半径10メーターの世界
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「おはよ~」
ふわぁって大きな口を開けて欠伸をする彼は、昨日夜遅くまでお友達とゲームをしていたらしい。
「眠そうだね、相当」
「んー...最近勉強ばっかだからたまには遊ぼうぜってなったんだけどさー...遊びすぎたぁ...」
今日は絶対寝る!!って良くない誓いを立てている悪い子拓朗もかっこいい。
「ちゃんと勉強しなきゃだめだよ?」ってかるーく注意しながら、下駄箱で別れる。
自分の席について、本当は校内で出すのを禁止されているスマートフォンをこっそり見るとお母さんからのLINEが来ていた。
こんなこと滅多にない。
お弁当を忘れたわけじゃないし、特に何も思い当たることがなかった。
【拓司くん事故にあったって】
えっ...??
拓司くんが事故にあった。
拓司くんが事故...拓司くんって誰?
拓司って私が知ってる拓司のこと?
「麗結ー、課題やった?多すぎじゃなーい?」
まだ前の席の子が来てなかったから、前の子の席に勝手に座った親友が何かを話していたけどあんまり覚えていない。
事故と言っても色々あるじゃん。
ただ不注意でかるくぶつかったとかさ。
自転車でコケただけとかさ。
【トラックとぶつかったみたい...元気みたいだから良かったね】
【元気?】
なーんだ、元気なのか。
じゃあなんでこんな深刻そうにLINEをしてきたんだろう。
【でも病院にいるらしいから暇なら行ってあげてって】
なんて拓司のお母さんから送られてきたであろう伝言を最後にLINEは途切れた。
元気だと聞いても、なんだか嫌な予感が心の中でモヤモヤして消えなかった。
その日学校であったことは覚えていない。
いつものように拓朗が迎えに来てくれたけど「市民病院に行く」と言って断った。
「なんか最近お前変じゃない?」
「...ごめんね」
「俺も行っていい?」
「...だめ、拓朗には関係ないから...」
「わーったよ...」
この前までなら、下駄箱まで、いや、駅までは一緒に帰ったのに。
この日は何故かそのまま背を向けて彼は帰ってしまった。
当たり前の幸せが少しずつ、少しずつ崩れていく音が聞こえた気がした。
ふわぁって大きな口を開けて欠伸をする彼は、昨日夜遅くまでお友達とゲームをしていたらしい。
「眠そうだね、相当」
「んー...最近勉強ばっかだからたまには遊ぼうぜってなったんだけどさー...遊びすぎたぁ...」
今日は絶対寝る!!って良くない誓いを立てている悪い子拓朗もかっこいい。
「ちゃんと勉強しなきゃだめだよ?」ってかるーく注意しながら、下駄箱で別れる。
自分の席について、本当は校内で出すのを禁止されているスマートフォンをこっそり見るとお母さんからのLINEが来ていた。
こんなこと滅多にない。
お弁当を忘れたわけじゃないし、特に何も思い当たることがなかった。
【拓司くん事故にあったって】
えっ...??
拓司くんが事故にあった。
拓司くんが事故...拓司くんって誰?
拓司って私が知ってる拓司のこと?
「麗結ー、課題やった?多すぎじゃなーい?」
まだ前の席の子が来てなかったから、前の子の席に勝手に座った親友が何かを話していたけどあんまり覚えていない。
事故と言っても色々あるじゃん。
ただ不注意でかるくぶつかったとかさ。
自転車でコケただけとかさ。
【トラックとぶつかったみたい...元気みたいだから良かったね】
【元気?】
なーんだ、元気なのか。
じゃあなんでこんな深刻そうにLINEをしてきたんだろう。
【でも病院にいるらしいから暇なら行ってあげてって】
なんて拓司のお母さんから送られてきたであろう伝言を最後にLINEは途切れた。
元気だと聞いても、なんだか嫌な予感が心の中でモヤモヤして消えなかった。
その日学校であったことは覚えていない。
いつものように拓朗が迎えに来てくれたけど「市民病院に行く」と言って断った。
「なんか最近お前変じゃない?」
「...ごめんね」
「俺も行っていい?」
「...だめ、拓朗には関係ないから...」
「わーったよ...」
この前までなら、下駄箱まで、いや、駅までは一緒に帰ったのに。
この日は何故かそのまま背を向けて彼は帰ってしまった。
当たり前の幸せが少しずつ、少しずつ崩れていく音が聞こえた気がした。