玻璃の子鳥

私のワンピース、こんなところに置いておくの? 今までずっと仕舞ってあったのに。

勿論。大丈夫、君に埃がつくなんてことは有り得ない。

そんなこと聞いてないよ。変ってこと! わざわざこんなガラスの箱まで用意して。

気に入らないか。

悪い気はしないけど──やっぱり不思議。だって冷たいんだもの。

それは冷たいさ、ガラスとはそういうものだ。君にだって馴染みはあるはずだが。

あるから不思議なの。私が知ってたのはもっと温かかったよ。晴れた寒い日は貴方も一緒に触りに行ったくらい。

思い出せない。

今はね。きっといつか思い出せるわ、わたしが一緒にいるかぎり!

それは目標から逸れたことで、君の役割ではないだろう。

もう、嘘ばっかり。それが本当ならこんな変なことしないよ。貴方の目につくかどうかすら分からないし……中の空気も、ワンピースまで凍りついてるみたい。わたしとは全然ちがう。

それでもこれは君が着ていたものなんだ。

わたしには実感湧かないな、当たり前だけど──あ、掃除はしないって言ってたのに! ガラスを拭くならわたしも手伝うよ。やったことあるもん、こんなに小さいならピカピカにできちゃうね。
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