呪術師、一文字の長と話す。後編
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「本当に治るんですか?」
『大丈夫です』
「一応入家さんのところに行った方がいいと思いますけど…」
『うーん…でも怪我でもないのにお手を煩わせるのは…』
無事に呪霊を祓ったトワは名残惜しくも東京へ戻っていた
「私がついていたのに…」
伊地知はトワの手元を見ながら言った
トワの結界術は上からも贔屓にされ、今回のように遠くの任務を任されることも多々ある
そんな彼女の身に何か起これば、それなりに騒がれることも分かっている
『ええ!?そんな伊地知さんのせいではないですよ!?これはわたしが勝手に首を突っ込んだというか、一か八かに賭けた結果ですし…』
「どうしたの~?」
「!五条さん」
『五条先生…』
二人の前に現れたのは五条だった
「随分と声大きくして話してたみたいだけど、どうしたの?」
「それが……実は今回の任務で……」
伊地知の視線はトワの手元に向けられた
「…………………トワ、その手どうしたんだ」
隠してはいるが五条の視線は伊地知と同じトワの手元に移った
『どうもこうも…ちょっと浮き出ただけです』
トワも手にははっきりと黒色の刺青が浮き出ていた
「いつの間にこんなもの入れるような子に…どこのヤーさんだよ」
『自分で入れてないです!入れる訳ないでしょう!』
「凄いな首も入ってるんだ」
五条の手はトワの肩にかかる髪をよけ、首筋を露わにされる
そこには手と似た刺青がくっきりと浮き出ていた
「ハーフアップにして隠そうとしても無駄だよ」
『……………』
「こんなに侵食してくるなんてよっぽどの奴だな。でも呪力は感じられない」
『…付喪神様です』
トワは白状することにした
流石に五条相手に言い逃れは出来ない
「付喪神、ね」
『呪霊を祓うのに力を借りました。その代償のようなものです』
トワは五条の手を払いながら言う
「何の付喪神?」
『刀剣です』
「どうやって力を借りたの」
『わたしの呪具に力を分けていただき、共に祓いました』
「あぁ、簪にしているやつ」
トワは髪を纏めていた簪を外した
『(あれ…形少し変わってる)これを依代にして付喪神様の魂を分霊して力を借りました。わたしも初めてで力の加減が分からなかったので、恐らく向こうの力が多めに流れた結果がこれだと思います』
「ナルホド…結果、向こうの力がこれを元にトワに流れて身体に影響が出た…ってところかな」
五条の言葉にトワは頷く
「ちゃんと消えるんだね?ソレ」
『前も……あ、地元の神様の力を借りたときも似たようなことごあったんですけど、一週間くらいで戻ったので今回も大丈夫だと思います』
トワは自分の地元での出来事を脳裏に浮かべながら話す
同じ神様から受けたことだから、恐らく大丈夫だろうと思いながら
「……………まぁ、本人がそう言うなら信じるしかないな」
五条は伊地知に目配せして言う
『それじゃあわたしは報告書、担任の先生に上げないといけないので、これで失礼します』
お疲れ様です、と伊地知と五条に頭を下げてトワは教室へと戻って行った
「…………で?伊地知から見ても大丈夫なワケ?」
トワが廊下を曲がって行ったのを確認して、五条は伊地知に聞く
「…嫌な感じはしませんし、本人が大丈夫だと仰るので…」
伊地知は“今まで”トワとの任務で見た付喪神を思い出しながら自身が感じたありのままの感想を述べる
「お前は見たの?その付喪神とやら」
「いえ、途中から間白さんが離れて行ってしまって…その時に何となく付喪神だと思われるものが視界に少し入ったくらいで…」
「どんな感じ?」
「………しっかりとした人型でした。それしか申し上げられないですね」
「しっかりとした、ね…」
五条もそれ以上は聞かなかった
伊地知も次の仕事の送迎があると言ったので、その場を離れていった
