ep.8 君が髪を切った理由。/ kwkm
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ある日。
君が「明日から朝一緒に行けない」と言った。
その時は全く実感がなかったのか「そう、分かった」と返事をした。
彼女に興味がありすぎる俺は察していた。
多分、あいつのせいなんだろうなぁと。
朝、ひとりで駅に向かうときに初めて
悔しいなぁ、なんて思った俺は
完全にあいつに負けを認めてるわけで。
そういう時に限って、目の前に君を見つけてしまうわけで。
心のどこかで祈っていた「失恋かな」なんて答えは一気に崩れ去った。
・
・
「あっ!拓朗ー!おはよう」
「おはよ」
「なんか元気なくない?」
「朝の俺はいつもこんな感じやろ」
「ふーん」と呟いた彼女がちらっと後ろを見る。
俺を見つけて走ってきてくれたから、あいつが着いてきてるか確認したんだろう。
悔しいけど認めるよ、短い髪も麗結によく似合ってる。
「あ、噂の幼なじみくんだ」
「よーく分かったね!イケメンでしょ?」
「ミステリアス系イケメンか。めちゃめちゃ人気ありそう」
俺らに追いついたあいつが、彼女の隣に並ぶ。
やっぱりね。
聞かなくたってわかるんだ。
「あ!行かなきゃ!先生に怒られちゃうよ?」
「そうだった!行くわ」
「私も一緒に行く!拓朗またね!」
「じゃあね」
君と一番最初に遊んだのは俺だよ。
君と一番最初にハグしたのは俺だよ。
君を一番最初に好きになったのは俺だよ。
朝に弱い君をちゃんと起こすし。
君の好きなものを好きになれるし。
できるだけ君を引っ張っていくし。
誕生日には君に花束なんて送ろうか。
だからって。
もう君の隣にいれる訳じゃない。
俺は、あいつにはなれない。
ついこの間まで、俺の隣にいたはずの彼女はあいつと肩を並べて楽しそうに校舎に向かって行く。
ちゃんとうまくやるんだよ。
俺もちょっとずつ進んでくようにするから。
君が髪を切った理由を俺は聞かない。
君が「明日から朝一緒に行けない」と言った。
その時は全く実感がなかったのか「そう、分かった」と返事をした。
彼女に興味がありすぎる俺は察していた。
多分、あいつのせいなんだろうなぁと。
朝、ひとりで駅に向かうときに初めて
悔しいなぁ、なんて思った俺は
完全にあいつに負けを認めてるわけで。
そういう時に限って、目の前に君を見つけてしまうわけで。
心のどこかで祈っていた「失恋かな」なんて答えは一気に崩れ去った。
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「あっ!拓朗ー!おはよう」
「おはよ」
「なんか元気なくない?」
「朝の俺はいつもこんな感じやろ」
「ふーん」と呟いた彼女がちらっと後ろを見る。
俺を見つけて走ってきてくれたから、あいつが着いてきてるか確認したんだろう。
悔しいけど認めるよ、短い髪も麗結によく似合ってる。
「あ、噂の幼なじみくんだ」
「よーく分かったね!イケメンでしょ?」
「ミステリアス系イケメンか。めちゃめちゃ人気ありそう」
俺らに追いついたあいつが、彼女の隣に並ぶ。
やっぱりね。
聞かなくたってわかるんだ。
「あ!行かなきゃ!先生に怒られちゃうよ?」
「そうだった!行くわ」
「私も一緒に行く!拓朗またね!」
「じゃあね」
君と一番最初に遊んだのは俺だよ。
君と一番最初にハグしたのは俺だよ。
君を一番最初に好きになったのは俺だよ。
朝に弱い君をちゃんと起こすし。
君の好きなものを好きになれるし。
できるだけ君を引っ張っていくし。
誕生日には君に花束なんて送ろうか。
だからって。
もう君の隣にいれる訳じゃない。
俺は、あいつにはなれない。
ついこの間まで、俺の隣にいたはずの彼女はあいつと肩を並べて楽しそうに校舎に向かって行く。
ちゃんとうまくやるんだよ。
俺もちょっとずつ進んでくようにするから。
君が髪を切った理由を俺は聞かない。