｢ちょっと...！！｣


すぐに拓司に手首を掴まれて、諦めて足を止める。


｢ねぇ、彼氏に脅されてんの？｣
｢脅す...？｣
｢だって...おかしいでしょ。死ねなんて...｣
｢....拓朗は...私のこと好きで...｣
｢それは違う！こんなん脅しだろ？！ほんとに拓朗のことすきなの？！｣
｢好きだよ！拓司は私と別れさせたいからそう思うんでしょ？！｣


【別れよ】

【ねえなんで返信してくんないの】

【そんなに俺に死んで欲しいの？】

【わかったよ】

【俺ってそういう存在だったんだね】

【俺は好きだったんだけどね】

【返信してよ】

【やっぱり幼なじみなんかじゃないじゃん】

【俺は死ぬ】


こんなことしてる間にも、絶え間なく拓朗からのLINEは続いてて画面が光り続ける。

別れる？私は拓朗のことがすきなのに？


｢待って！！返信しないと！拓朗がっ...｣
｢だめ！別れた方がいいこのままでいい！｣


拓司がスマホを力ずくで私の手から離す。
周りの目なんて気にしないで叫んだ。
私が悪いんだから、私のせいなんだから。


｢なんで拓司がそんなこと決めるの？！ねえ！離して！！！｣
｢麗結...落ち着いて｣
｢落ち着いてる...拓司貸して...｣
｢わかった...｣


【もう終わりだね】

【ありがとう】

【俺は言ったことはちゃんとやる男だから】


｢まって...｣


そう返信しても、返事はなかった。

本当に死んでしまったらどうしよう。
ただ、ただそれだけが頭の中をぐるぐるして、おかしくなりそうだった。


｢大丈夫。お互い落ち着いて...｣
｢どうしてくれるの...ひどいよ...｣
｢俺は...好きだから...｣
｢何その自分勝手な理由！拓司とまた会っちゃったせいだよ？！...ほんとに最悪｣
｢それはごめん...｣
｢今更謝られても遅いよ！拓司なんて嫌い！！｣


落ち着いてるなんて嘘だ。

感情的になって、そう言ってしまったんだ。

拓司は悲しそうに俯いて、｢そっか｣とだけこぼして私を置いて歩いていった。