ep.19 たからもの。/ fkr
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「ないなぁ...」
嬉しかった半年前のことを思い浮かべながら、テレビ前やらキッチンやら今まで過去に置き忘れたところを見てみたけどやっぱり無い。
こんなの初めてだ。
貰ってから、外すべき時以外はずっとつけてたのに。
なんでどこに置いたかも分からなくなっちゃったんだろう。
泣きそうになりながらも色んなところをこれでもかってくらい漁る。
一気に部屋が散らかったけどこれはしょうがない。
見つからない方がやばい。
「どこいったんだろう...」
そんな時、どこかで見ているのかと疑いたくなるタイミングでけんくんからの電話。
なんて言おう。
素直に無くしちゃったって言うべきか。
それしかないよね、そんなの言ったら泣いてしまいそう。
自分が悪いのに。
「もしもし...」
『もしもーし。僕だけど』
「うん...」
『え?なんか元気なくない?調子悪いの?』
いつも優しい彼は1番に私の声がいつもと違うことに気づいてくれる。
そこまでは普通の人でもしてくれるかもしれないけど、「どうしたの?」じゃなくて、少し言い難い「調子悪いの?」って聞いてくれるのが彼の人より優しい優しさ。
「ううん...違うんだけど...」
『違うけどなんかあったの?』
「けんくんこそ、なんか用事あったから電話してくれたんじゃないの?」
『用事とかどうでもいいくらい麗結ちゃんの元気のなさが心配なんだけど。ちょっと待ってね...』
電話の向こうでガサガサと紙が擦れる音が聞こえる。
その後すぐに「ねぇーえ!ちょっと1時間くらい出てきていいー?」って少し遠い声が聞こえた。
『今からそっち行く。もう家にいるよね?なんか買ってって欲しいものとかある?』
「えっ...けんくん忙しいんじゃ...」
『大丈夫!のんびりしてただけだから!許可もとったし...いってきまーす!え?バックれじゃないって!...あ、ごめんね!社長に捕まった笑 今出たから』
ガチャという扉が閉まる音。
すたすたと歩く音は確かにこちらに向かってくれているみたい。
嬉しかった半年前のことを思い浮かべながら、テレビ前やらキッチンやら今まで過去に置き忘れたところを見てみたけどやっぱり無い。
こんなの初めてだ。
貰ってから、外すべき時以外はずっとつけてたのに。
なんでどこに置いたかも分からなくなっちゃったんだろう。
泣きそうになりながらも色んなところをこれでもかってくらい漁る。
一気に部屋が散らかったけどこれはしょうがない。
見つからない方がやばい。
「どこいったんだろう...」
そんな時、どこかで見ているのかと疑いたくなるタイミングでけんくんからの電話。
なんて言おう。
素直に無くしちゃったって言うべきか。
それしかないよね、そんなの言ったら泣いてしまいそう。
自分が悪いのに。
「もしもし...」
『もしもーし。僕だけど』
「うん...」
『え?なんか元気なくない?調子悪いの?』
いつも優しい彼は1番に私の声がいつもと違うことに気づいてくれる。
そこまでは普通の人でもしてくれるかもしれないけど、「どうしたの?」じゃなくて、少し言い難い「調子悪いの?」って聞いてくれるのが彼の人より優しい優しさ。
「ううん...違うんだけど...」
『違うけどなんかあったの?』
「けんくんこそ、なんか用事あったから電話してくれたんじゃないの?」
『用事とかどうでもいいくらい麗結ちゃんの元気のなさが心配なんだけど。ちょっと待ってね...』
電話の向こうでガサガサと紙が擦れる音が聞こえる。
その後すぐに「ねぇーえ!ちょっと1時間くらい出てきていいー?」って少し遠い声が聞こえた。
『今からそっち行く。もう家にいるよね?なんか買ってって欲しいものとかある?』
「えっ...けんくん忙しいんじゃ...」
『大丈夫!のんびりしてただけだから!許可もとったし...いってきまーす!え?バックれじゃないって!...あ、ごめんね!社長に捕まった笑 今出たから』
ガチャという扉が閉まる音。
すたすたと歩く音は確かにこちらに向かってくれているみたい。