麗結は大切な友達だ。

彼女と上手くいかなくなってから出会った、彼女の話を包み隠さず話せる大切な存在だ。

そして彼女はとても優しい。

俺の話をいつも親身に聞いてくれる。
俺の話を笑顔で聞いてくれる。
俺のことを見捨てないで、意見をしっかり言ってくれる。


気づいたら、彼女の愚痴を話しながら

「麗結のことが好きなんじゃないか」

と思っている自分がいた。


彼女は可愛いし、胸はでかいし俺には申し分のない子だ。

しかし、麗結はどうだ。
可愛いし、話が合うし、話も聞いてくれるし、優しいし？


ただ、こんな俺の事を麗結が好きなわけがない。


というのが俺の考えというか、周りの人が見てもこんな俺が彼女に好意を持って貰えるわけがない。


友達にひたすら彼女の愚痴を言い続けたし、

麗結からしたら俺は立派な浮気者だ。

そんな男と付き合いたいと思うわけがない。

俺はクズだ。



彼女と会えなくなってしまうのが嫌で、彼女とダラダラと関係を繋ぎながら「友達だから会おう」「友達だから大切」と都合のいい関係を続けてきた。

こんなことを言っても誰も理解してくれないだろうけど

彼女と別れないのは、麗結と繋がり続けるためだったのかもしれない。


もう無理だと、彼女と別れてから、勇気をだして麗結をお気に入りの場所に連れて行ってみた。

勇気をだして彼女を抱きしめた、キスをした。


ちょっと期待してたんだ。

電話には必ず出てくれる。

呼んだらかなりの確率で来てくれる。

君ももしかしたら俺の事...なんてね。



「友達ってさ、キスするのかな？」



しないよ、と答えて欲しかった。


しないよ、と答えてくれると思っていた。


しないよ、と答えてくれたらさ....



「するんじゃない？...そういう友達ってことにしようよ」



そうか。
君は俺と友達以上の関係になる気はないみたいだ。

当然だ。

こんな俺なんかじゃね。

都合のいい関係を続けすぎたんだ。

もう手遅れだったんだ。



「それもそうだな」



しないよ、と答えてくれたらさ、「もう友達なんてやめようよ」と言えたはずなんだ。


俺達はこれからも友達だ。