半径10メーターの世界
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部屋に入って紙袋の中を見てみると、箱がふたつ入っていた。
ひとつを開けると、そこにはクッキーが入っていて形はちょっといびつだけど一生懸命作ってくれたのかなって思うと心があったかくなった。
不器用な拓司が必死になって作ってる姿が簡単に想像できる。
1つ口に入れてみると、口にあまさが一気に広がって幸せな気分になる。
誕生日ってこんなに幸せでいいのかな。
もうひとつの箱を開けようと持ち上げた時、ちょっと重たくてなんだろうってワクワクした。
「ん?」
出てきたのはオシャレに表面が彫られた木の箱で、開けてみると半分がオルゴールで半分が小物入れになっていた。
クルクルとネジを回すと、ちょっと前に流行っていた私の好きな曲が流れた。
ああ、そうだ...
小学校の時に好きだって言った曲だ。
覚えててくれたんだ。
小物入れの部分に入っていた小さな封筒を手に取ると中には手紙が入っていた。
“誕生日おめでとう。
俺は麗結が好きです。”
たったそれだけが書かれていて、ちょっとだけ頭が真っ白になった。
これって告白かな?
久々に再会したあの日もそんなようなこといってたもんね....なんて返事しよう。
【麗結~風呂出たらねむすぎ~】
拓司のことを考えているのが見透かされているように、拓朗からのLINE。
こうやって他愛もない、ほかの人からしたらなんでそんなこと報告するの?!って話もLINEでしてるの。
【今日はありがとう!!ネックレス大切にするね】
【うん、明日してきてよ】
【え?それはダメだよー!!】
【なんでよ、バレないよ】
そういう問題じゃないって...。
3年生なのにこんなこと後輩に教えていいんか!!
でも持ってないとなんで?!って言われそうだから、もらった袋に入れてカバンに入れておこう。
今日が終わってしまうのが最高に寂しいけれど、明日も楽しく過ごせたらいいなって部屋の電気を消した。
この日常を繋ぎたいと思っていたのに。
別に特別なことなんて何一つ望んでいなかったのに。
当たり前のことが当たり前であって欲しいと願っただけなのに。
平和だった日々は、あの事故によって一瞬で崩れ去ったんだ。
ひとつを開けると、そこにはクッキーが入っていて形はちょっといびつだけど一生懸命作ってくれたのかなって思うと心があったかくなった。
不器用な拓司が必死になって作ってる姿が簡単に想像できる。
1つ口に入れてみると、口にあまさが一気に広がって幸せな気分になる。
誕生日ってこんなに幸せでいいのかな。
もうひとつの箱を開けようと持ち上げた時、ちょっと重たくてなんだろうってワクワクした。
「ん?」
出てきたのはオシャレに表面が彫られた木の箱で、開けてみると半分がオルゴールで半分が小物入れになっていた。
クルクルとネジを回すと、ちょっと前に流行っていた私の好きな曲が流れた。
ああ、そうだ...
小学校の時に好きだって言った曲だ。
覚えててくれたんだ。
小物入れの部分に入っていた小さな封筒を手に取ると中には手紙が入っていた。
“誕生日おめでとう。
俺は麗結が好きです。”
たったそれだけが書かれていて、ちょっとだけ頭が真っ白になった。
これって告白かな?
久々に再会したあの日もそんなようなこといってたもんね....なんて返事しよう。
【麗結~風呂出たらねむすぎ~】
拓司のことを考えているのが見透かされているように、拓朗からのLINE。
こうやって他愛もない、ほかの人からしたらなんでそんなこと報告するの?!って話もLINEでしてるの。
【今日はありがとう!!ネックレス大切にするね】
【うん、明日してきてよ】
【え?それはダメだよー!!】
【なんでよ、バレないよ】
そういう問題じゃないって...。
3年生なのにこんなこと後輩に教えていいんか!!
でも持ってないとなんで?!って言われそうだから、もらった袋に入れてカバンに入れておこう。
今日が終わってしまうのが最高に寂しいけれど、明日も楽しく過ごせたらいいなって部屋の電気を消した。
この日常を繋ぎたいと思っていたのに。
別に特別なことなんて何一つ望んでいなかったのに。
当たり前のことが当たり前であって欲しいと願っただけなのに。
平和だった日々は、あの事故によって一瞬で崩れ去ったんだ。