それはそれは真面目でドライな付き合いになるんだろうなぁ、と電車での帰宅途中、彼からのLINEを読んで思った。


【いきなり告白なんてしてすみませんでした。やっとふたりきりになれたので今日しかないと思って考えなしでした。でも僕本気で麗結さんのこと好きなのでこれからよろしくお願いします。】


これがたった今とはいえど、彼女になった人に送るLINEかい。

お互い忙しいし、会えるのは多分変わらずオフィスでの仕事が被った時だけなんだろうけど、少し楽しみで浮かれてた。



・


「あー、こうちゃんそれ美味しそう！」
「麗結ちゃん狙ってる？！これ俺のだからダメだよ？！」


私たちライター以上に頑張っている動画メンバーは忙しいし、尊敬という目で見すぎてしまってあまり仲良くなれないんだけど同い年なこうちゃんだけは違う。

だって彼すっごい人懐っこくて、出会った瞬間タメ口だったし、お話しやすいんだもん。


なんで年上の川上さんは私にずっと敬語だったんだろう。
付き合うようになってやっと普通に話せるようになった。

ラブラブとは程遠いし、ほんとに私たち付き合ってる？って感じの関係だけど...


「ん？麗結さんそれ食べたいん？」
「川上さん！麗結ちゃんが食いしん坊だからいっつも俺のおやつ狙ってんの！」
「違うよ！こうちゃんがいつも休憩中に美味しそうなもの食べてるからいいなぁって見てるだけ！」
「俺いつも1口あげてるじゃん！」


私たちの元気な言い争いを聞いてたのか聞いてなかったのか。

こうちゃんの持ってる小さなカップパフェをじーっと見つめてた川上さんは「俺出かけるってみんなに伝えて」と言い残して部屋を出ていった。


「ん？川上さんどうしたんだろ？」
「川上さんもお腹すいたんじゃない？」
「麗結ちゃん彼氏でしょ！なんで川上さんなんてよそよそしい感じで呼んでんのさ！」
「今は仕事中でしょ？」
「うっわ！惚気？ねぇ！普段は別の呼び方してんの？！」
「普通に仕事終わっても川上さんだよ？」
「なんだよー！期待した！」


結局、優しいこうちゃんから1口パフェをもらって大満足。