ep.8 君が髪を切った理由。/ kwkm
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ある日。
君が髪を切った。
彼女の胸ほどまであった長い髪が、肩より少し短いくらいの長さになっていた。
「髪切ったんだ」
「あ、気づいた?」
「当たり前でしょ。さすがにそれは気づくやろ」
「拓朗私になんて興味ないと思ってたよ」
「興味なくてもそれは思い切りすぎ」
朝、隣を歩く彼女の髪が短くなっているのを見て、少し、いや、かなりモヤッとした。
俺は、幼なじみである彼女の長い黒髪がふわふわと揺れるのを隣で見ているのが好きだったからだ。
それだけじゃない。
・
・
「ねぇ、私短いの似合うと思う?」
先週、いつもの様に朝一緒に駅に向かう途中。
君が、人より少し高めのポニーテールを揺らしながら俺にそう言ったのだ。
「似合わなくはないでしょ、顔も小さいし」
「なにそれ。褒めてるの?」
「この言葉のどこが褒めてないと思ったん?」
「なんかストレートすぎて逆に疑っちゃうよね」
「まぁでも俺は、長いままがいい思うけど」
「なんでー?」
「ねぇ、なんでよ」って言いながらぴょんっと飛び跳ねて俺の顔を覗き込む彼女。
ポニーテールが揺れる。
「なんだよ、長いか短いかの2択やろ?それなら長い方ってこと」
「なーんだ、じゃあ結局どっちでもいいってこと?」
「まあ...そんな感じなんやない」
そんなわけがない。
俺は長い髪が好きだったから。
長い髪を揺らす君が好きだったから。
「イメチェンってやつ?クラスのみんなにギャーギャー騒がれちゃうかも」
「それ狙ったんやないの?」
「狙うわけないでしょ!」
「麗結ならやりかねないやん」
君が髪を切った理由を俺は聞かない。
君が髪を切った。
彼女の胸ほどまであった長い髪が、肩より少し短いくらいの長さになっていた。
「髪切ったんだ」
「あ、気づいた?」
「当たり前でしょ。さすがにそれは気づくやろ」
「拓朗私になんて興味ないと思ってたよ」
「興味なくてもそれは思い切りすぎ」
朝、隣を歩く彼女の髪が短くなっているのを見て、少し、いや、かなりモヤッとした。
俺は、幼なじみである彼女の長い黒髪がふわふわと揺れるのを隣で見ているのが好きだったからだ。
それだけじゃない。
・
・
「ねぇ、私短いの似合うと思う?」
先週、いつもの様に朝一緒に駅に向かう途中。
君が、人より少し高めのポニーテールを揺らしながら俺にそう言ったのだ。
「似合わなくはないでしょ、顔も小さいし」
「なにそれ。褒めてるの?」
「この言葉のどこが褒めてないと思ったん?」
「なんかストレートすぎて逆に疑っちゃうよね」
「まぁでも俺は、長いままがいい思うけど」
「なんでー?」
「ねぇ、なんでよ」って言いながらぴょんっと飛び跳ねて俺の顔を覗き込む彼女。
ポニーテールが揺れる。
「なんだよ、長いか短いかの2択やろ?それなら長い方ってこと」
「なーんだ、じゃあ結局どっちでもいいってこと?」
「まあ...そんな感じなんやない」
そんなわけがない。
俺は長い髪が好きだったから。
長い髪を揺らす君が好きだったから。
「イメチェンってやつ?クラスのみんなにギャーギャー騒がれちゃうかも」
「それ狙ったんやないの?」
「狙うわけないでしょ!」
「麗結ならやりかねないやん」
君が髪を切った理由を俺は聞かない。