高級ステーキ / fkr
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31歳と書かれた文字からはちょっと目を逸らしながら、拳くんがスラスラと綴る文字をぼーっと見つめる。
「俺はなにか新しいことを始めたいかな」
「新しいことって?」
「んー、YouTubeを飛び出してもっと色んな人に影響を与えられるものかな」
「なんかぼーんやりしてるね」
「5年後に何が影響を与えそうかなんてその時にしか分かんないからこれでいいの。麗結ちゃんは?」
「私は...」
お母さんになっていたい、という夢がうっすら浮かんだけどこれは言葉にしなかった。拳くんのプレッシャーになってもいけないし、そういうことじゃないもんね、きっと。
「あんまりわかんないなぁ...」
「えぇ、なんでもいいのに。じゃあ俺は...」
彼がノートに書いた文字を見て、はっと息を飲んで拳くんの顔を見る。
目に映ったそれが現実とは到底思えなくてぱちぱちと瞬きをしてみたけど、文字は消えてない。
「男の子のパパになる...」
「えへへ、女の子でも嬉しいけど男の子が欲しいかな」
「...でもまだ結婚が...」
私と同じ気持ち、ってことが嬉しくて全然関係ないことを言ってしまう。
突然5年後なんていうから、いつ拳くんと家族になれるのかとか分からないままだもん。
「麗結ちゃん欲しがりだねぇ」
「えっ、だって」
「結婚はね、1年後くらいにする予定なんだけどねぇ...まだ未定!」
「...同棲したら嫌なところが見えるかもしれないもんね」
「え?違うよ!逆!」
5年後を書いたページから、ページを前に遡るとどの辺かなぁと、フラフラしてる拳くん。
「麗結ちゃんがどれだけ一緒に過ごしても理想の人すぎてさ、1年後まで待てるかどうか...節目は全部記念日にやりたいんだけど...」なんて笑ってしまいそうな幸せすぎる心配を本気でしてる。
「気持ち的には明日にでもプロポーズしたいんだけどね...」
「高級ステーキ屋さんで?」
「ああ、それいいかもね。高級ステーキのような特別な日々をこれからも俺にくださいって」
「なにそれ、嫌なんだけど!」
「我ながら結構良くない?でも明日じゃないなぁ、残念」
視界に広がるのはダンボールの山。
本当はすぐに片付けたいんだけど、いつの間にか大好きな君のペースに飲まれてた。
きっと、これからも、君だから、君とだからこれでいいやってことばっかなんだろうな。
「高級じゃなくてもいいもん、ステーキじゃなくてもいいよ。拳くんとなら」
「スーパーで買った特売のお肉みたいな日々でも?」
「それどんな日々?」
俺もわかんない、って微笑む彼をたまらず抱きしめる。
夕焼けが部屋を照らしていた。
「俺はなにか新しいことを始めたいかな」
「新しいことって?」
「んー、YouTubeを飛び出してもっと色んな人に影響を与えられるものかな」
「なんかぼーんやりしてるね」
「5年後に何が影響を与えそうかなんてその時にしか分かんないからこれでいいの。麗結ちゃんは?」
「私は...」
お母さんになっていたい、という夢がうっすら浮かんだけどこれは言葉にしなかった。拳くんのプレッシャーになってもいけないし、そういうことじゃないもんね、きっと。
「あんまりわかんないなぁ...」
「えぇ、なんでもいいのに。じゃあ俺は...」
彼がノートに書いた文字を見て、はっと息を飲んで拳くんの顔を見る。
目に映ったそれが現実とは到底思えなくてぱちぱちと瞬きをしてみたけど、文字は消えてない。
「男の子のパパになる...」
「えへへ、女の子でも嬉しいけど男の子が欲しいかな」
「...でもまだ結婚が...」
私と同じ気持ち、ってことが嬉しくて全然関係ないことを言ってしまう。
突然5年後なんていうから、いつ拳くんと家族になれるのかとか分からないままだもん。
「麗結ちゃん欲しがりだねぇ」
「えっ、だって」
「結婚はね、1年後くらいにする予定なんだけどねぇ...まだ未定!」
「...同棲したら嫌なところが見えるかもしれないもんね」
「え?違うよ!逆!」
5年後を書いたページから、ページを前に遡るとどの辺かなぁと、フラフラしてる拳くん。
「麗結ちゃんがどれだけ一緒に過ごしても理想の人すぎてさ、1年後まで待てるかどうか...節目は全部記念日にやりたいんだけど...」なんて笑ってしまいそうな幸せすぎる心配を本気でしてる。
「気持ち的には明日にでもプロポーズしたいんだけどね...」
「高級ステーキ屋さんで?」
「ああ、それいいかもね。高級ステーキのような特別な日々をこれからも俺にくださいって」
「なにそれ、嫌なんだけど!」
「我ながら結構良くない?でも明日じゃないなぁ、残念」
視界に広がるのはダンボールの山。
本当はすぐに片付けたいんだけど、いつの間にか大好きな君のペースに飲まれてた。
きっと、これからも、君だから、君とだからこれでいいやってことばっかなんだろうな。
「高級じゃなくてもいいもん、ステーキじゃなくてもいいよ。拳くんとなら」
「スーパーで買った特売のお肉みたいな日々でも?」
「それどんな日々?」
俺もわかんない、って微笑む彼をたまらず抱きしめる。
夕焼けが部屋を照らしていた。