キャンディ / kwkm
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純粋な恋をしている。
いや、純粋に恋をしていた。
しかし
その恋は、少しするところっと叶わない恋に変わってしまった。
初めて恋をした日のことを、今でも鮮明に覚えている。
だってその日は、憧れの人が卒業してしまう日だったから。
そして、初めて男の人に抱かれた日だから。
彼のモノが私の中を貫いた時、自然と涙が流れた。
それは多分、想像を絶する痛みだったから。
そうだと思っている、そういうことにしている。
「ごめんな」
初めての行為は思ったよりもすぐ終わった。
彼は私からすぐに身体を離すとそう言った。
それは多分、私が泣いていたから。
そうだと思っている、そういうことにしている。
「また会わへん?麗結がよければやけど」
私の好意を知ってか知らずか、拓朗先輩はそう言った。結構高いんだなぁと思いながら先輩のお会計を見つめて、ホテルを出てすぐのことだった。
恋人関係でもない男女が先に身体を重ねてしまうなんておかしい、ということは恋愛未経験の私でも分かっていたけれど、私の身体を求め必死な先輩を見て「私を求めてくれている」と思ったのだ。
「先輩...私って...」
「ん、手出して」
「手...?」
「麗結手繋いだことないん?」
駅までの短い道のりは先輩に手を半ば強引に繋がれて歩いた。これは恋人繋ぎ。私たちそういう関係になったのかな。先輩も私のことが好きなのかな。
先輩と繋がっていたそこはジンジンと痛んでいたけれど、そんなこと気にならないくらいドキドキしていた。浮かれていた。
「先輩」
「拓朗。ね?」
「えっ、でも...」
「もう俺卒業したし。先輩とかいう関係やないやろ」
「それって...私たち...」
付き合うってこと?と喉のそこまで出かかった。出かかったというより言おうとしたのだけど先輩の優しいキスに塞がれてしまったのだ。
「可愛かった」
いくら人が少ないと言っても、駅前だからチラホラ人は歩いてたのに。躊躇いもなくキスをして私を自分の胸に抱き寄せる。
この言葉によって私はあっさり拓朗に落ちたのだ。
・
「あ、髪短くなった」
「今美容院行ってきたの」
「へぇー...ええやん。似合ってる」
この関係がなんなのか聞けないまま半年がたった頃。私たちは至って普通に恋人のような生活をしていた。
ような、というのは私が恋愛未経験で恋人生活が分からなかったのと少し違和感を感じていたからなのだが、その違和感も彼と会えなくなることが怖くて何も言い出せない自分のせいなのだと解釈していた。
「それでね、友達がね」
「うん」
「こっちの方がいいよって言ったんだけど、拓朗はどう思う?」
「どっちでもええんやない」
「...どっちでも?」
「...んー...麗結の好きな方で」
違和感はいくつかあったけれど、特に気になっているのはデートの時間が必ず夕飯からだっていうのと、私が話していても上の空であんまり楽しそうじゃないこと。
まあ社会人は学生と違って疲れるだろうし、私の話がつまらないと言ってしまえばそれまでなんだけど。
いや、純粋に恋をしていた。
しかし
その恋は、少しするところっと叶わない恋に変わってしまった。
初めて恋をした日のことを、今でも鮮明に覚えている。
だってその日は、憧れの人が卒業してしまう日だったから。
そして、初めて男の人に抱かれた日だから。
彼のモノが私の中を貫いた時、自然と涙が流れた。
それは多分、想像を絶する痛みだったから。
そうだと思っている、そういうことにしている。
「ごめんな」
初めての行為は思ったよりもすぐ終わった。
彼は私からすぐに身体を離すとそう言った。
それは多分、私が泣いていたから。
そうだと思っている、そういうことにしている。
「また会わへん?麗結がよければやけど」
私の好意を知ってか知らずか、拓朗先輩はそう言った。結構高いんだなぁと思いながら先輩のお会計を見つめて、ホテルを出てすぐのことだった。
恋人関係でもない男女が先に身体を重ねてしまうなんておかしい、ということは恋愛未経験の私でも分かっていたけれど、私の身体を求め必死な先輩を見て「私を求めてくれている」と思ったのだ。
「先輩...私って...」
「ん、手出して」
「手...?」
「麗結手繋いだことないん?」
駅までの短い道のりは先輩に手を半ば強引に繋がれて歩いた。これは恋人繋ぎ。私たちそういう関係になったのかな。先輩も私のことが好きなのかな。
先輩と繋がっていたそこはジンジンと痛んでいたけれど、そんなこと気にならないくらいドキドキしていた。浮かれていた。
「先輩」
「拓朗。ね?」
「えっ、でも...」
「もう俺卒業したし。先輩とかいう関係やないやろ」
「それって...私たち...」
付き合うってこと?と喉のそこまで出かかった。出かかったというより言おうとしたのだけど先輩の優しいキスに塞がれてしまったのだ。
「可愛かった」
いくら人が少ないと言っても、駅前だからチラホラ人は歩いてたのに。躊躇いもなくキスをして私を自分の胸に抱き寄せる。
この言葉によって私はあっさり拓朗に落ちたのだ。
・
「あ、髪短くなった」
「今美容院行ってきたの」
「へぇー...ええやん。似合ってる」
この関係がなんなのか聞けないまま半年がたった頃。私たちは至って普通に恋人のような生活をしていた。
ような、というのは私が恋愛未経験で恋人生活が分からなかったのと少し違和感を感じていたからなのだが、その違和感も彼と会えなくなることが怖くて何も言い出せない自分のせいなのだと解釈していた。
「それでね、友達がね」
「うん」
「こっちの方がいいよって言ったんだけど、拓朗はどう思う?」
「どっちでもええんやない」
「...どっちでも?」
「...んー...麗結の好きな方で」
違和感はいくつかあったけれど、特に気になっているのはデートの時間が必ず夕飯からだっていうのと、私が話していても上の空であんまり楽しそうじゃないこと。
まあ社会人は学生と違って疲れるだろうし、私の話がつまらないと言ってしまえばそれまでなんだけど。