『うたかた』/ kwmr
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何度も嫌だと言ったのに。
「2ヶ月もおやすみがあるんだからちょっとくらいお手伝いしてきなさい」という母の言葉が強すぎて今に至る。
大学2年の夏。
僕はしぶしぶ遠く田舎に住んでいるおばさんの家に来ていた。
勉強もしたいし本も読みたしから、2週間だというのに結構な大荷物で行ったら「重たかったでしょ~、駅までお迎えに行ったのに」という1年振りに会うおばさんに心配された。
「海の家?」
「そうなのよ、アルバイトが今1人しか居ないみたいで。今必死になって探してるんだけどなかなか見つからなくてね。拓哉くんお勉強で忙しいのに申し訳ないんだけど...」
「いえ...僕でお力になれるなら」
海の家の手伝いだということは実家を出る時に母から聞かされていたからそこに驚きはなかった。
ただ、海の家なんて暑そうだし忙しそうだし、外なんて滅多にいないから体力的に不安がある。
僕が行って力になれるかは別問題である。
「お給料も頑張っておくからね」なんて言うおばさんに「やっぱやりたくない」とはもう言えなくて小さく頷いた。
出してもらった氷入りの麦茶に口をつけると、冷たくて美味しい。
たった2週間だ。
適当に言われたことやって終わらせればあっという間なはず。
だってテスト期間の2週間もあっという間じゃん。
それと同じだ。
「あ!新しいバイトさん?」
「麗結ちゃん、今日はもう終わり?」
「うん!あとはおじさんが閉めてくれるらしくって」
若くて可愛らしい女の人の声が聞こえてドアの方を振り返る。
彼女は「よろしくね」ってニコッと笑った。
麦茶の氷がカランと音を立てた。
2週間なんてあっという間だ。
「2ヶ月もおやすみがあるんだからちょっとくらいお手伝いしてきなさい」という母の言葉が強すぎて今に至る。
大学2年の夏。
僕はしぶしぶ遠く田舎に住んでいるおばさんの家に来ていた。
勉強もしたいし本も読みたしから、2週間だというのに結構な大荷物で行ったら「重たかったでしょ~、駅までお迎えに行ったのに」という1年振りに会うおばさんに心配された。
「海の家?」
「そうなのよ、アルバイトが今1人しか居ないみたいで。今必死になって探してるんだけどなかなか見つからなくてね。拓哉くんお勉強で忙しいのに申し訳ないんだけど...」
「いえ...僕でお力になれるなら」
海の家の手伝いだということは実家を出る時に母から聞かされていたからそこに驚きはなかった。
ただ、海の家なんて暑そうだし忙しそうだし、外なんて滅多にいないから体力的に不安がある。
僕が行って力になれるかは別問題である。
「お給料も頑張っておくからね」なんて言うおばさんに「やっぱやりたくない」とはもう言えなくて小さく頷いた。
出してもらった氷入りの麦茶に口をつけると、冷たくて美味しい。
たった2週間だ。
適当に言われたことやって終わらせればあっという間なはず。
だってテスト期間の2週間もあっという間じゃん。
それと同じだ。
「あ!新しいバイトさん?」
「麗結ちゃん、今日はもう終わり?」
「うん!あとはおじさんが閉めてくれるらしくって」
若くて可愛らしい女の人の声が聞こえてドアの方を振り返る。
彼女は「よろしくね」ってニコッと笑った。
麦茶の氷がカランと音を立てた。
2週間なんてあっという間だ。