半径10メーターの世界
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「麗結~!帰ろ!」
それから数日して、拓司が退院した。
「やっとだー!!」って嬉しそうなLINEが届いてた。
今日はお祝いも兼ねてちょっと会おうかなって思ってたんだけど、拓朗はどんな顔するかな。
今日もいつも通り、私の教室まで迎えに来てくれる拓朗は、私のクラスの子にもちゃんと認知されてて「麗結呼ばれてるよ?」なんて報告までされちゃう。
「拓朗...?」
「ん?どした?」
「今日...拓司...あ!この前の入院してた幼なじみ!がね退院したの」
「へー」
全然興味のなさそうな返事。
いつもの様に自転車のカゴに荷物を入れると私の荷物もカゴに入れてくれる。
「一緒に..拓朗もあってくれない?」
「ふっ...俺が彼氏ですって紹介してくれんの?」
「...うん...拓司はほんとになんもなくて...拓朗とも仲良くなれると思うの...」
こうでもしないと、もう拓司には会えない気がした。
今考えたら本当にバカだなぁって思うの。
別に拓朗に縛られなくても、拓司に会う方法なんていくつもあったのに。
この頃の私は、この半径数メートルの世界が全てで。
拓朗が全てで。
彼がいいことが、よかった。
彼の嫌なことは、嫌だと思っていた。
「ま、麗結がそういうなら行くか?」
「え?!いいの?!」
「ん、俺の事一瞬でも認識したらそいつも手出せねぇだろ」
ご機嫌そうな拓朗はそう言って笑うと、学校の近くにある和菓子屋さんで最近ハマってるという栗どら焼きを3つ買うと「退院祝い」って袋を掲げた。
拓朗は本当に私のことを愛してくれていた。
だから、私の幼なじみにもこうして優しくしてくれようとしていたんだと思う。
「なんで?笑」
拓朗と待ち合わせ場所に行くと、拓司は困ったように笑ってて、「俺の麗結がお世話になってるみたいで」と拓朗がドヤ顔してたのが面白かった。
「拓朗です」
「紹介されなくてもわかるわ!」
「もう大丈夫なの?」
「一応運動は禁止されてる、多分大丈夫なんだけどね」
退院したばかりだと言うのに、拓司はなにも変わってなくて元気そうだった。
たまに腕が痛そうな素振りをしてたけど、それ以外は普通だった。
「え!うま!」
栗どら焼きも美味しそうに頬張ってた。
それから数日して、拓司が退院した。
「やっとだー!!」って嬉しそうなLINEが届いてた。
今日はお祝いも兼ねてちょっと会おうかなって思ってたんだけど、拓朗はどんな顔するかな。
今日もいつも通り、私の教室まで迎えに来てくれる拓朗は、私のクラスの子にもちゃんと認知されてて「麗結呼ばれてるよ?」なんて報告までされちゃう。
「拓朗...?」
「ん?どした?」
「今日...拓司...あ!この前の入院してた幼なじみ!がね退院したの」
「へー」
全然興味のなさそうな返事。
いつもの様に自転車のカゴに荷物を入れると私の荷物もカゴに入れてくれる。
「一緒に..拓朗もあってくれない?」
「ふっ...俺が彼氏ですって紹介してくれんの?」
「...うん...拓司はほんとになんもなくて...拓朗とも仲良くなれると思うの...」
こうでもしないと、もう拓司には会えない気がした。
今考えたら本当にバカだなぁって思うの。
別に拓朗に縛られなくても、拓司に会う方法なんていくつもあったのに。
この頃の私は、この半径数メートルの世界が全てで。
拓朗が全てで。
彼がいいことが、よかった。
彼の嫌なことは、嫌だと思っていた。
「ま、麗結がそういうなら行くか?」
「え?!いいの?!」
「ん、俺の事一瞬でも認識したらそいつも手出せねぇだろ」
ご機嫌そうな拓朗はそう言って笑うと、学校の近くにある和菓子屋さんで最近ハマってるという栗どら焼きを3つ買うと「退院祝い」って袋を掲げた。
拓朗は本当に私のことを愛してくれていた。
だから、私の幼なじみにもこうして優しくしてくれようとしていたんだと思う。
「なんで?笑」
拓朗と待ち合わせ場所に行くと、拓司は困ったように笑ってて、「俺の麗結がお世話になってるみたいで」と拓朗がドヤ顔してたのが面白かった。
「拓朗です」
「紹介されなくてもわかるわ!」
「もう大丈夫なの?」
「一応運動は禁止されてる、多分大丈夫なんだけどね」
退院したばかりだと言うのに、拓司はなにも変わってなくて元気そうだった。
たまに腕が痛そうな素振りをしてたけど、それ以外は普通だった。
「え!うま!」
栗どら焼きも美味しそうに頬張ってた。