ep.1 言わないけどね。/ izw
名前変換
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そこに向かう足取りは軽い。
今日は何を話そうと考えている自分がいた。
部屋に入ると、俺が座る前の席には彼女の姿。
すっと腰かけるといつものようにこちらに振り返って「伊沢くん」と微笑む彼女。
最初っから変わらない、その時の彼女の表情が可愛すぎて毎回驚いてしまう。
毎回毎回、予習してきた和訳を見せて、と言われるから学力足りてる?って失礼なことを思っていたんだけど、授業中の彼女を見ていると余裕で質問にも答えてるからおかしいと思った。
彼女は実は英語が普通にできる。
なのに、何故か俺に毎回話しかけ、毎回ノートを貸してと言ってくる。
そんなの気にならならないわけがない。
「おまたせ」
「あ、伊沢くん!来てくれないかと思ったよ」
「ごめん、電車ちょっと遅延してた」
「全然大丈夫!走ってきてくれたんでしょ?」
息を切らせてる俺に「汗かいてる」ってタオルを差し出してくれる。
なんて優しい女神なんだ。
申し訳ないから「大丈夫」って断って手で拭った。
「麗結...さんはこういうオシャレな店よく来るの?」
「伊沢くんまだ慣れないの?私の名前呼ぶの」
「まあ...」
「何度も呼んでるのに?」
「何度も呼んでても下の名前で呼ぶのは勇気がいるというか」
「...拓司くん?」
その声にはっと顔を上げると、いたずら大成功みたいな顔をして笑う彼女。
可愛い、愛おしい、これが恋なのかもしれない。
「そんなに呼びにくいなら、苗字でもいいよ?あ、苗字がわかんないとか?!私、青木っていうの!」
「知ってるよそれくらい」
知ってるよ、苗字ならきっと戸惑うことなく君の名前を呼べるだろう。
でも、ちゃんと好きな人は名前で呼びたいんだ。
「拓司くん、いいんじゃない?麗結ちゃん」
君には絶対言わないけどね。
今日は何を話そうと考えている自分がいた。
部屋に入ると、俺が座る前の席には彼女の姿。
すっと腰かけるといつものようにこちらに振り返って「伊沢くん」と微笑む彼女。
最初っから変わらない、その時の彼女の表情が可愛すぎて毎回驚いてしまう。
毎回毎回、予習してきた和訳を見せて、と言われるから学力足りてる?って失礼なことを思っていたんだけど、授業中の彼女を見ていると余裕で質問にも答えてるからおかしいと思った。
彼女は実は英語が普通にできる。
なのに、何故か俺に毎回話しかけ、毎回ノートを貸してと言ってくる。
そんなの気にならならないわけがない。
「おまたせ」
「あ、伊沢くん!来てくれないかと思ったよ」
「ごめん、電車ちょっと遅延してた」
「全然大丈夫!走ってきてくれたんでしょ?」
息を切らせてる俺に「汗かいてる」ってタオルを差し出してくれる。
なんて優しい女神なんだ。
申し訳ないから「大丈夫」って断って手で拭った。
「麗結...さんはこういうオシャレな店よく来るの?」
「伊沢くんまだ慣れないの?私の名前呼ぶの」
「まあ...」
「何度も呼んでるのに?」
「何度も呼んでても下の名前で呼ぶのは勇気がいるというか」
「...拓司くん?」
その声にはっと顔を上げると、いたずら大成功みたいな顔をして笑う彼女。
可愛い、愛おしい、これが恋なのかもしれない。
「そんなに呼びにくいなら、苗字でもいいよ?あ、苗字がわかんないとか?!私、青木っていうの!」
「知ってるよそれくらい」
知ってるよ、苗字ならきっと戸惑うことなく君の名前を呼べるだろう。
でも、ちゃんと好きな人は名前で呼びたいんだ。
「拓司くん、いいんじゃない?麗結ちゃん」
君には絶対言わないけどね。