てて落ちてきたそれはこの季節にぴったりなホットココアの缶。
これを両手で包み込んで駅に向かうのが最近の日課。
学校発のスクールバスに乗って帰る友達を見送って、今日もホットココアの缶で暖をとりながら駅に向かう。
スカート寒すぎ。
そろそろタイツ解禁?とか思うけど今からそんなことしてたら絶対ガチな冬を乗り越えられないから我慢。
今日も疲れた体に温かくてあまーいココアがしみる。
この時間が至福すぎる。
「あ、麗結ちゃんだ」
「...渡辺先輩っ?!」
「ん?ごめんごめん。ビックリさせちゃった?結構遅くまでやってたんだねー」
学校からすぐの横断歩道で信号待ちをしていると、後ろから聞き慣れた声。
夏に部活を引退した1つ年上の渡辺先輩だった。
「あ、私はかなちゃん...松本とバス待ってたので」
「かなちゃんで分かるよ笑 俺だってついこの間まで部員だったんだよ?!」
信号が青に変わると歩き出した私の隣で、乗っていた自転車から降りて一緒に歩き出す渡辺先輩。
あれ?なんでこんなことに?
心臓のドキドキが収まらない。
なんでって...
「ねぇ、何持ってるの?それ!」
そんな私のことは露知らず話し続ける先輩の視線の先は私の手の中に包まれている缶。
甘くて美味しいココアが入った缶。
「ココアです。最近寒いのでこうやって持って帰ってて」
「へぇ。いいな」
歩いてるのに先輩の視線はずっと私の手元。
前見ないと危ないけど大丈夫かな。
「...最近寒いですもんね...」
何でずっと見られているのかわからず当たり障りのない返事をすると「1口ちょうだいよ!」なんて思いもしなかった言葉。
「えっ?!」
「ん?ダメ?あ、もしかしてもうないとか?!ほんっとに食い意地も飲み意地もはってるもんなぁ麗結ちゃん」
「なっ...!ありますよ!ほら!!!」
先輩に声掛けられたからほとんど減っていないその缶を手渡すと「ほんとだ結構入ってる」って冷静に感想を言ったあと自然に口元に缶を持っていくとゴクリとひとくち。
「あっま。うっま」
「ちょっと...!」
「ごめん、普通に飲んじゃった!」
本当に素で口をつけたようで、ごめんごめんって本気で連呼してる。
本当に心臓に悪い。
ドキドキがさらに加速した。
だって私がこの部活に入ったのは
部活勧誘で渡辺先輩に一目惚れしたからで。
かっこよくて優しくて面白い先輩に
ずっと恋をしていたからだ。
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