摺る擦ると
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「え!?ちょ!先輩!?」
「ちょっと虎杖アンタ何してんのよ!」
「俺何もしてねぇよ!?」
遠くなる意識の中で、一年生の声が聞こえている
最悪だ、初対面で気絶するなんて
これも、全部、あの、特級呪物のせいだ────
****
『────ん…』
気づくとまたあの場所にいた
「やっと気づいたか」
『………宿儺』
相変わらず訳の分からない造形物の頂点に居座っている
しかし以前会ったときと変わっているところがあった
『随分と人間らしくなったね』
以前よりもはっきりと人間の姿形になっていた
「受肉したからな」
『受肉………あ!』
そう、あの一年生だ
噂には聞いていたが今日初めて会ったあの子が、この宿儺の指を食べた本人でトワはその子と会った途端に意識を持っていかれた
「誰が俺の指を食ったやつか分かっただろう?」
『分かったけど…』
宿儺をよく見るとどこか何となくあの一年生に似ている
「どうかしたのか」
トワがゆっくりと立ち上がった
『今すぐわたしを帰して』
「何故?」
『何故?貴方のせいで初対面の一年生の前で気絶したから早く帰して』
初対面の人の前で気絶して倒れるなんて生きていてそうあることではない
それにこれだけ特殊な学校にいると、中々後輩との交流も少ない
その少ない交流を無駄にしたくないというのにこの有様なのだ
「嫌だと言ったら?」
『力ずくで出る』
トワは結界を張る動作に入ろうとした
「折角呼んだのにそう簡単に帰す訳ないだろう」
『!』
構えたトワの前に宿儺が音もなく降り立った
『結、ぅあ…!』
宿儺に足を掛けられその場に転ばされた
トワはそのまま両腕を押さえつけられる
馬乗りになった宿儺は愉快に笑っている
『退いて』
「…いつの代も結界師は生意気だ」
『退いて』
「知りたいのではなかったのか?開祖のこと、代々の結界師のことを」
宿儺はそう楽しそうに聞く
『!それは、』
「今を逃せば次はいつになるのやらなぁ」