『花火から逃げて』/ kwkm
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それは彼女からの突然すぎる要求だった。
俺の彼女は生まれた時からずっと一緒ないわゆる幼馴染み。
幼稚園から高校まで同じルートを歩んできて、この関係の名前を幼馴染みから恋人に変えたのは1年前の中3の時のこと。
それもまぁ適当と言うか、俺ららしい付き合い始めだった気がする。
彼女は男勝りというか、女の子らしい女の子ではなかった。
虫を怖がるのはいつも俺。
お化けを怖がるのもいつも俺。
成績が悪くて目に見えて落ち込むのも俺だし、彼女が男と歩いているのを見るだけで凹むのも俺。
それを宥めるのが彼女。
俺らはそれでよかった。
彼女は俺のパワーの源だ。
いつも彼女が俺のそばにいてくれて、いつも彼女が俺をいつも通りの俺で居させてくれた。
そんな彼女は今まで1度もわがままというわがままを言ったことがなかった。
ある日の昼飯をラーメンにするかハンバーガーにするか、で彼女が「絶対ハンバーガー!」とごねることはあるけどこれはわがままではない。
「今度花火大会あるやん?」
「ああ、毎年恒例花火大会ね」
「一緒に行こうよ!」
「は?やだよ。毎年うちのばあちゃんの家から見てるやん。あんなベスポジを持ってんのにわざわざ人混み行くん?」
「...今年は絶対行きたいん...」
「....やだよ。いいじゃん。花火めちゃくちゃ綺麗に見えるやん?ばあちゃん家!」
夏休みを目前に控えた高校からの帰り道。
彼女である麗結が急にそんなことを言い出したのだ。
幼馴染みだから、家族ぐるみで仲がいい俺らは地元で1番大きな花火大会も、俺のばあちゃんの家で一緒に見るのが恒例だった。
人もいないし、見やすいし、あんな人混みにわざわざ行く必要も無い。
「ダメなの!絶対だめ!お願い!一生のお願い!」
こんなに必死な彼女を見るのは初めてだった。
何かあるのかもしれない、と心がざわついた。
「...麗結どうしたん?」
そう聞いても彼女は「拓朗と花火大会に行きたいの...」としか答えてくれなくて「わかった、行くから教えてくれん?」と返すと「ほんとに?!やったー!!」といつもの彼女に戻っていて、もやもやはとけないままだった。
俺の彼女は生まれた時からずっと一緒ないわゆる幼馴染み。
幼稚園から高校まで同じルートを歩んできて、この関係の名前を幼馴染みから恋人に変えたのは1年前の中3の時のこと。
それもまぁ適当と言うか、俺ららしい付き合い始めだった気がする。
彼女は男勝りというか、女の子らしい女の子ではなかった。
虫を怖がるのはいつも俺。
お化けを怖がるのもいつも俺。
成績が悪くて目に見えて落ち込むのも俺だし、彼女が男と歩いているのを見るだけで凹むのも俺。
それを宥めるのが彼女。
俺らはそれでよかった。
彼女は俺のパワーの源だ。
いつも彼女が俺のそばにいてくれて、いつも彼女が俺をいつも通りの俺で居させてくれた。
そんな彼女は今まで1度もわがままというわがままを言ったことがなかった。
ある日の昼飯をラーメンにするかハンバーガーにするか、で彼女が「絶対ハンバーガー!」とごねることはあるけどこれはわがままではない。
「今度花火大会あるやん?」
「ああ、毎年恒例花火大会ね」
「一緒に行こうよ!」
「は?やだよ。毎年うちのばあちゃんの家から見てるやん。あんなベスポジを持ってんのにわざわざ人混み行くん?」
「...今年は絶対行きたいん...」
「....やだよ。いいじゃん。花火めちゃくちゃ綺麗に見えるやん?ばあちゃん家!」
夏休みを目前に控えた高校からの帰り道。
彼女である麗結が急にそんなことを言い出したのだ。
幼馴染みだから、家族ぐるみで仲がいい俺らは地元で1番大きな花火大会も、俺のばあちゃんの家で一緒に見るのが恒例だった。
人もいないし、見やすいし、あんな人混みにわざわざ行く必要も無い。
「ダメなの!絶対だめ!お願い!一生のお願い!」
こんなに必死な彼女を見るのは初めてだった。
何かあるのかもしれない、と心がざわついた。
「...麗結どうしたん?」
そう聞いても彼女は「拓朗と花火大会に行きたいの...」としか答えてくれなくて「わかった、行くから教えてくれん?」と返すと「ほんとに?!やったー!!」といつもの彼女に戻っていて、もやもやはとけないままだった。