ep.19 たからもの。/ fkr
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その日、事件は起こった。
いつものように仕事を終えて家に帰ってくると、右手の薬指につけているはずの指輪がない。
おっかしいなぁ、と思いながらも、朝化粧をした時に外してそのまま出かけてしまったことが今まで何度かあったから仕事中気づかなかっただけできっとそれだという余裕があった。
カバンを置いて、洗面台に向かう。
いつも指輪を外しておく場所に探しもののそれはなかった。
ここで初めて焦りを感じた。
指輪だから付けていて落ちるということはないはず。
となると、どこに置いたか忘れたということになる。
そんなの最低じゃん。
どうしよう、けんくんになんて言おう。
・
・
「どうしたの?急に」
「もしかして忙しかった?」
「そうじゃないけど。けんくんから今から会えない?なんて珍しいじゃん」
「僕だって急に麗結ちゃんに会いたくなることあるんだよ?普段は我慢してるだけで」
「なんで我慢してるの」
「会ったら離れたく無くなっちゃうからに決まってるじゃん!分かってないなぁ」
少し恥ずかしそうな顔を覗かせて、メガネをくいっと指で押し上げると「それでね!」と急に明るい声を出すとカバンの中をゴソゴソと漁りだした。
「はい!どーぞ」
「えっ?!...なにこれ」
「僕からのプレゼントです」
彼のカバンから出てきたのはぐしゃっとなった紙袋で、そこから小さな箱を取り出した彼は私の方にそれを寄せて笑った。
「いっつも頑張ってる麗結ちゃんに僕からご褒美です」
喜ばなきゃいけないはずなのに、驚きが大きすぎて何も言えないまま恐る恐る箱を開けるとキラキラと光るリングが入っていた。
いつものように仕事を終えて家に帰ってくると、右手の薬指につけているはずの指輪がない。
おっかしいなぁ、と思いながらも、朝化粧をした時に外してそのまま出かけてしまったことが今まで何度かあったから仕事中気づかなかっただけできっとそれだという余裕があった。
カバンを置いて、洗面台に向かう。
いつも指輪を外しておく場所に探しもののそれはなかった。
ここで初めて焦りを感じた。
指輪だから付けていて落ちるということはないはず。
となると、どこに置いたか忘れたということになる。
そんなの最低じゃん。
どうしよう、けんくんになんて言おう。
・
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「どうしたの?急に」
「もしかして忙しかった?」
「そうじゃないけど。けんくんから今から会えない?なんて珍しいじゃん」
「僕だって急に麗結ちゃんに会いたくなることあるんだよ?普段は我慢してるだけで」
「なんで我慢してるの」
「会ったら離れたく無くなっちゃうからに決まってるじゃん!分かってないなぁ」
少し恥ずかしそうな顔を覗かせて、メガネをくいっと指で押し上げると「それでね!」と急に明るい声を出すとカバンの中をゴソゴソと漁りだした。
「はい!どーぞ」
「えっ?!...なにこれ」
「僕からのプレゼントです」
彼のカバンから出てきたのはぐしゃっとなった紙袋で、そこから小さな箱を取り出した彼は私の方にそれを寄せて笑った。
「いっつも頑張ってる麗結ちゃんに僕からご褒美です」
喜ばなきゃいけないはずなのに、驚きが大きすぎて何も言えないまま恐る恐る箱を開けるとキラキラと光るリングが入っていた。