困った奴 / izw
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トントンと俺一人の編集部屋のドアがノックされる。
入ってきたのは麗結さん、と川上。
なんだよ、とガッカリした顔を今度は出さないように細心の注意を払ったけど実際どうだったかは俺には判断できない。
「伊沢さん!伊沢さん!私記事書いたんです!見てください!」
「おうおう、わかったわかった」
心のどこかで彼女が来るのを心待ちにしていたくせに、相変わらずな彼女からのアピールに気持ちが乗り切れないまま少し引いてしまう。
一歩後ろの川上が「なんか山本と色々やってたので僕はチェックしたんですけど」と付け加える。
「川上さんがチェックしてくれたので完璧な状態ですよ!ね?」なんて彼女が川上にアイコンタクトをとると、「ね」って川上がらしくもなくニコッと笑って応えた。
なんなんだ。
俺へのあてつけか?そうとしか思えない。
「...ん、じゃあこれはあとで見とくわ」
「え?今見てくれたら俺すぐに公開作業...」
「今忙しいんだわ。麗結さんの相手もしないといけないし」
そう言った瞬間、彼女の目がキラキラと輝いて俺の方を見る。
俺のことが好きなんだろ?
ほかの男と俺以上に仲良くなるなよ。
嫉妬ではない、俺はプライベートをここに持ち込むつもりはないし、俺は彼女のことが好きではない、好きではない。
「ありがと。あとは俺がやるから」
「そうですか、大変そうなので変わろうと思ったんすけど...」
「川上も大変だろ。たまには休め」
「じゃあお言葉に甘えて...」
すみません、と頭を軽く下げた川上は彼女に触れることなく部屋を出ていった。
ぱたりとドアが閉まるとやっと麗結さんと二人きり。
何を求めているのか自分でも分からないが、ほっと一安心。
「初めて伊沢さんにお仕事教えていただけるんですね!やったぁ!」
「山本川上と仲良くなったんだね」
「お二人共とっても親切で!分からないことも聞きやすいですし教え方もとっても優しかったのですぐ!」
そんなキラキラした顔で教えてなんて言われたら気合い入れて教えたくなるわ。一生懸命で素直で、彼女はとても可愛い。
「仲良くなるのはいいけど、ここは仕事場だからね」
「わかってますよ!私だってそれなりの覚悟を持って...」
「ほかのメンバーにばっかりいい顔すんなよ?」
「え?」
「...麗結は俺のことだけ見てればいい」
え?!と驚き顔をした彼女がその顔のままピタリと固まる。
間抜けな顔すらも愛おしいな。
そんなこと言ったら彼女はどんな顔をするだろうか。
あーあ、本当に困った奴だ。
麗結さんじゃなくて、俺のことね。
入ってきたのは麗結さん、と川上。
なんだよ、とガッカリした顔を今度は出さないように細心の注意を払ったけど実際どうだったかは俺には判断できない。
「伊沢さん!伊沢さん!私記事書いたんです!見てください!」
「おうおう、わかったわかった」
心のどこかで彼女が来るのを心待ちにしていたくせに、相変わらずな彼女からのアピールに気持ちが乗り切れないまま少し引いてしまう。
一歩後ろの川上が「なんか山本と色々やってたので僕はチェックしたんですけど」と付け加える。
「川上さんがチェックしてくれたので完璧な状態ですよ!ね?」なんて彼女が川上にアイコンタクトをとると、「ね」って川上がらしくもなくニコッと笑って応えた。
なんなんだ。
俺へのあてつけか?そうとしか思えない。
「...ん、じゃあこれはあとで見とくわ」
「え?今見てくれたら俺すぐに公開作業...」
「今忙しいんだわ。麗結さんの相手もしないといけないし」
そう言った瞬間、彼女の目がキラキラと輝いて俺の方を見る。
俺のことが好きなんだろ?
ほかの男と俺以上に仲良くなるなよ。
嫉妬ではない、俺はプライベートをここに持ち込むつもりはないし、俺は彼女のことが好きではない、好きではない。
「ありがと。あとは俺がやるから」
「そうですか、大変そうなので変わろうと思ったんすけど...」
「川上も大変だろ。たまには休め」
「じゃあお言葉に甘えて...」
すみません、と頭を軽く下げた川上は彼女に触れることなく部屋を出ていった。
ぱたりとドアが閉まるとやっと麗結さんと二人きり。
何を求めているのか自分でも分からないが、ほっと一安心。
「初めて伊沢さんにお仕事教えていただけるんですね!やったぁ!」
「山本川上と仲良くなったんだね」
「お二人共とっても親切で!分からないことも聞きやすいですし教え方もとっても優しかったのですぐ!」
そんなキラキラした顔で教えてなんて言われたら気合い入れて教えたくなるわ。一生懸命で素直で、彼女はとても可愛い。
「仲良くなるのはいいけど、ここは仕事場だからね」
「わかってますよ!私だってそれなりの覚悟を持って...」
「ほかのメンバーにばっかりいい顔すんなよ?」
「え?」
「...麗結は俺のことだけ見てればいい」
え?!と驚き顔をした彼女がその顔のままピタリと固まる。
間抜けな顔すらも愛おしいな。
そんなこと言ったら彼女はどんな顔をするだろうか。
あーあ、本当に困った奴だ。
麗結さんじゃなくて、俺のことね。