ep.10 kiss me!。/ izw
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今日も今日とてオフィスに向かう電車の中で、スマートフォン片手に情報収集をする。
伊沢さんとお付き合いをさせてもらうまでは、世界情勢だったり、この話メンバーさんにしたら喜んでもらえそうって話だったり、至って普通かつ真面目な情報収集だった。
けど今はどうだ。
検索履歴を見られたら恥ずかしいどころの騒ぎではい。
『初カレ キス』
打ち込んだ自分でさえも恥ずかしくて顔が熱くなる。
こんなこと友達になんてとても聞けないし、知識も経験もない私の頼りはこの小さな箱が与えてくれる情報しかないのだ。
検索して出てきた1番上のサイトを片っ端から読み進めるのが最近の日課。
私も応用できそうと思うものはメモに残したりしてめちゃめちゃ勉強してる。
でも肝心なことは何も書いてない。
伊沢さんは私とそういうことしたいと思ってるか分からないのにそういう雰囲気に持ってくにはどうすればいいのか、とか。
伊沢さんは忙しいから、付き合っているのにデートらしいデートもしたことない。
そんな私たちにキスは早いのか、またそういう場合はどうしたらいいのか、とか。
伊沢さんに打ち明けるのが1番早いのはわかっているんだけど、ガツガツしてると思われるのも嫌だし、伊沢さんも何か考えがあるかもだし、とか考え出したらキリがなくて言えないまま。
「おはようございます」
「あ、麗結さんおはようございます」
「あれ?伊沢さんいらっしゃらないんですか」
「えぇ、麗結さん知らなかったの?」
いつものリビングルームに彼がいなかったから本を読んでいるふくらさんに聞いてみたんだけど、「おっかしいなぁ」とニヤニヤしながら続けた。