ep.6 傘。/ izw
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今日は帰りが遅くてよかった。
いつもの時間だったら、ほかの社員さん達もこの出口を使うから恥ずかしくて逃げたくなってたところだった。
「なっ...何言ってるの」
「そのままっすよ、雨降んねぇと意味ないんすよ」
イマイチ状況を掴めてない私の前に立つと「晴れなのに俺が傘持ってくる理由なんすけど」って少し恥ずかしそうに続けた。
「晴れとか曇りの日に傘もってたら、急に雨降ってきた時麗結さん入れてあげれるなぁって」
「えっ...」
「逆に雨予報の日は」
「傘持ってかなかったら麗結さんの傘に入れてもらえる」
少しだけ彼の顔が赤くなった気がした。
それと同時に私の顔も熱くなった気がする。
いや、これは気がするじゃなくて事実だ。
「最初傘もってたのはほんとに偶然で、でもその日思いついたんすよ。この方法。すっげーあっさり麗結さんの隣歩けたからこれしかねぇじゃん!って」
彼の黒目がちな目が私を捉える。
彼は仕事だけじゃなくてなんでも精一杯で真面目なようだ。
「あー...気持ちわりぃって思ってる!こんな後輩やば!とか思ってる!そうですよね?!」
「...じゃあ、3択しようよ」
「...今日は晴れてますよ、見ての通り」
「分かってるよ?伊沢くんが決めて、やるかやらないか」
きっと私たち両思いだ、って柄にもなく気づいた。
それなら、年上としてちょっとリードしてみようか。
「やりましょう、やります」
「1つ目。これからは雨の日も傘を持ってくる」
「...まあ麗結さんに迷惑かかってますからね、現に」
「2つ目。晴れでも曇りでも雨が降りそうな日は傘を持ってくる」
「それ当然じゃないすか。麗結さんはしないみたいですけど」
「3つ目」
彼がごくりと息を飲んだ。
3つ目がわたしたちにとって最も大切な選択肢だと彼も知ってるから。
「傘が必要ない日でも、晴れでも曇りでも雨でも、私と一緒に帰る」
それを聞いた彼はまたいつもの様に口角をあげて微笑むと、「麗結さんやっぱずるいっすね!」と嬉しそうにしてる。
「俺麗結さんのそういうとこ、好きなんですよね」
「ふーん」
「え!ちょっと!え?!そういうことじゃないんすか!」
可愛い可愛い後輩が、大切な彼氏になる日はすぐ近くまで来てるかもしれないなんて思ったり。
これからもたまには傘忘れよっかなってずるいこと思ったりね。
いつもの時間だったら、ほかの社員さん達もこの出口を使うから恥ずかしくて逃げたくなってたところだった。
「なっ...何言ってるの」
「そのままっすよ、雨降んねぇと意味ないんすよ」
イマイチ状況を掴めてない私の前に立つと「晴れなのに俺が傘持ってくる理由なんすけど」って少し恥ずかしそうに続けた。
「晴れとか曇りの日に傘もってたら、急に雨降ってきた時麗結さん入れてあげれるなぁって」
「えっ...」
「逆に雨予報の日は」
「傘持ってかなかったら麗結さんの傘に入れてもらえる」
少しだけ彼の顔が赤くなった気がした。
それと同時に私の顔も熱くなった気がする。
いや、これは気がするじゃなくて事実だ。
「最初傘もってたのはほんとに偶然で、でもその日思いついたんすよ。この方法。すっげーあっさり麗結さんの隣歩けたからこれしかねぇじゃん!って」
彼の黒目がちな目が私を捉える。
彼は仕事だけじゃなくてなんでも精一杯で真面目なようだ。
「あー...気持ちわりぃって思ってる!こんな後輩やば!とか思ってる!そうですよね?!」
「...じゃあ、3択しようよ」
「...今日は晴れてますよ、見ての通り」
「分かってるよ?伊沢くんが決めて、やるかやらないか」
きっと私たち両思いだ、って柄にもなく気づいた。
それなら、年上としてちょっとリードしてみようか。
「やりましょう、やります」
「1つ目。これからは雨の日も傘を持ってくる」
「...まあ麗結さんに迷惑かかってますからね、現に」
「2つ目。晴れでも曇りでも雨が降りそうな日は傘を持ってくる」
「それ当然じゃないすか。麗結さんはしないみたいですけど」
「3つ目」
彼がごくりと息を飲んだ。
3つ目がわたしたちにとって最も大切な選択肢だと彼も知ってるから。
「傘が必要ない日でも、晴れでも曇りでも雨でも、私と一緒に帰る」
それを聞いた彼はまたいつもの様に口角をあげて微笑むと、「麗結さんやっぱずるいっすね!」と嬉しそうにしてる。
「俺麗結さんのそういうとこ、好きなんですよね」
「ふーん」
「え!ちょっと!え?!そういうことじゃないんすか!」
可愛い可愛い後輩が、大切な彼氏になる日はすぐ近くまで来てるかもしれないなんて思ったり。
これからもたまには傘忘れよっかなってずるいこと思ったりね。