ep.28 ふたりの場所。/ izw
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「すっげーな、バレンタインコーナー早くない?」
まだ1月末だというのに展示コーナーはバレンタイン商品一色だった。華やかな展示と幸せそうな人達。私も拓司くんといるからその一員になれているけれど、心の中は少し違う。
今まで植え付けられたイメージというものは簡単に拭いきれるものではないみたい。
拓司くんとうまくいってないとか、別れたいとかそんな気持ち全くないのに。
なんとなく、不安で嫌だった。
「なんか年々早くなってるよね。このコーナーできるの」
「今まであんま関係ないイベントだったけどこんなにソワソワすんのね」
「拓司くんソワソワしてるの?」
「多分だけどここにいる男全員ソワソワしてるよ間違いない」
拓司くんにとってのバレンタインは自分とは無関係の日なんだ。それも来月で終わるよ、私が絶対喜ばせるんだから。
なんて自分の気持ちを閉じ込めて必死に意気込んで。
拓司くんは何が好きかな。
作ったことないけど焼き菓子に挑戦してみようかな。
なんて無駄に一生懸命考えて。
拓司くんが喜ぶ姿だけを想像して、我ながら恋する乙女なぁなんて浮かれてみて。
そこまで出来の良くないヒビのはいったガトーショコラに少しガッカリしたけど、これも私らしいかなと思うことにした。
雑貨屋さんをうろうろしながらやっと選んだ、ボックスと真っ赤なリボンでラッピングも完璧。
友達がメッセージカードを添えると言い出したので、同じように買ってみたけど何を書いたらいいのか分からなくて未だに白紙。
「バレンタインだもんなぁ...」
拓司くんのことを不器用とか口下手とか言ってるけど、私もほとんど変わらない。
どちらかの愛が重すぎても上手くいかないし、これでいいのかなと思う時もあるしちゃんと伝えなきゃと思う時もある。
こんなとき、モテモテな女の子は「だいすき」なんて書くのだろうか。
バレンタインにいい思い出もなければ、そんなキャラでもない私にはとても出来そうにない。
「これでいっか...」
女子力なさすぎ
思わず自分で言ってしまう程のメッセージカードは恥ずかしかったからすぐに封筒の中に入れて、プレゼントボックスに隠した。
まだ1月末だというのに展示コーナーはバレンタイン商品一色だった。華やかな展示と幸せそうな人達。私も拓司くんといるからその一員になれているけれど、心の中は少し違う。
今まで植え付けられたイメージというものは簡単に拭いきれるものではないみたい。
拓司くんとうまくいってないとか、別れたいとかそんな気持ち全くないのに。
なんとなく、不安で嫌だった。
「なんか年々早くなってるよね。このコーナーできるの」
「今まであんま関係ないイベントだったけどこんなにソワソワすんのね」
「拓司くんソワソワしてるの?」
「多分だけどここにいる男全員ソワソワしてるよ間違いない」
拓司くんにとってのバレンタインは自分とは無関係の日なんだ。それも来月で終わるよ、私が絶対喜ばせるんだから。
なんて自分の気持ちを閉じ込めて必死に意気込んで。
拓司くんは何が好きかな。
作ったことないけど焼き菓子に挑戦してみようかな。
なんて無駄に一生懸命考えて。
拓司くんが喜ぶ姿だけを想像して、我ながら恋する乙女なぁなんて浮かれてみて。
そこまで出来の良くないヒビのはいったガトーショコラに少しガッカリしたけど、これも私らしいかなと思うことにした。
雑貨屋さんをうろうろしながらやっと選んだ、ボックスと真っ赤なリボンでラッピングも完璧。
友達がメッセージカードを添えると言い出したので、同じように買ってみたけど何を書いたらいいのか分からなくて未だに白紙。
「バレンタインだもんなぁ...」
拓司くんのことを不器用とか口下手とか言ってるけど、私もほとんど変わらない。
どちらかの愛が重すぎても上手くいかないし、これでいいのかなと思う時もあるしちゃんと伝えなきゃと思う時もある。
こんなとき、モテモテな女の子は「だいすき」なんて書くのだろうか。
バレンタインにいい思い出もなければ、そんなキャラでもない私にはとても出来そうにない。
「これでいっか...」
女子力なさすぎ
思わず自分で言ってしまう程のメッセージカードは恥ずかしかったからすぐに封筒の中に入れて、プレゼントボックスに隠した。