おめでとう、好き / izw
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「麗結、22歳の誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「好き」
「あのさ...悪いんだけど」
「あー!!待って!俺OK以外の返事いらねぇから」
「ねぇ、これいつまで続くの?」
始まりは彼に出会って最初の誕生日だから、19歳の誕生日。
このお祝いを受けるのも4回目。
19歳になりたての私は、今日と同じように目の前の彼伊沢拓司にこの場所に呼び出されたのだ。
この場所ってそんな特別な場所じゃなくてただの大学の講義室。
「麗結が俺んこと好きになってくれるまで」
「ねぇ、それさ」
「俺諦めないよ?」
「それさ。私に彼氏がいるってわかってて言ってる?」
「くっそ悔しいけど頭では理解してる」と机に腰掛けて脚をブラブラさせてる。
私はこの男が嫌いではない。
むしろ顔はめちゃめちゃタイプだし、話していて楽しいし、たまにイラッとする時もあるけど優しいし。
ただ私には19歳の誕生日の前からずっと同じ彼氏がいるわけで、1回目から4回目の今日も同じ理由でこの話を終わらせるわけだ。
「でもさ、最初に麗結見た瞬間に思ったんだよ、俺この人のこと好きになる!ってさ」
「それは勘違いだよきっと」
「勘違いじゃねーよ!だって俺好きだもん、麗結のこと」
それは十分知ってる。
好きでもない友達にこんな女性物のブランド物をプレゼントするわけが無い。
わざわさ買いに行ってラッピングをしてもらって大学に持ってくるわけがない。
「伊沢くんも私なんかじゃなくてもっと可愛くて素敵な彼女...作ったらいいじゃない」
「...」
「ごめん」
「謝んないでよ、頼むから。麗結のこと好きじゃねぇなって思うまでは俺はこのままだし」
「でも...」
「それは俺が決めることであって麗結が決めることじゃない、でしょ?」
ブラブラ揺らしていた脚を見つめたまま目を伏せていた伊沢くんが勉強してる時以上の真剣な顔をこちらに向ける。
だんだんとね、ちょっとずつね、この瞳に、伊沢くんに、惹かれていく自分がいる気がするの。
なんでだろう。
私にそこまでする理由なんてないはずなのに。
「あ...電話...」
二人きりでシーンとしたままの講義室に電話の着信音が響く。
私のスマホだ。
相手はきっと地元からはるばるこっちに来てくれてる彼氏だと思う。
「ははっ、出ていいよ。俺のことは気にせず」
「でも...」
「あ、俺が出ていけばいいのか。ごめんね、困らせて」
「待って」
「聞きたくないよ、好きな人と彼氏の会話なんて」
「外で待ってる」と言い残して彼は部屋を出ていった。
少し悲しかったのはなんでだろう。
かなりモヤモヤしたのはなんでだろう。
「待って」と引き止めたのは....なんでだろう。
「お待たせ」
「なんも待ってないよ」
「なんで外にいるの?寒いじゃん」
「んー...まぁ色々ね、考えちゃうなぁって。廊下にいたらさ」
私をちゃんと駅まで送り届けてすぐに背中を向けた彼がこちらを見ることなく手を振る。
そのあと彼氏と食べたちょっとお高いディナーの味はよく分からなかった。
「ありがとう」
「好き」
「あのさ...悪いんだけど」
「あー!!待って!俺OK以外の返事いらねぇから」
「ねぇ、これいつまで続くの?」
始まりは彼に出会って最初の誕生日だから、19歳の誕生日。
このお祝いを受けるのも4回目。
19歳になりたての私は、今日と同じように目の前の彼伊沢拓司にこの場所に呼び出されたのだ。
この場所ってそんな特別な場所じゃなくてただの大学の講義室。
「麗結が俺んこと好きになってくれるまで」
「ねぇ、それさ」
「俺諦めないよ?」
「それさ。私に彼氏がいるってわかってて言ってる?」
「くっそ悔しいけど頭では理解してる」と机に腰掛けて脚をブラブラさせてる。
私はこの男が嫌いではない。
むしろ顔はめちゃめちゃタイプだし、話していて楽しいし、たまにイラッとする時もあるけど優しいし。
ただ私には19歳の誕生日の前からずっと同じ彼氏がいるわけで、1回目から4回目の今日も同じ理由でこの話を終わらせるわけだ。
「でもさ、最初に麗結見た瞬間に思ったんだよ、俺この人のこと好きになる!ってさ」
「それは勘違いだよきっと」
「勘違いじゃねーよ!だって俺好きだもん、麗結のこと」
それは十分知ってる。
好きでもない友達にこんな女性物のブランド物をプレゼントするわけが無い。
わざわさ買いに行ってラッピングをしてもらって大学に持ってくるわけがない。
「伊沢くんも私なんかじゃなくてもっと可愛くて素敵な彼女...作ったらいいじゃない」
「...」
「ごめん」
「謝んないでよ、頼むから。麗結のこと好きじゃねぇなって思うまでは俺はこのままだし」
「でも...」
「それは俺が決めることであって麗結が決めることじゃない、でしょ?」
ブラブラ揺らしていた脚を見つめたまま目を伏せていた伊沢くんが勉強してる時以上の真剣な顔をこちらに向ける。
だんだんとね、ちょっとずつね、この瞳に、伊沢くんに、惹かれていく自分がいる気がするの。
なんでだろう。
私にそこまでする理由なんてないはずなのに。
「あ...電話...」
二人きりでシーンとしたままの講義室に電話の着信音が響く。
私のスマホだ。
相手はきっと地元からはるばるこっちに来てくれてる彼氏だと思う。
「ははっ、出ていいよ。俺のことは気にせず」
「でも...」
「あ、俺が出ていけばいいのか。ごめんね、困らせて」
「待って」
「聞きたくないよ、好きな人と彼氏の会話なんて」
「外で待ってる」と言い残して彼は部屋を出ていった。
少し悲しかったのはなんでだろう。
かなりモヤモヤしたのはなんでだろう。
「待って」と引き止めたのは....なんでだろう。
「お待たせ」
「なんも待ってないよ」
「なんで外にいるの?寒いじゃん」
「んー...まぁ色々ね、考えちゃうなぁって。廊下にいたらさ」
私をちゃんと駅まで送り届けてすぐに背中を向けた彼がこちらを見ることなく手を振る。
そのあと彼氏と食べたちょっとお高いディナーの味はよく分からなかった。