『うたかた』/ kwmr
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まだ店を閉めるための仕事を終えないまま、2人でさっきの彼女みたいに壁を背もたれにして座り込む。
おじさんが「あと頼むなー」なんて声をかけて帰って行った。
ザーザーと波の音が響く。
1週間と少しここにいるけれどこんなに静かな波の音を聞いたのは初めてだ。
彼女は何も喋らない。
僕も何も喋らない。
外がだんだん暗くなっていく。
おばさんが心配してるかもしれない。
とりあえずLINEを入れておこう。
何時になるか分からないけど探さないでって。
「別に話したくないなら話さなくても言いんで。僕は麗結さんの気が済むまで隣に居るから」
「...振られたんだ、昨日」
主語なんてなくてもすぐにわかった。
この前すごく幸せそうに話していたあの彼氏だ。
様子がおかしいと言っていた、あの。
恐る恐る彼女の顔を見てみると今にもこぼれ落ちそうな涙が目に溜まったいた。
「他にね、好きな人が出来たからもう別れたいって。ひどいよね、私なんて最初から好きじゃなかったんだよきっと」
「それは...違うでしょ」
「ううん...そうだよ。そんな男選んだ私が悪いのはわかってるんだけどさ...好きだった...から」
ぽとりと涙が畳にこぼれた。
あのいつも笑顔で元気な麗結さんとは本当に真逆で苦しくなる。
「だってまだ1ヶ月しか経ってないんだよ!なのにやることだけバッチリやっちゃってさぁ。バカだなぁ、ほんとに!」
やることだけ、という言葉に男女の嗜みを一瞬で想像した僕は健全な男の子だ。
しかも多分それは彼女が伝えたいことであっているはずだ。
さっきの涙とは対照的に疲れたような笑いと少し元気な声。
頑張って、頑張って、元気な姿を振る舞おうとしているようだ。
「僕にできることは、多分ないかな」
ぼそっと呟くと、彼女は立ち上がって僕を見下ろしたと思ったら手を伸ばした。
おじさんが「あと頼むなー」なんて声をかけて帰って行った。
ザーザーと波の音が響く。
1週間と少しここにいるけれどこんなに静かな波の音を聞いたのは初めてだ。
彼女は何も喋らない。
僕も何も喋らない。
外がだんだん暗くなっていく。
おばさんが心配してるかもしれない。
とりあえずLINEを入れておこう。
何時になるか分からないけど探さないでって。
「別に話したくないなら話さなくても言いんで。僕は麗結さんの気が済むまで隣に居るから」
「...振られたんだ、昨日」
主語なんてなくてもすぐにわかった。
この前すごく幸せそうに話していたあの彼氏だ。
様子がおかしいと言っていた、あの。
恐る恐る彼女の顔を見てみると今にもこぼれ落ちそうな涙が目に溜まったいた。
「他にね、好きな人が出来たからもう別れたいって。ひどいよね、私なんて最初から好きじゃなかったんだよきっと」
「それは...違うでしょ」
「ううん...そうだよ。そんな男選んだ私が悪いのはわかってるんだけどさ...好きだった...から」
ぽとりと涙が畳にこぼれた。
あのいつも笑顔で元気な麗結さんとは本当に真逆で苦しくなる。
「だってまだ1ヶ月しか経ってないんだよ!なのにやることだけバッチリやっちゃってさぁ。バカだなぁ、ほんとに!」
やることだけ、という言葉に男女の嗜みを一瞬で想像した僕は健全な男の子だ。
しかも多分それは彼女が伝えたいことであっているはずだ。
さっきの涙とは対照的に疲れたような笑いと少し元気な声。
頑張って、頑張って、元気な姿を振る舞おうとしているようだ。
「僕にできることは、多分ないかな」
ぼそっと呟くと、彼女は立ち上がって僕を見下ろしたと思ったら手を伸ばした。