「ほんと、本当に厄介なものにばかり好かれるな」
~END~
(呪いの王の次は付喪神かよ)
『大丈夫です』
「一応入家さんのところに行った方がいいと思いますけど…」
『うーん…でも怪我でもないのにお手を煩わせるのは…』
無事に呪霊を祓ったトワは名残惜しくも東京へ戻っていた
「私がついていたのに…」
伊地知はトワの手元を見ながら言った
トワの結界術は上からも贔屓にされ、今回のように遠くの任務を任されることも多々ある
そんな彼女の身に何か起これば、それなりに騒がれることも分かっている
『ええ!?そんな伊地知さんのせいではないですよ!?これはわたしが勝手に首を突っ込んだというか、一か八かに賭けた結果ですし…』
「どうしたの~?」
「!五条さん」
『五条先生…』
二人の前に現れたのは五条だった
「随分と声大きくして話してたみたいだけど、どうしたの?」
「それが……実は今回の任務で……」
伊地知の視線はトワの手元に向けられた
「…………………トワ、その手どうしたんだ」
隠してはいるが五条の視線は伊地知と同じトワの手元に移った
『どうもこうも…ちょっと浮き出ただけです』
トワも手にははっきりと黒色の刺青が浮き出ていた
「いつの間にこんなもの入れるような子に…どこのヤーさんだよ」
『自分で入れてないです!入れる訳ないでしょう!』
「凄いな首も入ってるんだ」
五条の手はトワの肩にかかる髪をよけ、首筋を露わにされる
そこには手と似た刺青がくっきりと浮き出ていた
「ハーフアップにして隠そうとしても無駄だよ」
『……………』
「こんなに侵食してくるなんてよっぽどの奴だな。でも呪力は感じられない」
『…付喪神様です』
トワは白状することにした
流石に五条相手に言い逃れは出来ない
「付喪神、ね」
『呪霊を祓うのに力を借りました。その代償のようなものです』
トワは五条の手を払いながら言う
「何の付喪神?」
『刀剣です』
「どうやって力を借りたの」
『わたしの呪具に力を分けていただき、共に祓いました』
「あぁ、簪にしているやつ」
トワは髪を纏めていた簪を外した
『(あれ…形少し変わってる)これを依代にして付喪神様の魂を分霊して力を借りました。わたしも初めてで力の加減が分からなかったので、恐らく向こうの力が多めに流れた結果がこれだと思います』
「ナルホド…結果、向こうの力がこれを元にトワに流れて身体に影響が出た…ってところかな」
五条の言葉にトワは頷く
「ちゃんと消えるんだね?ソレ」
『前も……あ、地元の神様の力を借りたときも似たようなことごあったんですけど、一週間くらいで戻ったので今回も大丈夫だと思います』
トワは自分の地元での出来事を脳裏に浮かべながら話す
同じ神様から受けたことだから、恐らく大丈夫だろうと思いながら
「……………まぁ、本人がそう言うなら信じるしかないな」
五条は伊地知に目配せして言う
『それじゃあわたしは報告書、担任の先生に上げないといけないので、これで失礼します』
お疲れ様です、と伊地知と五条に頭を下げてトワは教室へと戻って行った
「…………で?伊地知から見ても大丈夫なワケ?」
トワが廊下を曲がって行ったのを確認して、五条は伊地知に聞く
「…嫌な感じはしませんし、本人が大丈夫だと仰るので…」
伊地知は“今まで”トワとの任務で見た付喪神を思い出しながら自身が感じたありのままの感想を述べる
「お前は見たの?その付喪神とやら」
「いえ、途中から間白さんが離れて行ってしまって…その時に何となく付喪神だと思われるものが視界に少し入ったくらいで…」
「どんな感じ?」
「………しっかりとした人型でした。それしか申し上げられないですね」
「しっかりとした、ね…」
五条もそれ以上は聞かなかった
伊地知も次の仕事の送迎があると言ったので、その場を離れていった
「ほんと、本当に厄介なものにばかり好かれるな」
~END~
(呪いの王の次は付喪神かよ)