ep.1 言わないけどね。/ izw
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その日、私は学食にいた。
伊沢くんとふたりきりで。
「英語の講義室以外で話したことないからなんか変な感じ」
「でも結構仲良くなったでしょ?私たち」
「そうかな、普通だと思うけど」
先週の講義の時に、来週は一緒にお昼食べて講義室行こうよと誘ったのは私。
断られるかなと心配していたのもつかの間「うん、暇だしいいよ」とあっさりOKをもらった。
私は好意満載だけど、彼はきっとそんなこと1ミリも思ってないし感じ取ってもいなさそう。
どうやって距離を詰めたらいいのだろう。
「休みの日は何してるの?」
「なんか面接みたいね、ほとんど勉強してる」
「勉強?!」
「あとはバイト。麗結...さんは?」
「私は...まぁ、ゴロゴロしてるかな?」
「ふっ、面白いね。そういう人ほどきっと勉強してるよね」
いやいやと顔の前で手を振ると、「それ美味しい?」ってハンバーグを指さす伊沢くん。
「うん、美味しいよ」
「1口もらっていい?なんか無性に食べたい」
「うっ...うん!もちろん!どうぞどうぞ」
「俺のも食っていいよ。あ、俺が箸つけたやつとか嫌か」
「ううん...食べたい!!」
「どーぞ。あ、これ切ってよ。箸つけるの申し訳ないから」
そういう彼の言うとおりに、ハンバーグを一口サイズにきると「いただきます」と目を合わせて微笑むと一口でぱくり。
「うまいっ!」と幸せそうな顔をしている彼に完全に恋をしてしまったようだ。
「ねえ伊沢くん」
「ん?あ、もう一口食べる?こっちもうまいよね」
「次のお休みどこかお出かけしませんか?」
「...それってふたりきりのお誘い?...こんな男と付き合ってるって勘違いされるよ笑」
それでもいいよ。
伊沢くんとなら勘違いされたいなんて、君には絶対言わないけどね。