結んで縛って僕の元へ
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その言葉にトワのペンが微かに動いたのを、もちろん五条は見逃さなかった
「そういえばもう少しで一年経つか……」
『………先生は、』
「うん?」
『どうして、先生はあのとき……わたしを助けたんですか……』
あの日、あの時出た呪いは確かにまだ入学して間もないトワたちには荷が重い呪いだった
二人一組で行動していたが、互いに力を消費し、疲労していたところを狙われた
そして組んでいたもう一人はあっという間に呪いに取り込まれてしまった
「どうしてって、変なことを聞くね」
『だって!あの時わたしは、』
「あの時もう一人の方は既に呪いに取り込まれていただろう。だから祓った」
『でも、先生の力だったら』
「救えたって?あの子は既に呪いに支配されて、トワのこと襲ってきてただろ」
『それはっ……』
「だから全てを呪いに取り込まれる前に祓った。身体も半分は綺麗なままで持って帰れただろ」
『………』
その言葉にトワは黙り込む
五条の言葉は余計にあの時のことをより鮮明に思い出させてくる
「それに仮に救えたとしても乗っ取られた呪いから肉体を離して肉体が綺麗なままでいられるかも微妙だ」
『だから…綺麗なままでいられる方を選んだんですか…』
「あの子、綺麗でいることにこだわってたからね」
あの時死んだトワの同級生は呪術師の中でも名家の出身だった
しかし名家と呼ばれるような家出身だと、それなりの実力がないと注目はされないらしく、彼女はいつも注目されようと必死だった
だからなのか彼女は見た目にも気を使う今時の女の子という言葉も似合っていた
「あの子だって綺麗なまま家に帰れた」
『……綺麗なままでで持ち帰ることが任務じゃなかったのに……っ…』
「確かにそうだったもしれない。けど、トワはあの時力を残していたから、他の同級生を守って呪いも祓えた。あの任務で犠牲者一人で済んだのはトワの結界術のおかげだよ。みんなもそう言ってただろう?」
まただ。
また、そう言って全てを丸め込もうとする
それで良かったのだと、それが正しかったのだと、刷り込むように
そして最後に
「それに任務遂行と実力を認められて、階級も上がったんだから」
そうトドメをさして
それは、まるで、一種の呪いのようだとトワは思っていた
“自分の身くらいは守れる余力は残っていたのに”
その言葉を封じるための
「なぁに。また思い出して泣いてんの」
目元がじんわりと濡れているトワの睫毛をそっとなぞるように、五条の指が触れた
『止めてください。報告書……仕上げるので』
トワは五条の手を払い除けた
いつの間にかペンを持つ手に力が戻っているように見えた
「お?やる気戻ってきたみたいだね。頑張るんだよ。仕上がったら僕も確認するから」
五条はそう言って食堂を出て行った
薄暗い廊下を笑いを堪えながら、五条は進む
「ホントにトワは可愛いねぇ」
健気で可愛い彼女はこの界隈では珍しい結界術師だ
自分と同じ空間支配系の呪術は稀でとても興味深い存在でもある
上も彼女を重宝しているのをトワが入学した頃から感じていた
恐らくどんな手を使ってでもこの呪術師界から逃さないだろうということも
あの結界術がとても利便性があることは五条も理解していた
彼女をこの界隈に留めておくことにも賛成しているし、五条の考えている呪術師のこれからにも彼女の力は必要だと思うから手を貸す
言葉で縛って、いつでも自分の目が届く範囲にいるように
「これは“呪い”じゃなくて“縛り”だよ、トワ」
そして、いつか、自分の元へ転がるように
~END~
(そう簡単にこの“縛り”は解けないよ)
「そういえばもう少しで一年経つか……」
『………先生は、』
「うん?」
『どうして、先生はあのとき……わたしを助けたんですか……』
あの日、あの時出た呪いは確かにまだ入学して間もないトワたちには荷が重い呪いだった
二人一組で行動していたが、互いに力を消費し、疲労していたところを狙われた
そして組んでいたもう一人はあっという間に呪いに取り込まれてしまった
「どうしてって、変なことを聞くね」
『だって!あの時わたしは、』
「あの時もう一人の方は既に呪いに取り込まれていただろう。だから祓った」
『でも、先生の力だったら』
「救えたって?あの子は既に呪いに支配されて、トワのこと襲ってきてただろ」
『それはっ……』
「だから全てを呪いに取り込まれる前に祓った。身体も半分は綺麗なままで持って帰れただろ」
『………』
その言葉にトワは黙り込む
五条の言葉は余計にあの時のことをより鮮明に思い出させてくる
「それに仮に救えたとしても乗っ取られた呪いから肉体を離して肉体が綺麗なままでいられるかも微妙だ」
『だから…綺麗なままでいられる方を選んだんですか…』
「あの子、綺麗でいることにこだわってたからね」
あの時死んだトワの同級生は呪術師の中でも名家の出身だった
しかし名家と呼ばれるような家出身だと、それなりの実力がないと注目はされないらしく、彼女はいつも注目されようと必死だった
だからなのか彼女は見た目にも気を使う今時の女の子という言葉も似合っていた
「あの子だって綺麗なまま家に帰れた」
『……綺麗なままでで持ち帰ることが任務じゃなかったのに……っ…』
「確かにそうだったもしれない。けど、トワはあの時力を残していたから、他の同級生を守って呪いも祓えた。あの任務で犠牲者一人で済んだのはトワの結界術のおかげだよ。みんなもそう言ってただろう?」
まただ。
また、そう言って全てを丸め込もうとする
それで良かったのだと、それが正しかったのだと、刷り込むように
そして最後に
「それに任務遂行と実力を認められて、階級も上がったんだから」
そうトドメをさして
それは、まるで、一種の呪いのようだとトワは思っていた
“自分の身くらいは守れる余力は残っていたのに”
その言葉を封じるための
「なぁに。また思い出して泣いてんの」
目元がじんわりと濡れているトワの睫毛をそっとなぞるように、五条の指が触れた
『止めてください。報告書……仕上げるので』
トワは五条の手を払い除けた
いつの間にかペンを持つ手に力が戻っているように見えた
「お?やる気戻ってきたみたいだね。頑張るんだよ。仕上がったら僕も確認するから」
五条はそう言って食堂を出て行った
薄暗い廊下を笑いを堪えながら、五条は進む
「ホントにトワは可愛いねぇ」
健気で可愛い彼女はこの界隈では珍しい結界術師だ
自分と同じ空間支配系の呪術は稀でとても興味深い存在でもある
上も彼女を重宝しているのをトワが入学した頃から感じていた
恐らくどんな手を使ってでもこの呪術師界から逃さないだろうということも
あの結界術がとても利便性があることは五条も理解していた
彼女をこの界隈に留めておくことにも賛成しているし、五条の考えている呪術師のこれからにも彼女の力は必要だと思うから手を貸す
言葉で縛って、いつでも自分の目が届く範囲にいるように
「これは“呪い”じゃなくて“縛り”だよ、トワ」
そして、いつか、自分の元へ転がるように
~END~
(そう簡単にこの“縛り”は解けないよ)