ep.23 友達って。/ kwkm
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私と拓朗は友達だ。
友達よりは少しお互いのことをよく知ってる、くらいの関係だ。
私達はとても都合のいい関係だ。
「来てくれてありがとね」
夜11時。
場所は拓朗の家の最寄り駅。
って言っても、拓朗の家は知らない。
拓朗が最寄り駅だと言ってるからそうなのだろう。
「麗結って電話したらすぐ出てくれるし、呼んだらかなりの確率で来てくれるしいい子だよね」
「拓朗といるのは楽しいからね」
「それは嬉しいね」とシートベルトをつけた彼が「麗結もしてね」と私のシートベルトを指さす。
明日は休みだし、何時でも相手は出来るし拓朗と一緒にいられるならそれが一番いい。
なのにさ、呼び出されて考えてるのはずっと彼女はいいのかなってこと。
彼女に内緒でこんなことしてていいの、ってこと。
私は拓朗にとって都合のいい女なんだ、ってこと。
「こんな友達がおって幸せ者やなぁ」
拓朗は口癖のようにこれを言う。
「ほんとにありがとう」
拓朗は口癖のようにこれを言う。
「こんな俺を見捨てないでくれて」
「こんな?」
「彼女の愚痴とかめっちゃ言ったやん?それにクズじゃん?」
「ははっ、確かにクズかもね。拓朗って」
こんな夜遅くに女の子を呼び出すなんて。
彼女がいながら夜の街をドライブなんて。
本当に男女の関係は何も無いけれど、何も無いなんて信じてもらえないね。
「それはウザイ」って自分で言ったくせに、私がクズって笑ったことに拗ねてる。
「どこ行くの?」
「ひーみつ」
「なんか危ない場所に連れてかれてる?」
「危ない場所ってなんや」
「私殺される?」
いつものドライブは、見慣れた同じ道を話が尽きるまでグルグル回るだけなのに、今日はどこかに向かっているようだ。
しかも走ってるのは山道。
真っ暗だから不安だし、知らない待ちだからさらに怖い。
「俺人殺すなら山なんて選ばないよ」
「笑いながら言うことじゃないでしょ笑」
「麗結も笑っとるやん!」
「着きましたよお嬢さん」って、車を停めたのは目的地とはとても思えないただの山道の途中。
「ちょっと登るけど着いてきて」
そう言って歩き出した彼の背中を追いかけた。
友達よりは少しお互いのことをよく知ってる、くらいの関係だ。
私達はとても都合のいい関係だ。
「来てくれてありがとね」
夜11時。
場所は拓朗の家の最寄り駅。
って言っても、拓朗の家は知らない。
拓朗が最寄り駅だと言ってるからそうなのだろう。
「麗結って電話したらすぐ出てくれるし、呼んだらかなりの確率で来てくれるしいい子だよね」
「拓朗といるのは楽しいからね」
「それは嬉しいね」とシートベルトをつけた彼が「麗結もしてね」と私のシートベルトを指さす。
明日は休みだし、何時でも相手は出来るし拓朗と一緒にいられるならそれが一番いい。
なのにさ、呼び出されて考えてるのはずっと彼女はいいのかなってこと。
彼女に内緒でこんなことしてていいの、ってこと。
私は拓朗にとって都合のいい女なんだ、ってこと。
「こんな友達がおって幸せ者やなぁ」
拓朗は口癖のようにこれを言う。
「ほんとにありがとう」
拓朗は口癖のようにこれを言う。
「こんな俺を見捨てないでくれて」
「こんな?」
「彼女の愚痴とかめっちゃ言ったやん?それにクズじゃん?」
「ははっ、確かにクズかもね。拓朗って」
こんな夜遅くに女の子を呼び出すなんて。
彼女がいながら夜の街をドライブなんて。
本当に男女の関係は何も無いけれど、何も無いなんて信じてもらえないね。
「それはウザイ」って自分で言ったくせに、私がクズって笑ったことに拗ねてる。
「どこ行くの?」
「ひーみつ」
「なんか危ない場所に連れてかれてる?」
「危ない場所ってなんや」
「私殺される?」
いつものドライブは、見慣れた同じ道を話が尽きるまでグルグル回るだけなのに、今日はどこかに向かっているようだ。
しかも走ってるのは山道。
真っ暗だから不安だし、知らない待ちだからさらに怖い。
「俺人殺すなら山なんて選ばないよ」
「笑いながら言うことじゃないでしょ笑」
「麗結も笑っとるやん!」
「着きましたよお嬢さん」って、車を停めたのは目的地とはとても思えないただの山道の途中。
「ちょっと登るけど着いてきて」
そう言って歩き出した彼の背中を追いかけた。