ep.7 500円。/ fkr
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雨は全く止む気配を見せず、ザーザーと降り続けていた。
やっぱり傘買わないと講義棟戻れないなぁ。
ポケットに手を入れて500円玉の存在を確認する。
隣で友人が「雨やばー」って空を見上げてて、カバンから折り畳み傘を取り出した。
「なんだ、ふくら傘もってねぇの?入る?」
「あ、ううん。帰りも雨だろうしそこで買っていくよ」
「そ?今日は早く終わってくれたし田中のおじいちゃんも泣かないで済むな!」
「ほんとそれ!やっとすぎる。ってことで先行ってて」
「わかった」と頷いた友人が「じゃあ後でー」って早歩きで雨の中を歩いていく。
僕も早く売店行って傘買わなきゃ。
5分も早く終わるという奇跡が起きたんだから、田中のおじいちゃんの授業に間に合うように移動しなければならない。
「あー...すごい降ってるね。麗結走れないしどうしよ」
「いいよ!私歩いていくから先走って!」
「でもそれは...」
売店に向かおうとした僕の隣に現れたのは、さっきの彼女とその友人。
どうやら僕と同じく傘を持ってないようだ。
こんな雨の中、2人でのんびり歩いて保健センターまでいくのだろうか。
全く接点のない2人。
しかもこの大学に2割しかいないという女性。
なのになんか見過ごすことが出来なかったんだ。
ううん違う。
ここで助けてあげたら、もしかしたら2人にとってのヒーローになれちゃったりする?!とかいう妄想を繰り広げてた。
それに追加して、彼女を助けている友人も巻き添えをくらってびしょ濡れになるなんて不幸にも程があると同情したから。
「あっ...!」
そんなことを頭の中で巡らせていると、傘もささずに2人は屋根を出て保健センターのある方に向かって歩き出した。
やっぱり傘買わないと講義棟戻れないなぁ。
ポケットに手を入れて500円玉の存在を確認する。
隣で友人が「雨やばー」って空を見上げてて、カバンから折り畳み傘を取り出した。
「なんだ、ふくら傘もってねぇの?入る?」
「あ、ううん。帰りも雨だろうしそこで買っていくよ」
「そ?今日は早く終わってくれたし田中のおじいちゃんも泣かないで済むな!」
「ほんとそれ!やっとすぎる。ってことで先行ってて」
「わかった」と頷いた友人が「じゃあ後でー」って早歩きで雨の中を歩いていく。
僕も早く売店行って傘買わなきゃ。
5分も早く終わるという奇跡が起きたんだから、田中のおじいちゃんの授業に間に合うように移動しなければならない。
「あー...すごい降ってるね。麗結走れないしどうしよ」
「いいよ!私歩いていくから先走って!」
「でもそれは...」
売店に向かおうとした僕の隣に現れたのは、さっきの彼女とその友人。
どうやら僕と同じく傘を持ってないようだ。
こんな雨の中、2人でのんびり歩いて保健センターまでいくのだろうか。
全く接点のない2人。
しかもこの大学に2割しかいないという女性。
なのになんか見過ごすことが出来なかったんだ。
ううん違う。
ここで助けてあげたら、もしかしたら2人にとってのヒーローになれちゃったりする?!とかいう妄想を繰り広げてた。
それに追加して、彼女を助けている友人も巻き添えをくらってびしょ濡れになるなんて不幸にも程があると同情したから。
「あっ...!」
そんなことを頭の中で巡らせていると、傘もささずに2人は屋根を出て保健センターのある方に向かって歩き出した。