『うたかた』/ kwmr
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「拓哉くん!焼きそばひとつとかき氷ひとつ!メロンね!」
ここに来て1週間が経った。
6時起きには少し慣れないけれど、仕事と海の家の暑さには慣れた。
やることと言ったら、食べ物作ってお客さんに提供してお客さんが帰ったらテーブルを片付けることくらいだ。
「はいどーぞ。こぼさないように気をつけてね」
「お兄ちゃんありがとうー!!」
子どもも最初は少し苦手だったけど今となっては可愛いものだ。
今の僕には、小さい手で手を振る女の子に手を振り返す余裕まである。
「拓哉くんもうずっとここで働いてるみたいだっておじさんが言ってたよ」
麗結さんとお店を閉めるための片付けをするのも日課。
テーブルを拭きながら、そういう彼女の顔はやっぱり楽しそうで笑顔だ。
「麗結さんのおかげで慣れたんだよ。最初は嫌だったけど、今普通に楽しいし」
「拓哉くん才能あるよ!ずっとここにいてくれたらいいのに」
「...そうっすね...」
少し、いや、かなり嬉しかった。
いつも可愛らしい笑顔で、こんな使えなさそうな僕に熱心に仕事を教えてくれて、優しい彼女がそう言ってくれたことが。
たった2週間が、あと1週間になっていた。
「私ね、大切な人がいるんだけど」
「...彼氏?」
「うん、そうそう!でも最近ちょっと様子がおかしくてさぁ。私が毎日海の家来ててなかなか会えないからかなぁ?」
初日以外は歩きで海の家に通ったから、帰り道は麗結さんと一緒。
あぁ、やっぱり彼氏いるよな。
こんなに可愛いんだもん。
初めて彼女から出てきたその単語に、心がモヤッとした。
「なーんて、何話してんのって感じだよね!ごめんごめん。困らせて」
「いえ、全然気にしないで」
いつもの分かれ道で「じゃあまた明日!」と笑った彼女のことが家に帰っても気になってしょうがなかった。
ここに来て1週間が経った。
6時起きには少し慣れないけれど、仕事と海の家の暑さには慣れた。
やることと言ったら、食べ物作ってお客さんに提供してお客さんが帰ったらテーブルを片付けることくらいだ。
「はいどーぞ。こぼさないように気をつけてね」
「お兄ちゃんありがとうー!!」
子どもも最初は少し苦手だったけど今となっては可愛いものだ。
今の僕には、小さい手で手を振る女の子に手を振り返す余裕まである。
「拓哉くんもうずっとここで働いてるみたいだっておじさんが言ってたよ」
麗結さんとお店を閉めるための片付けをするのも日課。
テーブルを拭きながら、そういう彼女の顔はやっぱり楽しそうで笑顔だ。
「麗結さんのおかげで慣れたんだよ。最初は嫌だったけど、今普通に楽しいし」
「拓哉くん才能あるよ!ずっとここにいてくれたらいいのに」
「...そうっすね...」
少し、いや、かなり嬉しかった。
いつも可愛らしい笑顔で、こんな使えなさそうな僕に熱心に仕事を教えてくれて、優しい彼女がそう言ってくれたことが。
たった2週間が、あと1週間になっていた。
「私ね、大切な人がいるんだけど」
「...彼氏?」
「うん、そうそう!でも最近ちょっと様子がおかしくてさぁ。私が毎日海の家来ててなかなか会えないからかなぁ?」
初日以外は歩きで海の家に通ったから、帰り道は麗結さんと一緒。
あぁ、やっぱり彼氏いるよな。
こんなに可愛いんだもん。
初めて彼女から出てきたその単語に、心がモヤッとした。
「なーんて、何話してんのって感じだよね!ごめんごめん。困らせて」
「いえ、全然気にしないで」
いつもの分かれ道で「じゃあまた明日!」と笑った彼女のことが家に帰っても気になってしょうがなかった。