アランとマノンを見送ったトワは思っていたよりも早めにクノエシティにたどり着き、ジムリーダー・マーシュとバトルを繰り広げていた

『クロバット！クロスポイズン！』

相変わらずクロバットの動きは素早く 、技はマーシュが繰り出していたバリヤードに当たった

「中々強い技やな～。でも…バリヤードがエスパータイプが入っているの忘れてるんとちゃいます？」

マーシュは袖を口元に添えながらクスリ、と笑みを見せた

「バリヤード、サイコキネシス！」

『クロバット！(やっぱりジムリーダーのポケモン…クロスポイズンだけじゃ押せないか)』

クロバットはサイコキネシスを受けてフィールドに叩き付けられた

『大丈夫？まだ飛べるね？』

トワはクロバットにそう問いかけた
その声音に配慮のようなものは混じってはいない
クロバットもそれを当たり前のように捉え、力強くジム内を旋回した

「あら…意外とタフやね」

『マーシュさんのバリヤードがクロスポイズン一発で倒れない強さを持つのと同じで、わたしのクロバットもサイコキネシス一発で倒れない強さを持っているんです』

力強くマーシュの方を見ながらそう答えた

『ここから、ですよ…クロバット、フィールドに向かってエアスラッシュ』

その指示を受けてクロバットはフィールドに向かって無数の風の鎌を繰り出す
たちまちフィールドは土煙に包まれた

「嫌やわ…視界が…」

『クロバット、旋回！』

マーシュが戸惑っている間にトワはクロバットに指示を出す

『気配を探って…もう１度クロスポイズン！』

「っ………」

土煙の中からバリヤードの苦しそうな声が聞こえてきたあと、フィールドは静けさに包まれた
辺りから土煙が消えると現状がよく分かってきた

「バリヤード戦闘不能！クロバットの勝利！」

『よし…クロバットお疲れ様』

トワは拳を握って喜び、飛んでやって来たクロバットの頭を撫でた

『後…一匹ですね』

そう口する姿はバトルを楽しんでいる表情だった

「ほんまえぇ表情するトレーナーさんやんなぁ…ほな、ニンフィア出番ですえ」

マーシュも楽しそうに最後の一匹であるニンフィアをくり出した

『ニンフィア……初めて見た……』

イーブイから進化したそのポケモンはパステルカラーの可愛らしい顔をしている