act#50
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「…アリアス様?どうかされましたか?」
デマヴァント山の頂上への山道を進むアリアス一行
その先頭を進むアリアスはちらり、と後ろを向いたのでカーラーンは静かに聞いた
『いや…なんでもない。足元に気をつけろ』
アリアスはそれだけ言い、カーラーンとその横にいるザンデを見た
まさか親子揃ってついてくるとは思ってもおらず、アリアスは表情には出さないが少し驚いた
アリアスの斜め後ろにはカーラーン親子が控えているのだ
アリアスは昨晩に話した通りにカーラーンと共に行くと思っていたが、出立のときに現れたのは親子揃ってだった
カーラーンは少しでも部下を城の整備と休息や備蓄に当てたいと考えていた
そしてこちらには1人で十人馬力なりの力のある者をつければいい…そう考えれば思いつくのは1人しかいない
自分の息子のザンデだった
親だから、という贔屓目はなかった
戦場に出れば1人の騎士として扱う、それが元万騎長の考えだ
それでもザンデを選んだのはちゃんと理由がある
アリアスとの信頼関係と騎士としての実力
それらを考慮して選んだのだ
城から出してアリアスの元へやって良かった、とカーラーンは心から思っていた
力が自慢だった息子はいつの間にか自分の部下の使い方も上手くなっていた
武器も自分に合うように見繕えるだけ自分の力を理解した
それは騎士として、そして父として誇らしかった
本当ならば安泰のパルスで時間をかけて立派な騎士として育て国のため、国王の役に立つ騎士として見守りたかった
それがまさか父親が昔忠誠を誓った王女が現れてしまい安泰した出世から外してしまったのだ
カーラーンは後悔していたし、息子には見限られると思っていた
しかしザンデはカーラーンがもう一度アリアスのために力を注ぐ、と言ったときは分かりましたと言った
ザンデにはしっかりと父の覚悟が伝わっていたのだ
【父上は父上の思うように生きてください。俺はその背中を追うだけです】
そう言ってくれたことにカーラーンは本当に感謝していた
自分が怪我で動けなくなり、急遽呼んだ際もどうなるかと内心心配していたがそれは杞憂に終わった
ザンデは十分アリアスの力になっていた
最初は緊張もあったようだが、今では一丁前に心配し口まで出すようになり、良好な関係を築けているようで安心した
あのように接しているということはザンデはザンデなりにアリアスの覚悟を受け入れたということだ
それでもなお、1人の騎士として接しているのだから、ザンデはザンデで覚悟を決めたということだ
若いながらによくこの道を進むことを決めたな、とカーラーンはまた息子の成長に驚き、嬉しくなったのだ
「…父上?」
「なんだ?」
「いえ…なんだか嬉しそうな表情だったので……」
ザンデは隣りで優しげな表情で進む父親を不思議そうに見ていた
「そうか…?お前は表情が固いな」
「…デマヴァント山を行くのに表情が柔らかくなる方がおかしいでしょう」
デマヴァント山の頂上への山道を進むアリアス一行
その先頭を進むアリアスはちらり、と後ろを向いたのでカーラーンは静かに聞いた
『いや…なんでもない。足元に気をつけろ』
アリアスはそれだけ言い、カーラーンとその横にいるザンデを見た
まさか親子揃ってついてくるとは思ってもおらず、アリアスは表情には出さないが少し驚いた
アリアスの斜め後ろにはカーラーン親子が控えているのだ
アリアスは昨晩に話した通りにカーラーンと共に行くと思っていたが、出立のときに現れたのは親子揃ってだった
カーラーンは少しでも部下を城の整備と休息や備蓄に当てたいと考えていた
そしてこちらには1人で十人馬力なりの力のある者をつければいい…そう考えれば思いつくのは1人しかいない
自分の息子のザンデだった
親だから、という贔屓目はなかった
戦場に出れば1人の騎士として扱う、それが元万騎長の考えだ
それでもザンデを選んだのはちゃんと理由がある
アリアスとの信頼関係と騎士としての実力
それらを考慮して選んだのだ
城から出してアリアスの元へやって良かった、とカーラーンは心から思っていた
力が自慢だった息子はいつの間にか自分の部下の使い方も上手くなっていた
武器も自分に合うように見繕えるだけ自分の力を理解した
それは騎士として、そして父として誇らしかった
本当ならば安泰のパルスで時間をかけて立派な騎士として育て国のため、国王の役に立つ騎士として見守りたかった
それがまさか父親が昔忠誠を誓った王女が現れてしまい安泰した出世から外してしまったのだ
カーラーンは後悔していたし、息子には見限られると思っていた
しかしザンデはカーラーンがもう一度アリアスのために力を注ぐ、と言ったときは分かりましたと言った
ザンデにはしっかりと父の覚悟が伝わっていたのだ
【父上は父上の思うように生きてください。俺はその背中を追うだけです】
そう言ってくれたことにカーラーンは本当に感謝していた
自分が怪我で動けなくなり、急遽呼んだ際もどうなるかと内心心配していたがそれは杞憂に終わった
ザンデは十分アリアスの力になっていた
最初は緊張もあったようだが、今では一丁前に心配し口まで出すようになり、良好な関係を築けているようで安心した
あのように接しているということはザンデはザンデなりにアリアスの覚悟を受け入れたということだ
それでもなお、1人の騎士として接しているのだから、ザンデはザンデで覚悟を決めたということだ
若いながらによくこの道を進むことを決めたな、とカーラーンはまた息子の成長に驚き、嬉しくなったのだ
「…父上?」
「なんだ?」
「いえ…なんだか嬉しそうな表情だったので……」
ザンデは隣りで優しげな表情で進む父親を不思議そうに見ていた
「そうか…?お前は表情が固いな」
「…デマヴァント山を行くのに表情が柔らかくなる方がおかしいでしょう」