ep.6 傘。/ izw
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それからというもの、何故か雨予報の日に伊沢くんは傘を必ず忘れてくるという事件が多発していた。
その度に「今日も3択お願いしますね」とか言われて毎回同じことを繰り返す。
必ず選ばれる3択目の相合傘をして駅に向かって、伊沢くんの肩がびしょ濡れになるをデジャヴのように何回かやった。
そしてそれと同時に、不思議なことに全く雨予報じゃない日に伊沢くんは傘を持って出勤していることに気がついたのはつい最近。
「あれ、今日雨?晴れでしょ?」
「今日は曇りっすよ」
「じゃあなんで傘なんて持ってるの?」
「ああ、気分っすよ。なんか傘持ちたい気分の日ってあるじゃないですか」
「なんで雨の日にその気分にならないで忘れちゃうのかね?」
「んー、僕も意識はしてるんすけど」
今日も天気予報は晴れだと言うのに伊沢くんは傘を持って仕事場に来た。
何度天気予報を確認しても、晴れ。
どう考えてもおかしい。
「んー...」
残業をこなしていつもより2時間くらい遅い帰り。
彼のことをずっと考えていたけれど答えは出ないまま。
こうして考えてる間にも、伊沢くんが頭の中を埋めつくしていく。
また雨の日に傘忘れてこないかな、って思ってる自分がいる。
そしたらまた相合傘で駅まで行けるもん。
あんなに近くで伊沢くんが見られるってやばいもん。
「え?何してるの」
「あぁ、麗結さん」
「...あれ?誰か待ってるの?もう私しか残ってなかったけど」
そう聞くと、彼はわかりやすく私から視線を外して上を向く。
あの日みたいに傘をトンっと突きつける動作をして「雨降んなかったなぁ..」と呟いた。
「だから言ったじゃない、今日は晴れだよって」
「...晴れだと麗結さんと帰る理由作れねぇじゃん」
あまりにもあっさり。
彼は空を見上げたまま確かにそう言った。
その度に「今日も3択お願いしますね」とか言われて毎回同じことを繰り返す。
必ず選ばれる3択目の相合傘をして駅に向かって、伊沢くんの肩がびしょ濡れになるをデジャヴのように何回かやった。
そしてそれと同時に、不思議なことに全く雨予報じゃない日に伊沢くんは傘を持って出勤していることに気がついたのはつい最近。
「あれ、今日雨?晴れでしょ?」
「今日は曇りっすよ」
「じゃあなんで傘なんて持ってるの?」
「ああ、気分っすよ。なんか傘持ちたい気分の日ってあるじゃないですか」
「なんで雨の日にその気分にならないで忘れちゃうのかね?」
「んー、僕も意識はしてるんすけど」
今日も天気予報は晴れだと言うのに伊沢くんは傘を持って仕事場に来た。
何度天気予報を確認しても、晴れ。
どう考えてもおかしい。
「んー...」
残業をこなしていつもより2時間くらい遅い帰り。
彼のことをずっと考えていたけれど答えは出ないまま。
こうして考えてる間にも、伊沢くんが頭の中を埋めつくしていく。
また雨の日に傘忘れてこないかな、って思ってる自分がいる。
そしたらまた相合傘で駅まで行けるもん。
あんなに近くで伊沢くんが見られるってやばいもん。
「え?何してるの」
「あぁ、麗結さん」
「...あれ?誰か待ってるの?もう私しか残ってなかったけど」
そう聞くと、彼はわかりやすく私から視線を外して上を向く。
あの日みたいに傘をトンっと突きつける動作をして「雨降んなかったなぁ..」と呟いた。
「だから言ったじゃない、今日は晴れだよって」
「...晴れだと麗結さんと帰る理由作れねぇじゃん」
あまりにもあっさり。
彼は空を見上げたまま確かにそう言った。