半径10メーターの世界
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こういうとき、人は何も言えない、何も動けない、ということを知った。
よくニュースとかで、女の人が誘拐されて殺されてとかいう話題があるけど、こりゃ逃げられないし声も出ないわ。
制服は乱れてぐちゃぐちゃ。
不思議と拓朗から目が離さなかった。
もし本当に死ぬとするなら、その原因の私が見届けて一生背負わなきゃという無駄な決意があったからだと思う。
「死なないでとか言わんの?」
「...」
「まあ嘘だけどね」
「嘘...?」
ナイフをまたテーブルに置くと、「ごめんな」って手を差し伸べてくれたから、手を取って引き上げてもらう。
よく考えたら、このまま私が刺されてたかもなって今になって怖くなる。
「やっぱ...今日は無理だわ。ごめ、また明日家で話さね?」
「家は...ちょっと...」
「お願い、なんもしない」
「でも...」
「まあもう信じてもらえんよね...ならいいけど」
乱れた制服をなんとか直して、スカートについたゴミやらを手で払う。
その間に彼はナイフを引き出しに戻していた。
「俺死ねなかったわ、弱すぎ」
「そんなことない!」
「そういう優しさとかいらないから、俺もう信じられてないしね」
「...分かったよ...明日...」
「...来てくれるん?」
「...うん」
どうせ、乱暴に1回やることやって捨てられるんだ。
軽い考えはしちゃダメだって、私は本当に学習しない。
拓朗は「よかった」と疲れた顔で笑って、「じゃあ俺は窓から出るから」と窓の方を指さして私が出ていくのを見送った。
よくニュースとかで、女の人が誘拐されて殺されてとかいう話題があるけど、こりゃ逃げられないし声も出ないわ。
制服は乱れてぐちゃぐちゃ。
不思議と拓朗から目が離さなかった。
もし本当に死ぬとするなら、その原因の私が見届けて一生背負わなきゃという無駄な決意があったからだと思う。
「死なないでとか言わんの?」
「...」
「まあ嘘だけどね」
「嘘...?」
ナイフをまたテーブルに置くと、「ごめんな」って手を差し伸べてくれたから、手を取って引き上げてもらう。
よく考えたら、このまま私が刺されてたかもなって今になって怖くなる。
「やっぱ...今日は無理だわ。ごめ、また明日家で話さね?」
「家は...ちょっと...」
「お願い、なんもしない」
「でも...」
「まあもう信じてもらえんよね...ならいいけど」
乱れた制服をなんとか直して、スカートについたゴミやらを手で払う。
その間に彼はナイフを引き出しに戻していた。
「俺死ねなかったわ、弱すぎ」
「そんなことない!」
「そういう優しさとかいらないから、俺もう信じられてないしね」
「...分かったよ...明日...」
「...来てくれるん?」
「...うん」
どうせ、乱暴に1回やることやって捨てられるんだ。
軽い考えはしちゃダメだって、私は本当に学習しない。
拓朗は「よかった」と疲れた顔で笑って、「じゃあ俺は窓から出るから」と窓の方を指さして私が出ていくのを見送った。
32/32ページ