『夏、延長!』/ izw
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もうすぐ夏も終わるという日の帰り道。
先輩に誘われて俺は河原に来ていた。
って言っても、いつもの帰り道で寄り道してるってだけなんだけど。
駄菓子屋さんで買ったラムネ瓶が妙に夏を感じさせて、少し蒸し暑いけど涼しげだ。
「夏も終わっちゃうね」
「あっという間っすね、1年ってのは」
「結局彼氏出来なかったじゃんー!!!」
「ずっとサークルに出席してるからじゃないですか?」
「伊沢くんだって毎日いたじゃん」
「俺は別に彼女欲しいなんて思ってないですから」
俺が欲しいのは彼女じゃなくて、先輩だから。
ほぼ毎日先輩に会える夏休みは最高だった。
「私ね、嘘ついた」
「急になんすか」
「彼氏いたことあったんだよね」
「え...そうなんですか」
「あ、ビックリしてる」
こんな素敵な人に彼氏がいたことがない、ということ自体に疑いを持っていたから驚いたのは急なカミングアウトにではなく、分析が間違っていたことだ。
「一昨年ね、夏だし、彼氏欲しいー!ってちょっと気になってる人に言ったのね。そしたらほんとに彼氏になっちゃって!」
...あまり聞きたくない彼女とほかの男の話に内心ムッとしながら「そうなんすね」とラムネに口をつける。
「でもそいつもね、「夏だし、彼女欲しいー!」って言う適当な男でさ。ほんっとに見る目ないよね」
「...なんとも言えないっすね」
「それでもなお懲りずに同じこと言ってるんだから私良くないよね...そっから男の人のこと信じられなくなって、告白されても断ってるの。だから彼氏いたとないって言って過言じゃないか」
「まぁ...」
「ごめんね、伊沢くんにはなんか話したくなっちゃうんだよね」
「俺、先輩の全部知りたいんでもっと話してください」
しゅわしゅわと胸の中で育っていた思いが、弾けた瞬間だった。
「優しいね、甘えたくなっちゃうよ」
「俺の事は信じてください。俺、「夏だし、彼女欲しいー!」っていう男のことまっじで意味わかんねぇと思ってますし」
「それって私のことも意味わかんねぇって思ってるってこと?」
「もちろんです」
「それじゃダメっ...」
「夏だろうが冬だろうが麗結さんの彼氏になりたいって思ってんのに、ふざけんなって思ってます」
ドラマとか漫画みたいにいきなり手を繋いだり、ハグしたりとか派手なことは出来ないけど、俺にしてはよくやったと思う。
先輩に誘われて俺は河原に来ていた。
って言っても、いつもの帰り道で寄り道してるってだけなんだけど。
駄菓子屋さんで買ったラムネ瓶が妙に夏を感じさせて、少し蒸し暑いけど涼しげだ。
「夏も終わっちゃうね」
「あっという間っすね、1年ってのは」
「結局彼氏出来なかったじゃんー!!!」
「ずっとサークルに出席してるからじゃないですか?」
「伊沢くんだって毎日いたじゃん」
「俺は別に彼女欲しいなんて思ってないですから」
俺が欲しいのは彼女じゃなくて、先輩だから。
ほぼ毎日先輩に会える夏休みは最高だった。
「私ね、嘘ついた」
「急になんすか」
「彼氏いたことあったんだよね」
「え...そうなんですか」
「あ、ビックリしてる」
こんな素敵な人に彼氏がいたことがない、ということ自体に疑いを持っていたから驚いたのは急なカミングアウトにではなく、分析が間違っていたことだ。
「一昨年ね、夏だし、彼氏欲しいー!ってちょっと気になってる人に言ったのね。そしたらほんとに彼氏になっちゃって!」
...あまり聞きたくない彼女とほかの男の話に内心ムッとしながら「そうなんすね」とラムネに口をつける。
「でもそいつもね、「夏だし、彼女欲しいー!」って言う適当な男でさ。ほんっとに見る目ないよね」
「...なんとも言えないっすね」
「それでもなお懲りずに同じこと言ってるんだから私良くないよね...そっから男の人のこと信じられなくなって、告白されても断ってるの。だから彼氏いたとないって言って過言じゃないか」
「まぁ...」
「ごめんね、伊沢くんにはなんか話したくなっちゃうんだよね」
「俺、先輩の全部知りたいんでもっと話してください」
しゅわしゅわと胸の中で育っていた思いが、弾けた瞬間だった。
「優しいね、甘えたくなっちゃうよ」
「俺の事は信じてください。俺、「夏だし、彼女欲しいー!」っていう男のことまっじで意味わかんねぇと思ってますし」
「それって私のことも意味わかんねぇって思ってるってこと?」
「もちろんです」
「それじゃダメっ...」
「夏だろうが冬だろうが麗結さんの彼氏になりたいって思ってんのに、ふざけんなって思ってます」
ドラマとか漫画みたいにいきなり手を繋いだり、ハグしたりとか派手なことは出来ないけど、俺にしてはよくやったと思う。