ep.15 愛しい。/ kwkm
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「俺の精一杯...です」
「...開けてもいいですか?」
「開けてください」
綺麗に結ばれたリボンを解いて、箱を開けると真っ白なあの箱。
もう分かる。
この中には女の子の憧れが入っている。
「俺人生で初めてこんなに、かなしい気持ちになったんすよ」
箱を開くとこんな暗い中でもキラキラと光る指輪。
目が一気に熱くなって、泣きそうになるのを堪えていたら前を向いたままの彼が話を始めた。
「悲しい?」
「かなしい。気づいたら麗結が俺の世界の全てだった。こんなに人を思う時が来るんだって、苦しかった。かなしかった」
「...私の事好きなのに悲しかったの?」
「あぁ、かなしいっていとしいって書く愛しいのこと。昔の人...っていうか、日本語が持つ愛ってかなしいって意味でもあるんだよ」
いまいちよく分からなくて首をかしげたけど、そう言えば拓朗くんは日本語の専門家だったような気がする。
「昔の人の気持ちめっちゃ分かったんだよ。麗結が好きすぎて、失うことばっかり考えてた。麗結を失ったら?麗結がほかの男に取られたら?俺から逃げちゃったら?無理やん。俺生きていけないやん、って。これって愛しいのとかなしいのって同じだなって」
「確かにそれはそうかも...?」
「麗結さんが愛しいんだ、って思った時からずっとこの日が来るのを待ってた」
「でも...私5つも歳上だし...先におばあちゃんになって...しわくちゃになるよ」
「しわくちゃな麗結と手繋げるんやろ。それだけで生きてたいと思うやん」
考える間もなく、彼はそう答えてくれた。
やっぱり私、この愛しい彼と一緒になって幸せだ。
こんな素敵なプロポーズないよ。
今までの不安は一気に晴れて、涙が零れたけど多分彼にはバレてない。
私は世界一幸せだ、そう思ったらいてもたってもいられなくて運転中の彼に抱きついた。
「うわっ、危ない!もう着くから我慢して」
「俺やっていろーんな欲求我慢しとるんやから」と体を離した私の右手を左手で取って、指を絡めた。
「...開けてもいいですか?」
「開けてください」
綺麗に結ばれたリボンを解いて、箱を開けると真っ白なあの箱。
もう分かる。
この中には女の子の憧れが入っている。
「俺人生で初めてこんなに、かなしい気持ちになったんすよ」
箱を開くとこんな暗い中でもキラキラと光る指輪。
目が一気に熱くなって、泣きそうになるのを堪えていたら前を向いたままの彼が話を始めた。
「悲しい?」
「かなしい。気づいたら麗結が俺の世界の全てだった。こんなに人を思う時が来るんだって、苦しかった。かなしかった」
「...私の事好きなのに悲しかったの?」
「あぁ、かなしいっていとしいって書く愛しいのこと。昔の人...っていうか、日本語が持つ愛ってかなしいって意味でもあるんだよ」
いまいちよく分からなくて首をかしげたけど、そう言えば拓朗くんは日本語の専門家だったような気がする。
「昔の人の気持ちめっちゃ分かったんだよ。麗結が好きすぎて、失うことばっかり考えてた。麗結を失ったら?麗結がほかの男に取られたら?俺から逃げちゃったら?無理やん。俺生きていけないやん、って。これって愛しいのとかなしいのって同じだなって」
「確かにそれはそうかも...?」
「麗結さんが愛しいんだ、って思った時からずっとこの日が来るのを待ってた」
「でも...私5つも歳上だし...先におばあちゃんになって...しわくちゃになるよ」
「しわくちゃな麗結と手繋げるんやろ。それだけで生きてたいと思うやん」
考える間もなく、彼はそう答えてくれた。
やっぱり私、この愛しい彼と一緒になって幸せだ。
こんな素敵なプロポーズないよ。
今までの不安は一気に晴れて、涙が零れたけど多分彼にはバレてない。
私は世界一幸せだ、そう思ったらいてもたってもいられなくて運転中の彼に抱きついた。
「うわっ、危ない!もう着くから我慢して」
「俺やっていろーんな欲求我慢しとるんやから」と体を離した私の右手を左手で取って、指を絡めた。