『嫌い、大嫌い、大好き』/ ko-chan
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今年も彼女が好きなひまわりの花束を持って君に会いに行く。
無駄に元気で明るい大きなひまわりが綺麗だと思えなくなったのは、もちろん夏。
彼女と毎年来てたから、大好きだった場所だって今では見たくない場所になっていた。
俺は夏が嫌いだ。
「おーい、来たよー」
返事はない。当然か。
雑に持ってきた花束をその場においてしゃがみこむ。
泣かないと決めていたのに、耐えきれなくなって涙が零れた。
・
・
・
「私ね、もうダメかもしれないんだって」
「は?何が?」
「...癌がね...見つかって...」
それは4年前の夏、彼女が好きなひまわり畑に二人で来ていた時だった。
彼女がこのことについて苦しそうに話したのはこの1回だけだった。
「ほら!でも治るって!医療は日々進歩してて助かる確率だって...」
「余命だって言われてるんだよ」
「....は?」
彼女があまりにもたんたんと話すから、ずっと何かのドッキリなんじゃないかと疑っていたんだ。
その夢のような考えはすぐに打ち砕かれた。
このあとすぐに彼女が病院から出られなくなったのだ。
「毎日来なくていいって!」
「俺が来たくて来てるからいいの」
「航平暇なの?」
「暇だよ、麗結がいないとすることない」
「メンバーさんにすっごい失礼なこと言ってるね?」
「俺なんかいなくたって動画は成り立つからね」
大学進学で東京に出てしまって遠距離だったけど、その事があってから毎日地元に戻って麗結にあって大学と撮影がある日だけ東京に行く日々を送った。
これしか出来ない自分が情けなくて、辛くて、どうしたらいいのか分からなかった。
彼女の無理をしたひまわりのような明るい笑顔だけが支えだった。
みんなの努力も虚しく彼女が死んだのも夏だった。
俺は、彼女を奪った夏が大嫌いだ。
ちゃんとひまわりを見られる季節まで生き延びた彼女は凄いとお医者さんは言っていたけれど俺は納得できなかった。
半年前にプレゼントしたペアリングを見つめたまま何度も泣いたし、何度も彼女の笑顔を思い返した。
無駄に元気で明るい大きなひまわりが綺麗だと思えなくなったのは、もちろん夏。
彼女と毎年来てたから、大好きだった場所だって今では見たくない場所になっていた。
俺は夏が嫌いだ。
「おーい、来たよー」
返事はない。当然か。
雑に持ってきた花束をその場においてしゃがみこむ。
泣かないと決めていたのに、耐えきれなくなって涙が零れた。
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「私ね、もうダメかもしれないんだって」
「は?何が?」
「...癌がね...見つかって...」
それは4年前の夏、彼女が好きなひまわり畑に二人で来ていた時だった。
彼女がこのことについて苦しそうに話したのはこの1回だけだった。
「ほら!でも治るって!医療は日々進歩してて助かる確率だって...」
「余命だって言われてるんだよ」
「....は?」
彼女があまりにもたんたんと話すから、ずっと何かのドッキリなんじゃないかと疑っていたんだ。
その夢のような考えはすぐに打ち砕かれた。
このあとすぐに彼女が病院から出られなくなったのだ。
「毎日来なくていいって!」
「俺が来たくて来てるからいいの」
「航平暇なの?」
「暇だよ、麗結がいないとすることない」
「メンバーさんにすっごい失礼なこと言ってるね?」
「俺なんかいなくたって動画は成り立つからね」
大学進学で東京に出てしまって遠距離だったけど、その事があってから毎日地元に戻って麗結にあって大学と撮影がある日だけ東京に行く日々を送った。
これしか出来ない自分が情けなくて、辛くて、どうしたらいいのか分からなかった。
彼女の無理をしたひまわりのような明るい笑顔だけが支えだった。
みんなの努力も虚しく彼女が死んだのも夏だった。
俺は、彼女を奪った夏が大嫌いだ。
ちゃんとひまわりを見られる季節まで生き延びた彼女は凄いとお医者さんは言っていたけれど俺は納得できなかった。
半年前にプレゼントしたペアリングを見つめたまま何度も泣いたし、何度も彼女の笑顔を思い返した。